Google アシスタント ビルトインとは?
Google アシスタントが家電にどんどん入り込む − Alexa/Siriを含めた今後の展望
■Google アシスタントを家電に“組み込む”ことの意味
「Google アシスタント ビルトイン」とは、文字どおり “Google アシスタントが組み込まれた” 製品のこと。Googleが提供する対話型音声アシスタントサービス「Google アシスタント」の窓口として、マイクで拾った人間の声をデータ化してクラウドへ送り、その解析結果を受け、何らかの処理を行うことが製品としてのキモだ。Googleが2016年秋に発売し、翌年日本に上陸した「Google Home」はその先駆であり、スマートスピーカーというジャンルを形成した筆頭といえる。
Google アシスタントは主要部分をクラウドに置くソフトウェアだが、その窓口を家電製品に “組み込む” となると、一種のPCとしての機能が求められる。Google アシスタントの機能をどう使うかはAPIとして整備されており(詳細はこちら)、そのAPIにアクセスできるハードウェア/ソフトウェアが必須だからだ。つまり、「SoM」など処理を担うハードウェアに何を選ぶのか、システム(OS)をどうするか、ということになる。
ここでいうSoMとは「System On Module」の略で、部品のように扱えるコンピュータ基板のことだ。いわば家電の中に設置できる小さいパソコンだが、ピンとこなければRaspberry Piのようなシングルボードコンピュータを想像すればいい。実際には、より小さな基板にまとめられ、機能/性能が簡略化されているものの、考え方に変わりはない。
SoMはNXPやQualcommなどのチップベンダーから様々な製品が提供されているが、Google アシスタントの動作がサポートされるOSが動作すること、かつそのOSが製品にプリインストールできることが「Google アシスタント ビルトイン」を謳うに際しての、事実上の条件となる。
Google アシスタント APIはWindowsやMac OSでも動作するため、理屈の上ではパソコン(Windows/Mac)にビルトインすることも可能。だが家電製品としての利用を考慮すると、安価でコンパクトなSoMが望ましく、OSもライセンスを考慮すると無償かつ再配布可能なLinux、またはAndroid OSを選ぶ事になる。
Linuxは多種多様な配布形態(ディストリビューション)が存在するため省略するが、家電製品に組み込むとなれば、Android系OSが有力な選択肢となる。Android系OSとは、Android OSそのもの、その派生版としてテレビ向けに開発されたAndroid TV、そして2018年5月にバージョン1.0が正式リリースされた「Android Things」だ。
Android TVは、いわば「Android OSのテレビ/STB最適化版」。SONY「BRAVIA」シリーズ(関連ニュース)やSHARP「AQUOS」シリーズのほか、Xiaomiのセットトップボックス「Mi Box」などに採用されている。Android TVが動作することに加え、音声の入出力に必要なマイクとスピーカーが確保されていれば、Google アシスタント ビルトイン導入のハードルは低いと考えていいだろう。実際、Googleが2017年1月に発表したGoogle アシスタント対応プロダクトには上述の3製品が含まれており、ファームウェアアップデートによりGoogle アシスタントがサポートされている。
Android Thingsは、Google主導で開発が進められている組み込み/IoT用の軽量なOSだ。基礎的な部分でAndroid OS(バージョン8/Oreo)との互換性を保つことで、Java APIなど既存の開発フレームワークやGoogleが提供するサービスの一部を利用できる。GPIOおよびI2C/SPIのサポートにより、直接ハードウェアを叩けることも特長だ。
ただし、ドライバとアプリケーションは独自開発が必要とされ、Android OSやAndroid TVのようなGUIは標準装備されない(装備できるが必須ではないというスタンス)。Android OSはスマートフォン向けのフィーチャーが多く、表示装置や複雑な入力装置を持たないスピーカーのような家電製品には機能がトゥーマッチだが、Android Thingsならばちょうどいい。
それら選択肢のうち、今後特に採用事例が増えそうなものが、Android Thingsだ。バージョン1.0の正式リリースにあわせ、NXP i.MX8M、Qualcomm SDA212/SDA624、MediaTek MT8516というSoMのサポートが発表されており(詳細はこちら)、すでにJBLやLG、LenovoなどからAndroid Thingsベースのスマートディスプレイが発表されている。
「Google アシスタント ビルトイン」とは、文字どおり “Google アシスタントが組み込まれた” 製品のこと。Googleが提供する対話型音声アシスタントサービス「Google アシスタント」の窓口として、マイクで拾った人間の声をデータ化してクラウドへ送り、その解析結果を受け、何らかの処理を行うことが製品としてのキモだ。Googleが2016年秋に発売し、翌年日本に上陸した「Google Home」はその先駆であり、スマートスピーカーというジャンルを形成した筆頭といえる。
Google アシスタントは主要部分をクラウドに置くソフトウェアだが、その窓口を家電製品に “組み込む” となると、一種のPCとしての機能が求められる。Google アシスタントの機能をどう使うかはAPIとして整備されており(詳細はこちら)、そのAPIにアクセスできるハードウェア/ソフトウェアが必須だからだ。つまり、「SoM」など処理を担うハードウェアに何を選ぶのか、システム(OS)をどうするか、ということになる。
ここでいうSoMとは「System On Module」の略で、部品のように扱えるコンピュータ基板のことだ。いわば家電の中に設置できる小さいパソコンだが、ピンとこなければRaspberry Piのようなシングルボードコンピュータを想像すればいい。実際には、より小さな基板にまとめられ、機能/性能が簡略化されているものの、考え方に変わりはない。
SoMはNXPやQualcommなどのチップベンダーから様々な製品が提供されているが、Google アシスタントの動作がサポートされるOSが動作すること、かつそのOSが製品にプリインストールできることが「Google アシスタント ビルトイン」を謳うに際しての、事実上の条件となる。
Google アシスタント APIはWindowsやMac OSでも動作するため、理屈の上ではパソコン(Windows/Mac)にビルトインすることも可能。だが家電製品としての利用を考慮すると、安価でコンパクトなSoMが望ましく、OSもライセンスを考慮すると無償かつ再配布可能なLinux、またはAndroid OSを選ぶ事になる。
Linuxは多種多様な配布形態(ディストリビューション)が存在するため省略するが、家電製品に組み込むとなれば、Android系OSが有力な選択肢となる。Android系OSとは、Android OSそのもの、その派生版としてテレビ向けに開発されたAndroid TV、そして2018年5月にバージョン1.0が正式リリースされた「Android Things」だ。
Android TVは、いわば「Android OSのテレビ/STB最適化版」。SONY「BRAVIA」シリーズ(関連ニュース)やSHARP「AQUOS」シリーズのほか、Xiaomiのセットトップボックス「Mi Box」などに採用されている。Android TVが動作することに加え、音声の入出力に必要なマイクとスピーカーが確保されていれば、Google アシスタント ビルトイン導入のハードルは低いと考えていいだろう。実際、Googleが2017年1月に発表したGoogle アシスタント対応プロダクトには上述の3製品が含まれており、ファームウェアアップデートによりGoogle アシスタントがサポートされている。
Android Thingsは、Google主導で開発が進められている組み込み/IoT用の軽量なOSだ。基礎的な部分でAndroid OS(バージョン8/Oreo)との互換性を保つことで、Java APIなど既存の開発フレームワークやGoogleが提供するサービスの一部を利用できる。GPIOおよびI2C/SPIのサポートにより、直接ハードウェアを叩けることも特長だ。
ただし、ドライバとアプリケーションは独自開発が必要とされ、Android OSやAndroid TVのようなGUIは標準装備されない(装備できるが必須ではないというスタンス)。Android OSはスマートフォン向けのフィーチャーが多く、表示装置や複雑な入力装置を持たないスピーカーのような家電製品には機能がトゥーマッチだが、Android Thingsならばちょうどいい。
それら選択肢のうち、今後特に採用事例が増えそうなものが、Android Thingsだ。バージョン1.0の正式リリースにあわせ、NXP i.MX8M、Qualcomm SDA212/SDA624、MediaTek MT8516というSoMのサポートが発表されており(詳細はこちら)、すでにJBLやLG、LenovoなどからAndroid Thingsベースのスマートディスプレイが発表されている。
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