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【特別企画】高い開発力を誇る新鋭ブランドの注目機

これがDAPの新基準! HiBy「R6Pro」「R3」レビュー、 “必聴” の理由とは?

公開日 2019/03/13 06:00 鴻池 賢三
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コンパクト&お手頃価格ながらハイスペックで多機能な「R3」

一方で、コンパクトで実売価格が2.1万円前後と手ごろな「HiBy R3」も、エントリーモデルながら充実した内容を備えており気になるところ。筐体はアルミニウム合金製で趣味のオーディオに相応しい佇まいと軽量さを両立。ES9028Q2Mを2基搭載し最大DSD 256、PCM384kHz/32bitネイティブ再生などクラスを超えるスペックでコストパフォーマンスの高さが魅力だ。

「HiBy R3」

機能面では独自OSで軽快に動作し、上位モデルに比べるとシンプルながらも、Wi-Fi搭載によるDLNA/AirPlay対応、aptX/LDAC対応のBluetooth双方向接続、R3をスマートフォンで操作できる「HiBy Link」が利用可能と趣味性の高さは興味深く、積極的にオーディオを楽しむためのエントリープレーヤーとしてお薦めしたい充実した内容だ。

コンパクトサイズながら2.5mmバランス端子も搭載

本体下部にUSB type C端子およびmicroSDスロットを搭載


R6 Proのバランス出力はハイレゾの高密度な情報を余すことなく引き出す

はじめに、R6 Proの音質をチェックする。本機に読者が最も期待するのは、ハイスペックを極めた4.4mm バランス出力の音質だろう。その実力をより明確に確認すべく、アンバランス出力との違い、また、従来モデルR6の2.5mm バランス出力との違いなどもチェックした。もちろん、条件を完全に同一にすることはできないが、筆者がリファレンスとしている各種ヘッドホン、イヤホン、ケーブルや変換コネクタを駆使し、聴感上の音量設定を整えたうえで、公正な判断ができるよう心掛けた。なお、Androidの設定メニューから選択できる各種フィルターの設定はデフォルトのままで試聴を行った。

まずは、本機のバランス出力とアンバランス出力の違いをヘッドホンで比較。アンバランス出力は低域に量感があり、どちらかというとウォームな音調だ。中高域は繊細かつ滑らかなタッチが好印象。総じてリラックスして音楽に浸れ、もうこれで充分と思えるほど好印象だ。

4.4mmバランス端子を中心に音質を検証

バランス出力に切り替えると、先ほどの感想が吹き飛んでしまうほど音質が激変する。駆動力が増すのは想定範囲内だが、低域は制動力のアップによって引き締まり、スッキリとクリーンな空間に質感豊かな音像が浮かび上がってくる。瞬発力が可能にするダイナミックな表現も印象的で、ハイレゾ音源の高密度な情報をより多く引き出してくれる。

例えば、ベースは音色や音程が明瞭になり、空間や中高域音からの分離が良くなって、存在感やリズムの躍動感が増す効果も分かりやすい。BA系のイヤホンでは本機の潤沢なパワーを受け止めきれない、あるいは、違いとして感じることができず、製品によってはアンバランス出力がより良い印象を受ける可能性もあるが、両者を比較するのも楽しいだろう。

次に、本機とR6とのバランス出力を比較してみた。同一のケーブルとヘッドホンを接続して比較するため、Φ2.5mmプラグのケーブルにΦ4.4mmへの変換プラグを用意した。比べてみるとその差は歴然。R6の音質も十分にハイレベルなのだが、本機のアップグレードぶりが際立つ。

「R6」(ブルー)

本機は2.5mmバランス端子を搭載する

まず、ダイナミックレンジや周波数レンジの広さが圧倒的。高域の抜けが良く、ボーカルが滑らかかつ艶やかなのは違いとして分かりやすい。低域の沈み込みの懐深さと、ダイナミックな表現力が相乗効果を生み、音の高低、音量の大小のコントラストが増して音楽の感動を倍増する。スペック差は明らかだが、実態が伴っていることが確認できたと共に、現在市場で手に入るハイエンドプレーヤーと比較しても、R6Proのコストパフォーマンスの高さを実感した。

参考までにYouTubeのミュージックビデオも視聴した。動画は色味の再現が適正で充分に鑑賞に耐え、何より圧縮音源と言えども、本機ならナチュラルで聴き疲れしない高品位サウンドで楽しめる。低域が繰り出すステージの空気感も新しい体験で、ハイレゾ音源でなく、幅広いソースを楽しむにも本機はうってつけだ。

次ページ続いてエントリーモデル「HiBy R3」を試す

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