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A10 Fusionチップ搭載

新「iPod touch」 レビュー。4年ぶり進化の意味、その価値

公開日 2019/06/01 07:00 編集部:風間雄介
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最新の人気ゲームもようやくプレイ可能に

冒頭に「なぜiPod touchをアップデートしたのか」と書いたが、その答えは非常にシンプルで、単に「前世代機が古くなりすぎた」ということに尽きる。それは、ゲームを遊んでみればすぐにわかる。

たとえば大人気ゲーム「フォートナイト」は、これまでのiPod touch(第6世代機)は非対応だ。インストールしても、メモリ容量が足りないというアラートが出て、プレイできない。これほどのビッグタイトルが遊べないとなると、前世代機をゲーム機として活用するのは、とても難しい。

そもそも第6世代機ではフォートナイトを遊ぶことができない

それに対して新しい第7世代 iPod touchでは、「フォートナイト」もすんなりプレイできる。RAM容量を調べたら2GBだったので、iPhone 7をサポートするゲームであれば、基本的にプレイできるものと予想される。そして、メジャータイトルでiPhone 7のサポートを切るゲームは、iPhone 7を持つユーザーの多さを考えると、今後しばらくはないだろう。当面はゲーム機として活用できるはずだ。

アップルは今後、ゲーム事業をさらに強化することを宣言している。具体的には、サブスクリプション型のゲームサービス「Apple Arcade」をこの秋にスタートさせる。このサービスを成功させるためには、iPhoneやiPadだけでなく、より安価に購入できるiPod touchのテコ入れも必要、とアップルは考えたはず。実際にiPod touch 新モデルの公式サイトを見ると、Apple Arcadeについても言及されている。

ローディングも高速だ。「Fate/Grand Order」で比較すると、第6世代のiPod touchよりも高速であることはもちろん、メモリ容量が4GBと倍のAndroidスマホ「Essential PH-1」より速くローディングが完了した。

第7世代機ではフォートナイトもプレイできる

とはいえ、長く使い続けることを考えたら、iPhone 7世代のA10 Fusionチップで大丈夫なのか、という疑問も湧いてくる。

アップルでは、従来モデルに比べグラフィックス性能が最大3倍になったことをアピールしているが、これは4年前のモデルとの比較だ。最新世代チップと比べると、その性能は心許ない。

たとえば「PUBG MOBILE」のグラフィック設定では、クオリティとして選べるのは「標準」までで、「HD」以上は選択できない。FPS(フレーム設定)も「中」が上限で、FPSの自動調整を有効にすると、場面によってはかなりカクつきが目立つ。

つまり現時点においても、グラフィックがリッチな、高負荷のゲームを高フレームレートで遊ぶことはできない。そして今後1年、2年と時間が経過したら、サポートは外されないまでも、最新ゲームの体験はかなり貧弱なものになることが予想される。

これをいま薦めて良いものか、悩ましいところだ。Apple Arcadeでサブスク配信されるゲームは、iPod touchもしっかりケアするだろう。それらは快適に遊べたとしても、力のあるサードパーティーが独自配信するゲームを、高品位グラフィックで滑らかに遊べないというのが現実だ。ゲームのグラフィックにこだわりのある方、ゲーム体験にこだわる方は、他の選択肢を考えた方がよいだろう。

ARにも初対応した

さて、第7世代iPod touchは、アップルが近年力を入れているARにも初めて対応した。たとえば部屋の中に家具を置いた様子を画面で確かめたり、道路の道案内を現実の風景に重ねて表示したりなど、様々な使い方ができる。

さらにARは、ゲームにも活用可能。テーブルを囲んだ複数人がiOSデバイスを見ながら、現実にはないモンスター同士を戦わせる、ブロックを積み上げていくなどといった、ARを使ったゲームを遊べるようになった。

ただしこれもゲームと同じで、今後アップルが提供するAR機能がよりリッチになっていくとき、どこまでサポートが続くのか、という懸念は拭えない。

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