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スポーツ仕様を追求した完全ワイヤレスイヤホン。パイオニア“E8 Truly Wireless” 「SE-E8TW」レビュー
付属の「アンビエント・アウェアネス・イヤーチップ」も、スポーツ利用への配慮だ。3方向から深い切り込みが入ったその構造は、音楽を聴きつつも周囲の音を認識しやすくするためのもので、3サイズが用意される。カナル型イヤホンとしての密閉性は低下するものの、屋外使用時の安全確保という点では効果が期待できる。
音質重視のアプローチも見られる。ドライバーにはΦ6mmのダイナミック型を採用、強磁力の希土類マグネットで力強いサウンドを実現する。その音が耳穴へダイレクトに届くようノズル角度を調整した「イヤーダイレクトマウント構造」は、装着性アップのみならず音質向上効果をも狙ったもの。ノズルも“C8 truly wireless”より長くすることで、より鼓膜に近い位置で安定できるようになったという。
■イヤーチップで環境に合わせて遮音性/サウンドに調整
今回のレビューでは2通りのテストを行った。1つは、体を激しく動かしても邪魔にならない小型DAP、Shanling「M0」と組み合わせ、屋外でランニングしながら機能や音質をチェックするというもの。もう1つは、通常のイヤーチップに換装して屋内でiPhoneの音楽を聴き、おもに音質をチェックするというものだ。
前者の小型DAPとの組み合わせでは、完全ワイヤレスならではの身軽さを再認識。成人男性の指先程度の大きさに片側6gという質量は、取り立ててコンパクトというわけではないが、装着感は上々。付属のセキュアイヤーフィンが支えてくれるうえにやや太めのステム径も手伝ってか、体を動かしてもズレにくいのだ。こうなると、再生機器もさらに小さい運動に適したものを、ということになる。Apple WatchのようなDAPとしても使えるスマートウォッチとの相性もいいはずだ。
音の面でいえば、アンビエント・アウェアネス・イヤーチップの効果は明らかだ。もちろん、その時々の音量にもよるが、自動車の走行音のみならず、すれ違う人の足音も聞き取れる。一方で音質もしっかり、軽やかでありつつも芯のあるサウンドを楽しませてくれる。