デザインから音まで完成度が高い
<レビュー> “ベスト” なBluetoothイヤホンの一つ、ゼンハイザー「MOMENTUM Free」
またMOMENTUM Freeのユニークなところは、耳からイヤホンを外して首の前に垂らす時の配慮として、ハウジングのプレートがマグネット仕様になっていること。イヤホンを耳から外し、MOMENTUM Freeを首に掛けている際にも、イヤホンを背中合わせにくっつければネックレスのようになり、邪魔にならない。また手で持ち運ぶ際にも安心な仕様で、なかなか気の利いた設計だ。
イヤホンとしての基本スペックは、周波数帯域は15Hz〜22kHz、音圧レベルは118dB。カスタム切削のステンレススチール製のイヤホンという仕様は、まさに「MOMENTUM In-Ear」のまま。Bluetoothイヤホンの仕様はバージョン4.2対応で、対応コーデックはSBC/AAC/aptX/aptX LL対応と、最新仕様までカバーしている。なお連続再生時間は6時間で、バッテリーは付属のUSBケーブルで充電するタイプだ。
■iPhoneのAACサウンド、そしてaptXもチェック
さっそくiPhone 7とペアリングし、AACコーデックで音楽を聴き込んでみよう。RADWIMPSの「前前前世 (movie ver.) 」を聴いても、エレキギターも心地よいパワーと空間を伴う、空間再現が広く空気感のなかで引き出している。印象的なシンバルの金属音の響きは、今までのシリーズのサウンドを知る者であれば「これぞMOMENTUM!」と納得するはず。
映画『ラ・ラ・ランド』サントラのジャズ音源「アナザー・デイ・オブ・サン」を聞いても、冒頭のピアノは生音のようなナチュラルな質感も出てくるし、アタック感は音圧と共に空間の余韻も生み出す。ウッドベースの響きも気持ちよく、そしてボーカルはクリアな粒立ちをもって鳴らすため、ソリッドに響き渡る。大変うまくコントロールされたサウンドだ。Suchmosの「YMM」を聴いても硬質な低音もアタック感を適度な響きと共に鳴らし、音楽への没入させてくれる。
最新の洋楽の音源もいくつか聴き込んでみる、テイラー・スウィフトの「Shake It off」ではバスドラムのゴツゴツとした音を空間の響きと両立させて質感よく鳴らすし、コーラス、そしてハンドクラップの空間の位置感もスケール抜群に生み出す。Maroon 5の「Uptown Funk feat. Bruno Mars」を聞くとベースの重低音の質感は、スケールの大きな音の定位を生み出す感覚と、適度な音の響きが絶妙なライブ感を生み出す。