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“2000Ti”シリーズ3モデルを連続試聴

チタンボディ採用のハイエンドイヤホン。オーディオテクニカ「ATH-CM2000Ti/CK2000Ti」レビュー

公開日 2018/12/18 08:00 小原 由夫
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また、グラウンドをL/Rで分離したスターカッド撚り線ケーブルの採用で、チャンネル間クロストークを低減しているのも見逃せない。確実なコンタクトを約束するA2DCコネクターを採用した両出しケーブルは、1.2mバランスケーブル(4.4mm径 5極プラグ)と、ステレオミニプラグ1.2mケーブルが付属する。

インイヤー型でリケーブル可能という点も注目のポイント。ケーブルは3.5mm/4.4mmどちらもハウジングと同じチタニウムのシェルを採用している

開放的でクリアーなオンイヤー型ならではの心地よさを味わえる

手に持つと、精巧でしっかりとした質感の手応えがある。中身が詰まっているという感じがするのだ。そのサウンドは、透明度の高いクリアーで見通しのよいもの。耳に押し込むタイプではないので、高い遮音性が望めない上、たっぷりとした量感のローエンドも期待薄なのだが、すっきりとしたスムーズなレンジ感の広さが格別で、この辺りにチタニウム・ハウジングの無共振化が奏功している印象だ。分解能も高く、開放的な装着感とも相まって、実に心地よいイヤホンである。

『Laidback 2018』の井筒香奈江のヴォーカルは、やや距離を置いた感じの聴こえ方となり、いい意味でこそばゆい感じは薄まる。リアリティという点では若干後退かもしれないが、適度に入り込む外部の音にむしろ安心感を覚えるところだ。

構造から来る開放感に加え、広いレンジ感や鮮明さが持ち味となる

アンドリス・ネルソンス指揮、ボストン響の『ショスタコーヴィチ:交響曲第4番』第1楽章では、グランカッサの打音がいくぶん細身になるものの、弦や管のアンサンブルの複雑なハーモニーが曖昧になるようなことはなく、極めて鮮明な再現。しかも、本機独特の音場の立体感も感じられ、カナル型とはまた一味異なる臨場感を感じた次第だ。

CM2000Ti、CK2000Ti共通してシープスキンのイヤホンケースも付属。容量も大きく、余裕を持って収納ができる

プッシュプル方式をコンパクトなチタニウム・ハウジングに纏めた「ATH-CK2000Ti」

同時発表のカナル型の「ATH-CK2000Ti」も、ATH-CM2000Tiと同様にパーメンジュール磁気回路とDLCコーティング振動板を搭載しているが、加えてこちらは9.8mm+8.8mmの「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を採用し、よりパワフルで力強い再生音を目指している点がセールスポイント。

「ATH-CK2000Ti」は、同社カナル型ではおなじみとなったプッシュプル方式を採用

次ページ続いて、プッシュプルドライバー搭載のカナル型「ATH-CK2000Ti」をチェック

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