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【特別企画】生活に溶け込む高機能

KEFのエッセンスを凝縮、今あらためて知りたい「Q350」「LS50 Wireless」の実力

公開日 2018/12/07 06:00 生形三郎
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くわえて、ストリーミングサービス「Spotify」や、音楽再生ソフトウェア「Roon」にも対応している。さらに、設置場所に合わせた最適な低域特性が手軽に得られる「スピーカーEQ」機能を搭載し、設置性にも抜かりがない。

LS50 Wirelessの設置イメージ

また本体は、感圧タッチコントロールパネルやリモコンを使っての操作はもちろんのこと、iOSとAndroid両対応の専用アプリを用いての快適な操作が可能となっているなど、全方位に対応している。

スピーカー自体の構成としてはLS50同様で、同社が磨き上げた高音質技術が詰まったものとなっている。先述のUni-Qドライバーの搭載はもちろんのこと、バッフルステップの影響を抑制してユニット本来の音色を引き出す湾曲形状のフロントバッフル、筐体内部を十字構造で支えて高い筐体剛性とダンピングを実現するCLD技術、バスレフポートから良質な低域を抽出する柔軟性の高い楕円形サウンドポートなど、実に入念かつ高精度な作り込みが施されている。

LS50 Wirelessの構造イメージ

入力信号に対してDSPでタイミング補正を実施。より原信号に忠実な再生が可能になる

そのサウンドは、まさに先述の技術が十二分に発揮されたものだ。Uni-Qドライバーならではの3次元的な立体感溢れる音響描写だけでなく、キャビネット剛性の高さから得られる、着実かつ身の詰まった表現が実現され、Uni-Qならではの描写力が一層冴え渡り、同時に極めて高い音響解像度が達成されている。これはある意味当然で、トゥイーターとウーファーごとに充てがわれた専用設計アンプ、そしてタイミング補正を含むデジタルチャンネルデバイダーによって、より十全な駆動が確保されていることによるものだ。つまり、高度かつ的確な役割分担によって、スピーカー自体の性能がフルに活用されているということだ。

試聴の様子

ボーカルソースは、Q350と同様に明瞭で温かみがありつつも、一層張りのある質感のよい声で歌い上げられる。ベース帯域にもQ350と同傾向のふくよかな量感がありつつも、より密度の高いジューシーな表現を楽しませる。音楽のボトムを支えるとともに、より濃度の高い、胸に迫ってくるような厚みのある音なのである。

また音数が多いオーケストラソースを再生しても、楽器それぞれの姿が詳細に浮かび上がってくる点に感心させられる。再生ソースが、どのような楽器編成で、なおかつそれらがどのように重なり合って一つの音楽を奏でているのか、ということが実に瞭然と聴き取ることができる。

さらに本機のキャラクターとしてもっとも重要なのは、それらが冷静で無味乾燥なだけのモニター調サウンドに陥らないことにある。音楽ソース内の情報を詳解に聴き取ることを可能としつつも、それぞれの楽器のエネルギーをメリハリよく生き生きと描き出すので、音楽がリスナーへと積極的に迫ってくるのだ。つまり、音楽への没入度が著しく高いのである。

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