美しい積層チタン筐体、広がりある空間表現
人気ブランドが新技術で「さらなる高み」に挑戦! Unique Melody「MAVEN/MIRAGE」レビュー
「Unique Melody」というイヤーモニターブランドが日本においてその名を広く知られるようになったのは、2012年前後、カスタムイヤーモニターブーム初期のことだったと思う。
当時日本に導入されてきたモデルの中でも特に大きな注目を集めたのは、その時点においてはまだ物珍しさもあったハイブリッド構成をいち早く採用していた「MERLIN」だった。低域にダイナミック型、中域と高域にBA型を2基ずつという構成だ。
ハイブリッドも、そして多ドライバーもまだ目新しい中、そのスペックでいて当時の実売価格も比較的に手ごろで、極めて挑戦的なモデルだったと言えるだろう。
そして先日、定番ブランドの地位を完全に確立している現在においてもその「挑戦的」っぷりは健在であると改めて見せつける新モデルが登場してきた。「MAVEN」と「MIRAGE」だ(関連ニュース)。
■銀細工のような独特で美しい積層チタン筐体が特徴。音響設計には新技術を採用
まず見ての通り、ドライバー構成等は別物な両モデルだが、一見してわかる大きな共通点がある。さながらドワーフの職人による銀細工かのように緻密な美しさを見せるハウジングだ。
このハウジングは、チタン素材をレーザー積層金属プリンターでこの形に成形し、そこから細かな部分や磨き上げをハンドメイドで仕上げることで生み出されている。積層プリントに12時間、その後の熱処理にも12時間、そこから手作業での切削や研磨を経てようやく完成する。2019年2月時点では1週間に最大で12ペアしか製造できないという。
レーザー積層金属プリンターというのは、粉末の状態の金属素材、この場合はチタンを敷き詰めてあるところに、造形データに従ってレーザー光線を緻密に制御して照射し、任意の形になるようにチタンの粉を焼結させ固めた層を作り、そこに積み重ねるようにまた次の層を作り……という流れで金属を立体的に造形するシステムだ。
これだけ聞くと「データ入れれば全自動。楽チンじゃん!」と思いそうになるが、そう簡単ではない。例えば実際の積層時に生じる僅かな誤差まで考慮した設計を施すなど、経験に基づくノウハウは依然として必要だ。
また積層であるので、現状ではどうしてもその層ごとに僅かな段差が生じる。一層の厚みは0.02mm〜0.05mm程度に過ぎないが、だからこそ、それを超えて本当に微細な部分や最後の仕上げは人の手で行うしかない。
つまり今回のチタンハウジングは、レーザー積層金属プリンターという先進的な設備の導入があってこその筐体ではあるが、同時に同社がこれまでに蓄積してきたハウジング作りのノウハウがあってこそ実現するもの。その技術力に改めて感服する。
また、チタンハウジングは外観の美しさだけのために採用されたものではない。チタン素材の強度のおかげで、一般的なアクリル樹脂ハウジングと比べ、僅か0.2mm厚という圧倒的薄さでありながら、アクリルハウジングを超える強度を獲得できているというのだ。美しく頑強で軽量。何とも贅沢なハウジングとなっている。
さらに金属アレルギーを起こしにくい素材でもあり、特に今回のモデルは医療グレードのチタンを採用しているので、敏感な肌にも優しい。加えてチタンは熱伝導率が低いおかげで、金属ハウジングによくある、冬場の外気で冷やされてしまって再装着したら超冷たい!というあの現象も起きにくいとのことだ。
当時日本に導入されてきたモデルの中でも特に大きな注目を集めたのは、その時点においてはまだ物珍しさもあったハイブリッド構成をいち早く採用していた「MERLIN」だった。低域にダイナミック型、中域と高域にBA型を2基ずつという構成だ。
ハイブリッドも、そして多ドライバーもまだ目新しい中、そのスペックでいて当時の実売価格も比較的に手ごろで、極めて挑戦的なモデルだったと言えるだろう。
そして先日、定番ブランドの地位を完全に確立している現在においてもその「挑戦的」っぷりは健在であると改めて見せつける新モデルが登場してきた。「MAVEN」と「MIRAGE」だ(関連ニュース)。
■銀細工のような独特で美しい積層チタン筐体が特徴。音響設計には新技術を採用
まず見ての通り、ドライバー構成等は別物な両モデルだが、一見してわかる大きな共通点がある。さながらドワーフの職人による銀細工かのように緻密な美しさを見せるハウジングだ。
このハウジングは、チタン素材をレーザー積層金属プリンターでこの形に成形し、そこから細かな部分や磨き上げをハンドメイドで仕上げることで生み出されている。積層プリントに12時間、その後の熱処理にも12時間、そこから手作業での切削や研磨を経てようやく完成する。2019年2月時点では1週間に最大で12ペアしか製造できないという。
レーザー積層金属プリンターというのは、粉末の状態の金属素材、この場合はチタンを敷き詰めてあるところに、造形データに従ってレーザー光線を緻密に制御して照射し、任意の形になるようにチタンの粉を焼結させ固めた層を作り、そこに積み重ねるようにまた次の層を作り……という流れで金属を立体的に造形するシステムだ。
これだけ聞くと「データ入れれば全自動。楽チンじゃん!」と思いそうになるが、そう簡単ではない。例えば実際の積層時に生じる僅かな誤差まで考慮した設計を施すなど、経験に基づくノウハウは依然として必要だ。
また積層であるので、現状ではどうしてもその層ごとに僅かな段差が生じる。一層の厚みは0.02mm〜0.05mm程度に過ぎないが、だからこそ、それを超えて本当に微細な部分や最後の仕上げは人の手で行うしかない。
つまり今回のチタンハウジングは、レーザー積層金属プリンターという先進的な設備の導入があってこその筐体ではあるが、同時に同社がこれまでに蓄積してきたハウジング作りのノウハウがあってこそ実現するもの。その技術力に改めて感服する。
また、チタンハウジングは外観の美しさだけのために採用されたものではない。チタン素材の強度のおかげで、一般的なアクリル樹脂ハウジングと比べ、僅か0.2mm厚という圧倒的薄さでありながら、アクリルハウジングを超える強度を獲得できているというのだ。美しく頑強で軽量。何とも贅沢なハウジングとなっている。
さらに金属アレルギーを起こしにくい素材でもあり、特に今回のモデルは医療グレードのチタンを採用しているので、敏感な肌にも優しい。加えてチタンは熱伝導率が低いおかげで、金属ハウジングによくある、冬場の外気で冷やされてしまって再装着したら超冷たい!というあの現象も起きにくいとのことだ。