HOME > レビュー > 誰でも美少女ボイスになれるのか? おじさんがローランド「VT-4」を使って分かったこと

【特別企画】vTuberからも注目のボイスチェンジャー機能

誰でも美少女ボイスになれるのか? おじさんがローランド「VT-4」を使って分かったこと

公開日 2019/03/15 06:45 ファイルウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
いま、ちまたで話題の美少女ボイス実現マシンこと、ローランド「VT-4」。これを使えばおじさんでも美少女ボイスを発することができるということで、vTuberなどを中心に爆発的にヒットしているモデルだ。

「VT-4」

だが、少し考えてみよう。おじさんは、美少女ではない。だから、(特殊な訓練を受けた人間でも無い限り)美少女ボイスも出せない。それが普通だ。いくら優秀なマシンを使っても、そう簡単に誰でもホイホイ美少女化できるものだろうか? この疑問を解決すべく、VT-4を借り受け、美少女になるべく奮闘した結果をここに記したい。


“ボイスチェンジャー” としての機能はかなり高い

まずVT-4の概要を簡単に説明すると、マイクを通した “声” にエフェクトを掛けることで、地声とはまったく違う “声” が得られるというもの。つまり、ボイスチェンジャーとして使える。

エフェクトの種類は声の高さを調節できる「PITCH」や周波数成分の調節で男性的/女性的な声の特徴がつけられる「FORMANT」といった基本的なものから、抑揚のないロボット声が得られる「ROBOT」、メガホンを通したような歪んだ声になる「MEGAPHONE」、さらに「VOCODER」「HARMONY」「REVERB」を装備。

エフェクトがオンになっているボタンが緑色に光るため、どの効果を使用しているのかひと目でわかる

しかも上述のROBOTからREVERBまでの5つのエフェクトには、それぞれ4パターンのバリエーションが用意されていて、かつ同時に効果をオンにする “重ね掛け” も可能だ。『辺境の地からラジオ放送をするロボット』みたいに、マニアックなシチュエーションも追求できる。

実際に触ってみると、1つのパターンを研究するだけでも相当遊べる。エフェクトの効き具合も大きく、ボイスチェンジャーらしい面白さが簡単に手に入る。ただ話をするだけならあまり使わないかもしれないが、HARMONYとREVERBを組み合わせて歌うとホール感があって楽しい。配信で歌ったりする時に使ってみても良いだろう。

ちなみに、単三電池4本で駆動するので、気軽に持ち歩くこともできる。持ち歩いてどこに行くかといえば、カラオケボックス。声のピッチをある意味強制的に調整してくれる「AUTO PITCH」をONにし、歌う曲のキーを「キー設定ノブ」で設定すれば、練習は必要ながら、美少女ボイスのままちゃんと楽曲のキーにあった音程で歌えるようになるのだ。なお、店舗のワイヤレスマイクは使えないので、自分でマイクと、接続用ケーブルを用意して、かつ持ち込みOKか調べておきたい。

キー設定ノブでキー補正を行えるなど、遊べる機能も豊富に備えている

そしてエフェクトの設定は最大8つまで保存でき、ちょっとしたボタン操作ですぐに呼び出せるので、出したいときに出したい声にパパっと切り替えられる。それにUSB-A to Bケーブル1本でパソコンと接続できるので、フリーアプリなどを使った録音も簡単だ。

本体背面部。USB-B端子やラインアウト、マイク入力端子を備える

本体前面にヘッドホン出力および3.5mmのマイク入力を装備。ほか、ラインアウト切り替えと、コンデンサーマイク使用時に用いるファンタム電源のオン/オフスイッチを備える

vTuberやライブ配信などに特に使える2つのポイント

さらにVT-4のポイントとして注目すべきは、これらの機能に加えて「ハードウェアでエフェクト処理をしていること」、そして「常にエフェクト状態がキープできること」。これは使ってみると、いかに大切なことか身に染みて分かる。

まず「ハードウェアでエフェクト処理をしていること」について。基本的には声を加工処理するには、パソコンのソフトウェアを用いるのが一般的であり、そうすることでクオリティの高い変換が実現できるわけだが、どうしても遅延(レイテンシー)の問題が発生してしまい、それがボイチェンへのハードルとなっていた。

VT-4の場合は、VT-4側で高音質な加工処理をリアルタイムで実行することが可能で、エフェクトの効果切り替えも瞬時に反映される。とにかく遅延なしでボイチェンできるわけだ。この遅延のなさは尋常ではなく、それこそ自分が喉から出しているのが処理後の声に感じられるほどである。

美少女になるには自身がキャラクターになりきることが重要。このスピード感から得られる「あれ、自分の声って可愛いかも」という “錯覚” は、ノリノリで声を出すのにかなり役に立つ。

そしてもう1つの「常にエフェクト状態がキープできること」だが、これこそおじさんが0時を過ぎても、美少女になる魔法が解けないための機能だ。

次ページ美少女ボイス目指してどんどん追い込む

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: