[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第219回】そのイヤホン、Bluetooth対応にできます!タイプ別 BTリケーブル&レシーバー紹介
■C&D:レシーバータイプのBluetooth化アイテム
●C:Bluetoothレシーバーのポイント
こちらは別の言い方をすれば、「Bluetooth受信機能を備えたポータブルヘッドホンアンプ」だ。ここまでに紹介したタイプとの最大の違いは「リケーブルではない」こと。お持ちのイヤホンのケーブルはそのまま、その端子をレシーバーのイヤホン端子に挿すだけという接続で使うことができる。
ワイヤレスとワイヤードを使い分けるのに、「小さくて耐久性にも不安のある」リケーブル端子を「左と右それぞれ」挿し替えることなく、普通に「イヤホン端子一箇所の挿し替え」で済むというのが嬉しいポイント。なので「音楽を聴き込むのにはDAPでワイヤード」「ネット関連はスマホでワイヤレス」というような二刀流体制との相性は特に良い。
弱点としては、ワイヤレス感の薄さ、だろうか。元からのケーブルはそのままなので、身軽!という感じはあまりしないだろう。
「FiiO BTR3」は、aptX HD/aptX LL/LDAC/HWAなど、各種の高音質コーデックや低遅延コーデックに全対応する最新製品。しかし、この製品の最大の魅力は、ポータブルアンプ分野で定評するFiiOならではのアンプとしての力強さにある。Bluetoothのコーデックが何であれ、がっしりとした力でしっかりとイヤホンを鳴らしてくれる。
RADSONE「EarStudio ES100」は2.5mmバランス駆動端子を搭載。2.5mmバランス駆動端子対応DAPを使っていて、イヤホンのケーブルもそれに合わせてある場合でも、そのバランス駆動ケーブルを挿し替えることなく組み合わせて利用できるというのが、大きなポイントになるだろう。元からのaptX HD対応に加えて、最近のアップデートでLDAC対応も開始し、コーデック周りも万全だ。
●D:Blutoothレシーバー機能搭載DAPのポイント
このところ、DAPにBluetoothレシーバー機能も搭載される例が増えてきている。「C:Bluetoothレシーバー」の特長を全て備えた上で、「別途のBluetoothレシーバーは必要ないので荷物はより身軽になるし、持ってくるのを忘れたり、充電を忘れたりする心配も減らせる」という扱いやすさも加わる。DAP+スマホの二刀流体制における最善の一手と言えるだろう。
ただ、Bluetoothレシーバー機能を搭載するDAPは比較的最近の製品となるので、手持ちのDAPではこれを実現できない場合が多いはず。今使っているDAPが気に入っているので乗り換えたくない、ワイヤレス対応のためだけにDAPを購入して乗り換えるものは経済的にも……といったユーザーには、今一つピンとこないかもしれない。その場合は「次に新しいDAPを買うときのポイント」として気に留めておいていただきたい。
ソニー「NW-A55」は、このエントリー価格帯では敵なし!とも言える人気を誇る「NW-Axx」シリーズの最新世代。実際それも納得の完成度で、DAPとしての基本的な性能や使い勝手に不満を全く感じさせない。その上でBluetoothレシーバー機能も搭載し、LDAC対応なのだから文句なし。
Shanling「M0」は、とにかく小さい!Apple Watchを一回りずんぐりとさせた程度で、手のひらに収まるどころか、手の中に握り込んで隠せてしまうほどの小ささだ。その小ささの割には操作性も悪くはなく、駆動時間も長い。Bluetoothレシーバー機能はこちらもLDAC対応。超コンパクトでありながらその機能性は十分すぎるほど高い。
ということで、今回は「お手持ちのイヤホンをBluetooth対応に強化できるアイテム」を各種紹介させていただいた。何をどうしたところで完全ワイヤレスのような身軽さは手に入らないが、こちらにはこちらの便利さ、使い回しやすさという強みもある。新しく完全ワイヤレスを購入するのか、それともこれらのアイテムで手持ちのイヤホンをワイヤレス化するのか。悩むに値するところだ。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
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