[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域:第225回
ウォークマン「A50」一強体制に終止符? FiiO新エントリーDAP「M6」の総合力を検証!
■これが現在のスタンダードなエントリーの基準だ!
まず、現在のスタンダードなエントリークラスDAPが満たすべき要件を確認。私見ではあるがおおよそ、
●現在の →★Bluetooth周りも充実
●スタンダードな →★操作性やバッテリー周りなど使いやすさ
●エントリークラス→★実売価格2-3万円程度
といったところではないだろうか。
もちろんA50と同じくM6もこれらを満たしている。
Bluetooth周りでは、高音質コーデックへの対応にBluetoothレシーバー機能。スタンダードな使いやすさとしては、小さすぎないディスプレイで表示の一覧性やタッチ操作のしやすさも確保した上でのコンパクトさ、インターフェースのわかりやすさ、頻繁な充電は必要ないバッテリーの持ちの良さなど。価格はおおよそ2万円だ。
Bluetooth周り、特に送信は一通りほとんどのコーデックに対応している。LDACとaptX HDへの両対応でほぼ万全だ。
「ほとんど」「ほぼ」という言い方になるのは、送受信ともAACには非対応なことから。しかしBluetoothイヤホンで音質を求めるなら前述の高音質コーデックがあり、音質ではなく、例えば軽快感重視で完全ワイヤレスを使うならSBCで十分だろう。
お気に入りのBluetoothイヤホンやヘッドホンがAAC対応であるなどの事情がない限りは、この点はさほど気にしなくて良いと思う。なおHWA対応は現時点では使い道がないので、そこはあまり気にする必要はない。
Bluetoothの受信、レシーバーとしての機能を備えることにも注目だ。この機能を使えば、例えばスマホのアプリでストリーミング配信やラジオを受信し、その音声をDAPに繋いだイヤホンで聴くことができる。
いやそれは別にスマホにイヤホン挿して聴けばいいじゃない?とも言えないのが現状。今やスマホにはイヤホン端子がなかったりするわけだ。それにスマホにイヤホンケーブルを挿さなくて済むようになると、スマホ側の取り回しはワイヤレスイヤホン使用時と同じく身軽になる。そこも地味に便利なポイント。
スタンダードな使いやすさというところでは、操作インターフェースの出来栄えが十分なレベルに達しているところが肝心。最上級に使いやすいというわけではないが、インターフェース要素の配置やタッチ操作に対しての挙動の仕方が良い意味でちゃんと「普通」だ。
普通とはつまり、スマホ慣れしたユーザーが「画面のこのあたりにあるこのボタンをタッチしたらこう動くだろう」と、何となく操作したらだいたい期待通りに反応してくれるということ。「画面の上からスワイプしたらコントロールパネル」みたいな。「横スワイプで前の画面に戻る」があまり活用されていないなど穴もあるが、概ね使いやすい。
ハードウェア面での操作性ではまず持ち心地が良い。小型軽量なだけではなく、ラウンド仕上げで手への当たりが優しく、それでいてマット仕上げの側面とガラスパネルの背面のおかげで滑りにくい。
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