【特別企画】オラソニック独自開発の画期的なアイテム
愛用システムを“音質最優先”でBluetooth対応に! 「NA-BTR1」はオーディオファン待望のレシーバーだ
これまでBluetooth再生による “利便性” と、オーディオファイルが求める “高音質” は、両立することが難しいと考えられてきた。これは、往年の名機を用いたシステムをワイヤレス化させるためのBluetoothレシーバーに、高音質モデルが存在しなかったためだ。そんななか、待望となる音質を優先したBluetoothレシーバー「NA-BTR1」が登場した。土方久明氏が、その実力をチェックする。
今、Bluetoothを使った無線のワイヤレススピーカーやヘッドホン/イヤホンが大人気だ。スマホやDAPと組み合わせて手軽に音楽を楽しめるBluetooth対応デバイスは、コンシューマー市場のメインストリームとして定着しつつあるし、今後さらに人気が上がるだろう。
しかし、音質を大切にする我々オーディオファイルにとっては、 “Bluetooth=音が悪い” という認識もいまだ根強い。確かに、Bluetoothオーディオ用プロファイル「A2DP」の標準コーデックである「SBC」は、圧縮率が高く、聴感上の音質があまり良くない。また、レイテンシー(音が出るまでのタイムラグ)も大きい。
その一方で、近年では「aptX」や最大48kHz/24bitに対応した「aptX HD」、最大96kHz/24bitに対応する「LDAC」などの高音質コーデックが誕生して、Bluetoothで音質を追求できるようになってきた。同時にスマートフォンも、高機能モデルを中心にハイレゾ再生に対応するモデルが増えている。つまり最近は、対応機器を組み合わせれば「モバイル端末+Bluetoothでハイレゾを楽しむ」というスタイルが実現可能なのだ。
そんな中、1つ興味深いBluetooth対応製品が登場したのでご紹介したい。オラソニックのBluetoothレシーバー「NA-BTR1」である。本機を使用すれば、 “手持ちのオーディオシステムを手軽にBluetooth対応にする” ことができるのだ。
■音質を最優先にしたLDAC/aptX HD両対応のBluetoothレシーバー
オラソニックは東和電子が2010年に立ち上げたオーディオブランドで、元SONYの技術者を中心に構成された。卵型のフォルムを持つPC用USBスピーカーや、CDジャケットサイズの超小型コンポ「NANOCOMPO」が高い評価を受け、国産オーディオブランドとしての地名度を固めている。昨年10月には、株式会社インターアクションが事業を受け継ぎ、オラソニックブランドの第2ステージが始まった状態だ。
NA-BTR1は、Bluetooth経由で音声データを受信して、それをデジタルとアナログで出力することができるレシーバーだ。このような製品はすでにPC周辺機器メーカーなどから発売されているが、これまではあくまでも “利便性優先” の製品だった。対してNA-BTR1は、 “音質最優先” で考えられた初のBluetoothレシーバーと言えるだろう。
それでは、製品のアウトラインを確認してみよう。外形寸法は、縦100mm、横100mm、高さ30mmとコンパクト。天井部には動作状態を表示するLEDが備わる。つや消しのホワイトとブラックのシンプルなボディはオーディオ製品らしい凛とした佇まいがある。
筐体はプラスティック製だが、これは金属系のボディにするとBluetoothの電波を効率よく受けることができず、アンテナを別途設置しなくてはいけないためだ。もしこの筐体にアンテナをつけると、変な存在感が出てくる可能性があるので、このままが良いだろう。また、デジタル出力2系統(OPTICAL、COAXIAL)、アナログ出力1系統(RCA)を備えているにもかかわらずこのサイズ感に収めたことに感心する。
さて、Bluetoothレシーバーということは、最初に気になるのは対応するコーデックである。先述した通り、標準的なSBCでは据え置き型環境におけるハイファイ再生には力不足だ。本製品は、基本となるSBC、AACの他に、高音質なBluetoothコーデックとして事実上最高峰の「aptx HD」「LDAC」の2種類に対応している。これはBluetoothレシーバーでは初めて。しかも驚くべきことに、オラソニックが独自開発した自社製モジュールである。音質を高めるため、わざわざ社内で開発を行ったのだ。
余談だが、このBluetoothモジュールは先に発売されたBluetoothスピーカー「IA-BT7」に内蔵されており、これによりIA-BT7は、LDACとaptX HD両方に対応した世界で唯一のBluetoothスピーカーとなっている。
NA-BTR1に話を戻すが、本機は複数のBluetooth機器とのペアリングを記憶できる「マルチペアリング」機能も搭載し、最大9つまでのソース機器を登録しておくことができる。さらに出力端子が豊富で、様々なオーディオ機器に接続できることも大きな長所だ。
本体のアンテナで受信したBluetooth信号は、自社開発のBluetoothモジュールでデコードされたのち、デジタル出力、もしくはD/AコンバーターでDA変換されてアナログ出力される。ということは、アンプのライン入力やD/Aコンバーターのデジタル入力に接続することができるのだ。
興味深い点として、デジタル出力はBluetoothから入力されたレゾリューションをそのまま出力する仕様となっている。例えばLDACの96kHz/24bitであれば、そのまま96kHz/24bitで出力することが可能だ。また、アナログ出力仕様も強力で、DACチップにはTI社製の384kHz/32bit対応DAC「PCM5012A」を搭載する。従来、ここまで強力なスペックのBluetoothレシーバーはこの世に存在していなかった。
今、Bluetoothを使った無線のワイヤレススピーカーやヘッドホン/イヤホンが大人気だ。スマホやDAPと組み合わせて手軽に音楽を楽しめるBluetooth対応デバイスは、コンシューマー市場のメインストリームとして定着しつつあるし、今後さらに人気が上がるだろう。
しかし、音質を大切にする我々オーディオファイルにとっては、 “Bluetooth=音が悪い” という認識もいまだ根強い。確かに、Bluetoothオーディオ用プロファイル「A2DP」の標準コーデックである「SBC」は、圧縮率が高く、聴感上の音質があまり良くない。また、レイテンシー(音が出るまでのタイムラグ)も大きい。
その一方で、近年では「aptX」や最大48kHz/24bitに対応した「aptX HD」、最大96kHz/24bitに対応する「LDAC」などの高音質コーデックが誕生して、Bluetoothで音質を追求できるようになってきた。同時にスマートフォンも、高機能モデルを中心にハイレゾ再生に対応するモデルが増えている。つまり最近は、対応機器を組み合わせれば「モバイル端末+Bluetoothでハイレゾを楽しむ」というスタイルが実現可能なのだ。
そんな中、1つ興味深いBluetooth対応製品が登場したのでご紹介したい。オラソニックのBluetoothレシーバー「NA-BTR1」である。本機を使用すれば、 “手持ちのオーディオシステムを手軽にBluetooth対応にする” ことができるのだ。
■音質を最優先にしたLDAC/aptX HD両対応のBluetoothレシーバー
オラソニックは東和電子が2010年に立ち上げたオーディオブランドで、元SONYの技術者を中心に構成された。卵型のフォルムを持つPC用USBスピーカーや、CDジャケットサイズの超小型コンポ「NANOCOMPO」が高い評価を受け、国産オーディオブランドとしての地名度を固めている。昨年10月には、株式会社インターアクションが事業を受け継ぎ、オラソニックブランドの第2ステージが始まった状態だ。
NA-BTR1は、Bluetooth経由で音声データを受信して、それをデジタルとアナログで出力することができるレシーバーだ。このような製品はすでにPC周辺機器メーカーなどから発売されているが、これまではあくまでも “利便性優先” の製品だった。対してNA-BTR1は、 “音質最優先” で考えられた初のBluetoothレシーバーと言えるだろう。
それでは、製品のアウトラインを確認してみよう。外形寸法は、縦100mm、横100mm、高さ30mmとコンパクト。天井部には動作状態を表示するLEDが備わる。つや消しのホワイトとブラックのシンプルなボディはオーディオ製品らしい凛とした佇まいがある。
筐体はプラスティック製だが、これは金属系のボディにするとBluetoothの電波を効率よく受けることができず、アンテナを別途設置しなくてはいけないためだ。もしこの筐体にアンテナをつけると、変な存在感が出てくる可能性があるので、このままが良いだろう。また、デジタル出力2系統(OPTICAL、COAXIAL)、アナログ出力1系統(RCA)を備えているにもかかわらずこのサイズ感に収めたことに感心する。
さて、Bluetoothレシーバーということは、最初に気になるのは対応するコーデックである。先述した通り、標準的なSBCでは据え置き型環境におけるハイファイ再生には力不足だ。本製品は、基本となるSBC、AACの他に、高音質なBluetoothコーデックとして事実上最高峰の「aptx HD」「LDAC」の2種類に対応している。これはBluetoothレシーバーでは初めて。しかも驚くべきことに、オラソニックが独自開発した自社製モジュールである。音質を高めるため、わざわざ社内で開発を行ったのだ。
余談だが、このBluetoothモジュールは先に発売されたBluetoothスピーカー「IA-BT7」に内蔵されており、これによりIA-BT7は、LDACとaptX HD両方に対応した世界で唯一のBluetoothスピーカーとなっている。
NA-BTR1に話を戻すが、本機は複数のBluetooth機器とのペアリングを記憶できる「マルチペアリング」機能も搭載し、最大9つまでのソース機器を登録しておくことができる。さらに出力端子が豊富で、様々なオーディオ機器に接続できることも大きな長所だ。
本体のアンテナで受信したBluetooth信号は、自社開発のBluetoothモジュールでデコードされたのち、デジタル出力、もしくはD/AコンバーターでDA変換されてアナログ出力される。ということは、アンプのライン入力やD/Aコンバーターのデジタル入力に接続することができるのだ。
興味深い点として、デジタル出力はBluetoothから入力されたレゾリューションをそのまま出力する仕様となっている。例えばLDACの96kHz/24bitであれば、そのまま96kHz/24bitで出力することが可能だ。また、アナログ出力仕様も強力で、DACチップにはTI社製の384kHz/32bit対応DAC「PCM5012A」を搭載する。従来、ここまで強力なスペックのBluetoothレシーバーはこの世に存在していなかった。