[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第205回】 “スポーツ向け完全ワイヤレスイヤホン” 5機種を実際に走ってレビュー!
【製品ポイントまとめ】
・価格は15,000円程度
・ピボットモーションサポート等による三点支持構造で装着安定性を向上
・低遮音タイプイヤーチップも付属
・汗や雨に強く水洗いも可能な防水仕様(IPX5防噴流形)
・バッテリー周りは連続再生3時間+ケース充電2回という、現状の平均水準をしっかり確保
・スマホアプリの機能は、きめ細かなバッテリー残量の確認、サウンドモードの切り替え、音と光でのイヤホン探索機能など
・カラーバリエーションを4色用意
【装着&実走】
音は普通に問題ない音調やバランスだ。完全ワイヤレスではないBluetoothイヤホンのエントリークラス全般の中に混ぜて聴いたとしても、普通に真っ当な音に仕上げられている部類と判断できるだろう。遮音性は通常タイプのイヤーチップの時点でも低め。さらに低遮音チップも用意されているので、ランニング時などの安全性などに特に気を使いたい方も安心だ。
装着感と安定性も問題なし。走っていて不安を感じる場面はなかった。写真で確認して見ても、イヤホンの飛び出し方が大きすぎたり不自然すぎたりする感じもなさそうだ。
接続安定性については、走り始めでは片側が途切れることがあった。しかし「もしや…?」と、接続したDAPを右のポケットから左のポケットに移すと、かなり改善。DAP→マスター側イヤホン→スレーブ側イヤホンを結ぶ直線が交錯しない位置関係にすると安定するようだ。完全ワイヤレスの使いこなしポイントとして気に留めておいて損はなさそう。
音量の操作は左右の物理ボタンのダブルクリックする。好みもあるだろうが、硬めのボタンをダブルクリックするのは少しやりにくい。イヤホンからの操作を頻繁に利用するユーザーは気になるかもしれない。
【製品ポイントまとめ】
・価格は33,000円程度
・心拍計機能搭載
・音声パススルー機能搭載
・イヤーピースとイヤーウイングを組み合わせてフィット
・IP67準拠の耐塵防浸性能
・バッテリー周りは連続再生4.5時間という余裕に加え、15分の充電で約1時間使用できる「ファストチャージバッテリー」機能もあって万全
・スマホアプリと心拍計機能の連携によるパーソナルフィットネス分析機能が充実
【装着&実走】
音質については、2種類各3サイズのイヤーピースが用意されているのだが、どれも僕の耳との相性が悪かったようで、低音が抜け出てしまっていた。しかしそのわりにはそれなりに整った音だったし、後に試した担当編集者によると好印象とのことだ。
遮音性についても、イヤーチップがフィットしていないため、僕としては判断を保留したい。だが、イヤーチップがフィットしたとしてもそんな極端に遮音性が高くなることはないだろうという感触ではある。装着の安定性は全く問題なし。接続安定性は、先ほどのHA-ET900BTとおおむね同程度。時折左右が途切れたが、DAPのポジションを変えるとおおよそ安定してくれた。
操作性の面では、気になったところが一点。ボタンが硬めな上、その押し込む方向が耳に向かっているため、ボタンを押すとイヤホン全体を耳に押し付ける感じになってしまう。うまくイヤホンをつまみながらボタンを押すなど、ユーザーの使いこなしが必要かもしれない。