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<山本敦のAV進化論 第150回>

Alexa連携など革新 “フル盛り” の完全ワイヤレスイヤホン、Bragi「The Dash PRO」レポート

公開日 2017/12/14 09:00 山本 敦
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今回もまたAIアシスタントとのフュージョンを加速させるポータブルオーディオの最新動向を報告しよう(前回記事はこちら)。ドイツのBragi(ブラギ)が商品化した、アマゾンのAIアシスタント「Alexa」と連携する完全ワイヤレスイヤホン「The Dash PRO」だ(発売ニュース)。

ドイツの“ヒアラブル”ベンチャー、Bragiの完全ワイヤレスイヤホン「The Dash PRO」を発売前に一足早く使ってみた

ついに日本で発売される新製品を発売前にお借りすることができたので、ハンドリングレポートをお届けしよう。

「Alexa」連携以外にもかなり多彩な機能を搭載

The Dash PROは完全ワイヤレスイヤホンに、センサーや通信の先端テクノロジーを搭載するウェアラブルデバイスの要素を合体させた製品だ。開発したBragiは「ヒアラブルデバイス」の開拓者をうたうドイツ・ミュンヘンに拠点を置く新鋭ベンチャーで、完全ワイヤレスイヤホンのスペシャリスト。The Dash PRO以外にも「The Headphone」という名前の完全ワイヤレスイヤホンも発売される。

The Dash PROの方が上位モデルで、Alexa連携などの充実した機能を備えている。現時点ではおそらくAlexaと連携するスマートスピーカー以外のポータブルオーディオは世界的に珍しいのではないだろうか。

オペレーティングシステムは独自開発の「Bragi OS」。このほど日本発売時に合わせてリリースされる最新バージョン「OS 3.1.1」以降からAlexa連携のほか、日本語による音声ガイドへの対応と、専用スマホアプリ「Bragi」の日本語化などを対応してきた。

Bragiアプリのメイン画面

The Dash PROの本体は完全ワイヤレスイヤホンとしてはコンパクトな製品の部類に入る方だ。この小さな筐体に驚くほどたくさんの機能が詰め込まれている。アウトラインをざっと簡単に紹介していこう。

本体内蔵のバッテリーは約5時間の連続音楽再生に対応。専用ケースはイヤホン本体を5回分チャージできる大容量バッテリーを内蔵している。いかにもドイツらしい、アルミ削り出しのケースなので手に持つとずっしりとした重量感があるが、イヤホン本体に搭載されているLEDランプが点灯する様子がスリットからのぞけたり、洗練されたプロダクトデザインはとことん突き抜けている。

左右のイヤホンは充電器を兼ねた専用ケースにマグネットで装着する

アルミ製の堅牢なケース。充電中はスリットの合間からイヤホンのLEDランプがのぞき見える

イヤホンは左右ともに側面のパネルにタッチセンサーリモコンを搭載。BluetoothでペアリングしたスマホはiOS/Androidともに小気味良くコントロールできた。マルチタップに長押しの組み合わせを左右のイヤホンで別々に割り当てているうえ、本体にジャイロ・加速度センサーを乗せたことで、うなずいたり頭を左右に振る「ジェスチャー操作」でもハンズフリーのリモコン操作ができる。Bragiではこれを「4Dコントローラー」と名付けた。

左右のイヤホンともにサイドパネルがタッチセンサー方式のリモコンになっている

イヤホンの内側には心拍センサー、データ転送/給電用のコネクターが配置されている

イヤホンを装着した状態で顔を下>上の順に向けると起動して、左右に首を振る動作でメニュー選択、縦にうなずくと機能選択となる。センサーリモコンのタップ操作との併用を使いこなせるようになれば、パソコンで仕事をしながら音楽を聴いているときなど両方の手をフリーにしたまま選曲ができたり、とても便利に使えた。

バーチャル4Dはヘッドジェスチャーでメニューを開いて、様々な機能をうなずいたり首を振る操作だけで可能にする

これほど多機能なリモコン操作を覚えるだけでも大変だが、とことん貫いてひとつの完全ワイヤレスイヤホンに乗せきったところも機能性を徹底追求するドイツのブランドらしい。間違いなくこのイヤホンにしかないオリジナリティになっている。

筆者もイヤホンの取材には慣れているつもりだが、パターンの組み合わせは一所懸命になって覚えた。でも、慣れてくると色んな操作がペアリングしたスマホをポケットから引っ張り出さなくてもできるのがいい。操作方法を忘れてしまったら、答えは専用アプリのホーム画面からすぐに探せる。

左右のイヤホンのイメージをタップすると、それぞれに割り当てられているリモコンの操作メニューを確認できる

ヘッドジェスチャーの操作方法ガイダンス。音楽再生やハンズフリー通話など細かい操作に対応できる

左右イヤホンの本体内側には心拍センサーが配置されている。スマホアプリと低消費電力のBLE機能で常時接続しながら、アプリに搭載するアクティビティメニューから計測した心拍数をモニタリングしたり、ランニング/サイクリング/スイミングのスポーツを継続した時間、歩数に消費カロリーなどを導き出した記録をチェックできる。本格的なコーチング機能は搭載していないようだが、これからスポーツ連携機能も強化できそうな余白がアプリに残されているようにも見える。

アクティビティのメニュー。心拍数もリアルタイムに表示される

サイクリングやスイミングの記録がアプリに残る

なおスポーツシーンで本機を使う時に便利な音楽プレーヤー機能も内蔵している。イヤホンをケースに装着した状態でパソコンにUSB接続をすれば、4GBの内蔵メモリーにAAC、MP3形式のファイルを転送して簡易に音楽リスニングを楽しむことができた。再生操作が本体のセンサーリモコンで行えるメリットも活きてくる。そしてもう一つ、アウトドアユースに心強い仕様として、本機はIPX7相当の防水仕様だ。

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