11インチモデルで検証
【レビュー】新iPad ProのAV性能をチェック! 本体は小さく薄く、でも没入感は大きくなった
スマホやタブレットを使ってNetflixやAmazonの映像配信、YouTubeなどを、様々な場所で楽しむ人が増えている。筆者も最近自宅に限らず、外出先でもイヤホンを使って仕事の合間に動画を見ることが多い。
iPad Proの本体には2つのカラーバリエーションが揃っているが、どちらもベゼルの色はブラック。スマホだと物足りない感じがしてしまうコンテンツ再生も、11インチのiPad Proならサイズを超えた没入感が味わえそうだ。視野角も十分に広いので、映像・写真コンテンツを家族や友人と隣に並んで快適にシェアできる。
カメラまわりの実力テストについては、また機会があれば改めてレポートしたいと思うが、4K動画を撮影し、USB端子から4K対応ディスプレイに直接映像を出力できるようになった。アップル純正のアクセサリー「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」などを使えば、4KテレビにもiPad Proで撮った動画や写真が出力できる。環境を整えてぜひ試してみたいと思う。
新しいiPhone XR/XS/XS Maxが強化してきたポートレートモードは、今回のiPad Proではフロント側のTrueDepthカメラによる撮影のみ対応しているようだ。ポートレート撮影モードを選択するとカメラが自動的に切り替わる。エフェクトはiPhone XSと同様に5種類が揃っている。
また、Apple Storeで販売されている「USB-C - Lightningケーブル」などのアクセサリーを使えば、iPad Proをモバイルバッテリー代わりにしてiPhoneを充電できる。サードパーティーからはUSB Type-CからApple Watchを充電できるケーブルも発売されているようだ。
今回はこれらの用意が間に合わなかったので、iPad Proに同梱されている両端がUSB Type-Cのケーブルを使ってXperia Ear Duoをつないでみたら充電できた。これは便利だ。続いてグーグルのPixel 3 XLを接続してみたところ、これも普通に充電できてしまう。
なお、USB Type-Cを経由してデジカメから写真データを取り込むこともできるそうなのだが、手もとに対応する端子を搭載下カメラがなく、今回は試せなかった。Pixel 3 XLを接続するとiPad Proの「写真」アプリが開いて「読み込む」タブが表示されるが、端末からデータを吸い出すところまではできなかった。
新しいApple Pencilは、小型・軽量化を実現したかわりに、2018年モデルのiPad Pro専用となっており、iPadにくっつけるワイヤレスチャージに対応している。
Apple Pencilをダブルタップすると、現在使用しているペンツールと消しゴムを素速く切り替えられる。筆者もよく手書きで原稿のアイデア出しをする際にApple Pencilを使っているが、消しゴムに切り替えるたびにアイコンをタップする手間が省けるので、作業効率が格段に上がりそうだ。またアプリごとに特別な機能をタップ操作に割り当てることもできるので、クリエイターにとっては期待できるツールになるだろう。
新しい専用キーボード「Smart Keyboard Folio」は、本体裏側のSmart Connectorにマグネットで吸着させて使う。従来の専用キーボードはiPadのディスプレイ側しか保護できなかったので、本体の全面をラッピングするようなデザインの新しいキーボードは安心感が高い。iPad Proを持ち歩く機会も増えそうだ。
キーボードの打鍵感は従来モデルとほぼ変わらず、筆者は心地よいと感じる。また、iPadを立てる角度も2段階から選べるようになっている。エンターテインメントコンテンツの視聴にも役に立つだろう。
当サイト読者の中には、iPadをネットワークオーディオのリモコンとして活用している方も多いだろう。シリーズ最薄を実現した新しいiPad Proのスマートなルックスは、オーディオシステムとの見た目のマッチングも良さそうだ。最新の高性能プロセッサ「A12X Bionic」を搭載したことによる、ストレスないサクサクとした操作感を体験してしまうと、なかなか後戻りができなくなりそうだ。
実は筆者も12.9インチの新しいiPad Proを購入して、明日の到着を待っているところだ。ホームエンターテインメントとオフィスをまたぎ、縦横無尽に活躍してくれるメインツールになってくれるものと、大いに期待している。
(山本 敦)