aptXにNFMIとハイスペックな本気モデル
“宝石のような美しさ” +高音質+高機能。MASTER&DYNAMICの完全ワイヤレスイヤホン「MW07」レビュー
もう一つ、MW07のデザインを語る上で外せないのは、他にはないステンレス製の美しい充電ケースだ。サイズは64.6W×26.8H×45.1Dmmと全体的に小さく、上面に控えめにプリントされたブランドロゴ、端子類、緑黄赤の3色でバッテリー残量を表示するLED以外は、顔が映るほど磨き上げられた鏡面仕上げが特徴だ。カバンやポケットからMW07の充電ケースを取り出した時のカッコ良さといったら、たまらない。指で触れるとすぐに指紋が付くので、このピカピカに磨かれた美しい状態をキープするにはメガネ拭きのような布が必須だが、こんな粋なことをやってのけるのが、MASTER&DYNAMICというブランドなのだ。なお、この充電ケースを収納するためのポーチも付属している。
■フィット感を高める独自イヤーフィン「Fit Wings」にもこだわり
MW07のもう一つのポイントとなるのが、2サイズ用意されたシリコン製の独自イヤーフィン「Fit Wings」によるフィット感だ。実物の写真を見ると分かるように、外耳の上側に当たる部分に、“刷毛”のようなシリコン部分が潰れるようにフィットする形となり、装着感を高めている。
実際に標準タイプを装着してみた後(写真は標準タイプのもの)、ワンサイズ大きいものも使用してみたが、ストレスなく装着できた。完全ワイヤレスイヤホンとしては少し大きめサイズの部類に入るMW07だが、首を振ってみても、全く動く気配がないほどしっかりフィットする。またイヤーピースについてもXS/S/M/L/XLと5サイズが付属(僕が使ったのは標準のMサイズ)。フィット感の調整についてもケアが行き届いている。
MW07とスマートフォンとのペアリングには、右側のマルチファンクションボタンを長押しすると、SFチックな効果音と共に右イヤホン下にあるLEDランプが点滅するという、スタンダードな操作感。ペアリング接続後は、右イヤホンのマルチファンクションは1度押しで再生/停止、2度押しでスキップ、3度押しで戻る、そして長押しでボイスアシスタントの呼び出しといった機能が割り当てられる。左イヤホンはボリューム+/-なので音量操作は直感的だ。
そして、MW07は耳への付け外しを検知する光センサー内蔵で、イヤホンを外すと自動で音楽を停止、付けると自動でリスタートする。スマホレスで操作する時にはイヤホンのボタンすら必要なくなり、急に話しかけられるなどした時にもイヤホンを外せば自動停止となるのでとても便利だ。
■高域を強めに表現、ダイナミックに聴かせるサウンド
実際にMW07のサウンドも聴き込んでみよう。まずはiPhoneとペアリングして宇多田ヒカルの「あなた」を聴くと、女性ボーカルはフラットな音の鳴りよりもキリっと引き立てつつ、楽曲全体のバランスも整えるタイプ。低音はゴリっとした質感と共に音の響きも演出し、弦楽器のサウンドもクリアと個々の楽器が存在感を出す。
映画『ラ・ラ・ランド』のジャズ音源「アナザ・デイ・オブ・サン」でも女性ボーカルはクリアで、ピアノもフォーカスを硬めに出す。ウッドベースも沈みと共に音圧感を引き出す。
洋楽はBruno Marsの「24K Magic」を試聴。高域までの立ち上がりの急峻さと共に、中域は響きを持たせ空間を作り上げてくれる。低音のリズムの刻みの強さは特にクラブ系にマッチする。また小音量でも声と低音がクリアに聴こえる点は、外で音楽を聴く人にはぴったりだろう。
MW07はaptXコーデックにも対応しているので、aptX対応のAndroidスマートフォン「GRANBEAT」でも、それぞれ同じ楽曲をチェックしてみた。宇多田ヒカルの「あなた」はやはりボーカルを強く引き立たせる傾向ながら、音の情報量、そして質感の面でやはりaptXの方が一枚上手だと感じる。「アナザー・デイ・オブ・サン」はボーカルと同時にピアノの質感まで引き出すし、Bruno Marsの「24K Magic」は空間全体を通してクリアな情報量を引き出してくれた。
MW07を実際に触れて感じたのは、「MASTER&DYNAMICらしさ全開」の製品ということ。完全ワイヤレスイヤホンはヘッドホンより小さいとは言え、耳に付ければピアスより遥かに目立つものだ。 だからこそ “外から見ても素敵なデザインにする” ことが重要となる。この、いわば当たり前の発想を、しっかりやっているブランドは少ない。MW07は、上質な素材を使って美しいデザインに仕立て上げ、そして、スペックやサウンドも両立させるという、。まさにMASTER&DYNAMICというブランドの特徴が表れたモデルである。