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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第212回】噂の静電型トゥイーター搭載イヤホン! 「FitEar EST Universal」発売直前レビュー

公開日 2018/07/06 08:20 高橋敦
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ステムとは、ユニバーサルタイプイヤホンのイヤーチップを取り付ける部分。そこを楕円形にしてある。するとイヤーチップも耳に入れる前からあらかじめ楕円に変形し、結果耳の中で正しいポジションに収まりやすく、妙な圧力で耳に不快感を与えることも少なくなるというもので、個人個人の耳型に合わせたカスタムイヤーモニターを、無数と言えるほどに製作してきた経験から導き出された答えである。その楕円形状はそのまま引き継ぎ、ハイブリッド構成の音の放出に合わせた最適化を行ったのが、ESTのステムとなる。

楕円。真円ではなくそれを引き伸ばして平たくしたような断面のステム

リケーブル端子はおなじみFitEar端子。信頼性番長!

実際に装着してみてもそれは実感できる。イヤーチップ選びがピタっと決まってさえいれば、耳に入れるとポジション探しに悩まされることもない。すぐにスッと安定してくれるので、着け外しに手間取らずに済む。もちろん装着感も快適だし、遮音性も高い。

なお、このステム部分は当然ながら「Universal」のみの仕様となるが、他の部分においては、今後投入されるであろうカスタム版ESTとの間に差異はないとのこと。

そのステムに取り付ける付属イヤーチップは、シリコン製の通常型3サイズとダブルフランジ1サイズが用意される。

通常型の方は、あえて薄めの傘でさらっとした質感などが特徴。背が低めで、ステムに装着した際にステム先端からイヤーチップ先端までの距離が短め&浅めなところもポイントかもしれない。音がイヤーチップを通る距離は短いわけだ。

定番イヤピとの比較、左からfinal E、AZLA SednaEarfit、JVC スパイラルドット、FitEar(全てLサイズ)

なお、一般的なカナル型イヤホンと比べ、イヤーチップを深く耳に挿入にする形状のイヤモニ型イヤホンにおいては、イヤーチップの適正サイズが前者とは変わってくる場合も多い。ESTではオーバル形状という要素も加わるので、「いつもMだから今回もそれでOKだろう」のように流さず、改めての慎重なサイズ検討をおすすめしたい。

それにしても、このFitEarを筆頭としてqdcやカナルワークスなど、ユニバーサルでも驚異的なフィット感を叩き出してくるイヤモニメーカーが増えつつある。

もちろんそのポテンシャルを確実に完全に発揮できるのはカスタムモデルだろう。しかしユニバーサルにも「製作待ちなしですぐに使い始められる」「普段使いにおける着け外しが楽」「イヤーチップでの音質調整も可能」などの強みがある。

カスタムとユニバーサルのどちらが最適解なのか、それは各自の考え方や使い方次第。ただその選択にあたっては「最近一部メーカーのユニバーサルのフィット感、すげえぞ」という要素も判断材料に入れるべきだ!と、進言させていただきたい。

付属ケーブルはFitEar cable 006。同社ユニバーサル型付属として最も基本的なケーブル。やや硬めに仕上げられているので、柔らかなケーブルが好みの方には合わないかもだが、その弾性のおかげで八の字巻きからすぐに解けやすいなど、使い勝手は悪くない。

音の個性を持たされているケーブルではないので、ここからのリケーブルでの音の変化もわかりやすそう

いつも通りペリカン製ハードケースとメッシュタイプソフトケースも付属

次ページ注目モデルのサウンドをチェック!

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