[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域:第229回
音の力で眠りを改善!「快適睡眠づくりフェア」でみた最新 “スリープテック”
▼【第1位】完全ワイヤレスノイズキャンセル耳栓!もちろん音楽は流れません!
「QuietOn Sleep」は、左右完全独立なワイヤレスノイズキャンセル耳栓。Bluetooth接続したスマホからの音楽を再生できたりはしないが、耳栓なんだから音楽を再生できないのは当然だ。“クオリティ・オブ・ライフ”的なところを意識した製品・サービスの先進国というイメージも強いフィンランドからの上陸。今夏に発売予定とのこと。
本体もケースも見ての通りのコンパクトさ。装着したまま耳を枕に当てる横向き体勢に寝ても、僕としては大した違和感はなかったし、バッグの中に常に忍ばせておいてもさほど邪魔にはならなそう。
ケースが小型なのは、完全ワイヤレスイヤホンのスタンダードであるバッテリー内蔵ケースではないからというのもあるだろう。こちらのケースにもUSB端子は用意されているが、そこから直にイヤホン本体への充電が行われる仕組みだ。1回の充電で20時間持つから、それで問題ないというわけ。
長時間駆動が可能なのは、Bluetooth機能をきっぱり捨てているおかげかもしれない。音楽再生には使えないかわりに、長時間のアクティブノイズキャンセリングが実現されている。
ノイキャンの強さも、それなりに騒がしいフェア会場内で確かに「静かになった!」と実感できるレベル。このノイキャン性能によって、普通の耳栓では遮断しにくい低周波、例えば飛行機の騒音やいびきまで抑え込めるとのことだ。
ユーザーから見て競合になりそうな製品としては、キングジムの「デジタル耳栓」やBOSEの「NOISE-MASKING SLEEPBUDS」だろうか。デジタル耳栓に対しては、キングジムがワイヤードでボーズは完全ワイヤレスというのが大きな強みになるだろう。ただし価格はキングジムが安いモデルで5,000円、高い方でも1万円弱なのに対して、ボーズは3万円台になりそうとのこと。
NOISE-MASKING SLEEPBUDSとは、騒音への対抗の仕方がそもそも別物。ボーズの製品は心地よいサウンドによってノイズを「マスキング」するアイテムだ。どちらが良い悪いではなく好みが分かれるところだろう。
■快眠!快眠!夜のご褒美!
というわけで今回は「快適睡眠づくりフェア」をレポートさせていただいた。
近年は、アップルもApple Watchを生かして「健康」分野の機能やサービスを充実させてきているが、それはやはりその分野が今後さらに有望な市場だと見込んでいるからだろう。となれば、音に関する技術を持つ企業も、それを生かしてその市場に切り込んでいくのは必然なのかもしれない。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
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