純正品のカーオーディオシステム
レクサスにのみ許された極上空間。Mark Levinsonが専用設計した3Dサウンドを聴く
この広がりのある空間を提供してくれる23個のスピーカーも個性的だ。トゥイーターとミッドレンジを一体化した100mmサイズのUnityスピーカーを、フロントがセンターを含む左右ドアとリアドア、そしてリアトレイ後方に配置。ウーファーはフロントドアの200×230mmオーバルウーファー、リアドアの170mmウーファー、リアシート後ろの265mmサブウーファーに組み込んだ。
そして、包み込むようなサラウンド感に大きく貢献しているのが、天井にセットした4本の40mmアレイスピーカーだ。その位置は前席と後席の少し前方にレイアウトし、主に倍音成分を抽出して楽曲の響きを再生する。これが立体的なサラウンド再生、つまり “3Dサラウンド” を可能にしているのだ。
この効果は絶大で、どのシートに座っても、運転席と同様の聴き心地を実現している。特にLSの場合は、ショーファーカーとしての使い方をされる機会が多いということで、リアシートでの聴き心地も重視された。このあたりがレクサスLSならではの音作りと言っていいだろう。
再生可能なソースはどうか。ハイレゾに関してはリニア再生ではないものの対応となっている。再生メディアも基本的に豊富で、ディスクはDVD/CDはもちろん、Blu-rayにも対応する。さらにUSBメモリーやSDカード/マイクロSDカードが再生でき、Bluetoothオーディオにも対応している。
コントロールはコンソール上に用意されたキーパッドによって行う。ノートパソコンのように指先でカーソルを移動し、アイコン上でプッシュしてクリックするというものだ。クリックした時のストローク感も十分あって、操作した実感は確実にある。ただ、カーソルの動きが不慣れなせいか、あまりうまく行かず、煩わしさを感じることもあった。走行中に操作をしないことを基本としているのだが、走行中にソースを変更したいこともあるだろう。そんな時の操作感はイマイチの感があったのは確かだ。
とはいえ、本システムの素晴らしさは、ゆったりと包まれながら聴くことができるということ。LSという、庶民にはちょっと手が届きそうにない高級車だけが備える極上のサウンドだけに、機会があったらレクサス店に足を運ぶなどしてぜひ聴いてみて欲しい。
(会田 肇)