【特別企画】Dreamからドライバーを進化させた最新モデル
DITA「Fealty/Fidelity」を聴く − 音楽性/忠実性をそれぞれ追求した“双子”のイヤホン
DITAのイヤホンについては、定評のある低域解像度の高さを損なわずに、中域を改良してほしいというユーザーの声が寄せられていた。Fealty/Fidelityで採用されたドライバーは、こうした要望に応えるものだとダニー氏は語る。
FealtyとFidelityのドライバーはほぼ同じ設計なのだが、PETとPENを混合する割合に差があるのだという。この違いが、両モデルの音の個性を作っている。
なお、振動板のメイン部分はDreamと同じで、直径も同様に10mmだ。ただし筐体はDreamがチタンを採用していたのに対して、Fealty/Fidelityは航空機グレードのアルミニウムの削り出しである。
DITAの定評ある低域の深みは「チューンド・アコースティック・チャンバー」と呼ばれる独自技術による音響空間の設計によるところが大きいが、これはFealty/Fidelityにも採用されている。DITAの音の要であり、本機においてもエアフローおよびチャンバーの容積を綿密に計算した上で設計されているとのことだ。
またFealty/Fidelityでは、Dreamでは評価が芳しくなかったというケーブル端子について、新たに「Slot-Lock」と呼ばれるロック機構を採用することでより抜けにくく改良している。また、DITA製品におけるもうひとつの課題と言えるのがケーブルの硬さだったが、これもTwinsではより柔らかく曲げやすい独自開発の「The Fatケーブル2」に変更されている。
プレーヤー側の端子には、Awesomeコネクターが引き続き採用されている。Awesomeコネクターは、ケーブルではなくイヤホン端子のみを交換して、バランス接続などに対応するという発想に基づいたもの。高価なケーブルを買い替えることなく、プレーヤーに合わせて2.5mm 4極や4.4mm 5極のバランス端子、3.5mm 3極や3.5mm 4極端子と交換をして接続することができる。なお、端子はロック式のためにがっちりと固定することが可能だ。
実際にAwesomeコネクターを使ってみるとわかるのだが、端子を交換するのがとても容易で、例えばCHORD「Mojo」のシングルエンド出力と、Astell&Kernのプレーヤーの2.5mmバランス出力を併用する際など、端子を交換するだけなのでとても便利だ。
■Awesomeコネクターにより手軽にバランス駆動に対応
Fealty/Fidelityはパッケージも色のみが異なり、Fealtyは白、Fidelityは黒の外箱に詰められている。外箱は厚みがあってしっかりとしたつくりだ。外箱を開けるとDITA Audioからの購入者へのメッセージカードが封入されているのは伝統と言えるだろう。
中箱にはイヤホン本体がウレタンフォームにセットされている。フォームの底にはイヤーチップ、レザーポーチや航空機用アダプタープラグ、2.5mmバランス用Awesomeコネクターなどのアクセサリーを同梱。このためAstell&Kernユーザーならばすぐにバランス出力を楽しむことができる。Astell&Kernの最新モデル「SR15」や「SE100」のように特にバランス出力に優れたモデルのユーザーであれば、すぐにでもバランス端子に付け替えたくなるだろう。
耳垢防止用の交換フィルターも入っている。イヤーチップは標準サイズのほか、フィッティングの良さで定評のあるファイナル製Eタイプ・イヤーチップ(SS/S/M/L/XL)が付属する。
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