リアルウッドシリーズ3機種を比較レビュー
「竹」のデノンヘッドホン最上位「AH-D9200」は下位機とどう違う? 木の種類で音はこんなに変わる
振動板素材はAH-D7200と同じくナノファイバーとパルプを混合させた素材を用いているが、その配合比を1%ずつ変えたサンプルを多数試作しテストを行い、孟宗竹ハウジングに最適なバランスとした。また振動板の形状についてもレーザー解析を用い、歪みを少なくするとともに、中高域の分解能を向上させている。
ハンガー部は軽量かつ剛性の高いアルミダイキャスト製。イヤーパッドは一般的な人工皮革に比べて約2倍の耐久性を持つ独自開発の人工皮革素材を取り入れた他、頭部カーブに沿った形状の立体縫製として、圧力が均等にかかるようにした。
さらに内部のクッション素材も形状記憶素材とし、最適な側圧が得られるようにし、ストレスなく優しいフィット感を実現したという。バランス駆動も可能な両出し着脱式ケーブルは、シルバーコートOFC導体を採用。布巻アウターシースや削り出しアルミスリーブなど、質感の高さと耐久性にこだわったものとしている。
■「AH-D9200」を従来モデル「AH-D5200/D7200」と比較試聴
試聴にはフルデジタル・プロセッシング・ヘッドホンアンプ「DDFA」を採用するデノンのUSB-DAC「DA-310USB」を使用。AH-D9200だけでなく、AH-D7200やAH-D5200との音質の違いについても比較してみた。
「AH-D7000」の後継であるAH-D7200や、「AH-D5000」の後継であるAH-D5200と違い、AH-D9200は比較対象となる従来モデルが存在しない、新しいポジションに位置するフラッグシップモデルである。そうした点ではこれまでのフラッグシップであるAH-D7200との音質の違いも気になるところだ。
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