【特別企画】グラフェン振動板を採用
1万円前後で“完全ワイヤレスイヤホンの枠を超えた”音を実現! NuForce「BE Free5」レビュー
■岩井喬氏が聴いた「Be Free5」。完全ワイヤレスイヤホンの枠を超えた
NuForceの新たな完全独立Bluetoothイヤホン『BE Free5』は、上位モデル「BE Free8」のノウハウやサウンドを継承しつつ、よりコンパクトなモデルに仕上げられている。
対応コーデックもAACまでと、BE Free8に比べて抑えた仕様となっているが、1万円ほどの価格帯としてはAACに対応しているのも希少な存在であり、コストパフォーマンスの高さが際立つ。
肝心の音の面では、グラフェン振動板採用5.6mmドライバーを搭載し、完全ワイヤレスイヤホンの枠を超えるサウンド品質の高さを実現した。
『iPod touch(第6世代)』を用いて接続してみたが、グラフェン振動板由来のカリッとした輪郭の切れ味と、締まり良く弾力を持たせた低域表現によって、クリアでアタック感の小気味よいサウンドを届けてくれる。
管弦楽器の旋律はしなやかな質感で、余韻も澄み切っておりクリアな空間が表出する。ジャズピアノも軽やかで、ウッドベースの胴鳴りも力強い。ボーカルはスッキリとヌケ良く浮かび、ボディの芯も自然な厚みを持たせている。レンジ感も適度に保たれており、伸び良く素直でナチュラルなサウンド傾向を持っているようだ。
ロック音源でもリズム隊のキレ良くクリアな音場で、エレキギターのリフはザクザクと粒立ち良く、スネアやシンバルの音色も癖なく涼やかだ。
完全ワイヤレスイヤホンでは、高鮮度で切れ味良いサウンドの実現がなかなか難しく、高域のざらつきや、コーデックの圧縮感が耳につくケースも少なくない。BE Free 5はキレ良いサウンドに加え、音像の太さや安定感も両立。完全ワイヤレス機であっても音質を犠牲にしないバランスの良さを備えている。
ちなみに他のプレーヤーとSBCコーデックで接続した場合は、全体的にナローでヌケ感も今一つな印象を受けた。音作りもAACコーデックをベースにしたと思われるバランスなので、iOSユーザーと親和性の高い音質重視の完全ワイヤレスイヤホンといえるだろう。
特別企画 協力:バリュートレード