【特別企画】幅広い音楽ソースへと柔軟に対応
これが現代の“マークレビンソンらしさ”。伝統×最新のプリメインアンプ「No5805」を聴く
Mark Levinson(マークレビンソン)が新ラインナップとして展開する「No5000」シリーズ。その日本第1弾モデルとして、「No5805」が2019夏に発売される(関連ニュース)。アンプ部にはブランド伝統のディスクリート回路を採用しながらも、デジタル部にも注力。ハイレゾ対応DACや、aptX HD対応のBluetoothを備えるとともに、フォノイコライザーも搭載。そしてデザインは歴代モデルの意匠を受け継いだ設計だ。このマークレビンソンの現代的モデルを、小原由夫氏が幅広い音楽ソースでレビューする。
マークレビンソンに対する私の印象は、 “アンプが得意のハイエンド・オーディオメーカー” というもの。創業者マークレビンソンは、今日でも銘機と誉れ高いプリアンプ「LNP-2L」を引っ提げてデビューしているし、経営体制が変わった90年代末にも、「No32L」という優秀なプリアンプをリリースしている(同機は私も一時期愛用していた)。
この度発表されたプリメインアンプ「No5805」は、新たに始まる4桁シリーズの第1弾モデル。従来からの2桁、3桁シリーズがなくなるわけではなく、より幅広い層や若いオーディオファン、エントリー層に向けた製品展開を計画しているようだ。
■ディスクリート回路を継承しながらも、DACなどの現代的機能を強化
近年のプリメインアンプの世界的な潮流は、高効率で省スペースのデジタルアンプやDクラスアンプの搭載だ。これは筐体のコンパクト化や開発コストの抑制などが要因として考えられるが、マークレビンソンは未だこだわりのアナログ方式、そしてもちろんディスクリート回路構成である。プリ部はデュアルモノラル構成のAクラス増幅、パワー部はABクラス増幅で、出力は125Wx2をギャランティーする。
そうした一方で、現代オーディオに要求されるフィーチャー、装備についても本機は抜かりない。USB DAC機能を内蔵し、PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまで対応する。Bluetoothにも万全の構えで、aptX HDに準拠しているので高音質ワイヤレス再生が楽しめる。
ディスクリート構成の本格的なAクラス ヘッドホンアンプを内蔵しているのも、現代の市場からの要請だろう。加えてMM/MC対応の、これまたディスクリート構成のフォノアンプも内蔵するなど、まさしく全方位に万全なNo5805なのである。
いかにもマークレビンソンのアンプらしいと私が感じるのは、レジスターアレイ方式によるボリュームコントロール機能だ。これは90年代初頭に同社が初めて実用化したもので、DACチップに内蔵されたレジスターアレイ(集合抵抗)を組み合わせることでアッテネーター回路を構成していたもの。
最新のそれは、より高精度なデジタル制御になっているのがポイントだ。また、フォノアンプ部はNF型とCR型を組み合わせたもので、ゲインコントロールはもちろん、MMの負荷容量、MCの負荷抵抗も切り替えられるようになっている(端子直近に配されたDIPスイッチの切り替えで対応)。
一方のパワーアンプ部の出力段は、コンプリメンタリペアのバイポーラトランジスターの3パラレル・プッシュプル構成となっている。2Ω負荷までドライブできるというのが頼もしいではないか。
マークレビンソンに対する私の印象は、 “アンプが得意のハイエンド・オーディオメーカー” というもの。創業者マークレビンソンは、今日でも銘機と誉れ高いプリアンプ「LNP-2L」を引っ提げてデビューしているし、経営体制が変わった90年代末にも、「No32L」という優秀なプリアンプをリリースしている(同機は私も一時期愛用していた)。
この度発表されたプリメインアンプ「No5805」は、新たに始まる4桁シリーズの第1弾モデル。従来からの2桁、3桁シリーズがなくなるわけではなく、より幅広い層や若いオーディオファン、エントリー層に向けた製品展開を計画しているようだ。
■ディスクリート回路を継承しながらも、DACなどの現代的機能を強化
近年のプリメインアンプの世界的な潮流は、高効率で省スペースのデジタルアンプやDクラスアンプの搭載だ。これは筐体のコンパクト化や開発コストの抑制などが要因として考えられるが、マークレビンソンは未だこだわりのアナログ方式、そしてもちろんディスクリート回路構成である。プリ部はデュアルモノラル構成のAクラス増幅、パワー部はABクラス増幅で、出力は125Wx2をギャランティーする。
そうした一方で、現代オーディオに要求されるフィーチャー、装備についても本機は抜かりない。USB DAC機能を内蔵し、PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまで対応する。Bluetoothにも万全の構えで、aptX HDに準拠しているので高音質ワイヤレス再生が楽しめる。
ディスクリート構成の本格的なAクラス ヘッドホンアンプを内蔵しているのも、現代の市場からの要請だろう。加えてMM/MC対応の、これまたディスクリート構成のフォノアンプも内蔵するなど、まさしく全方位に万全なNo5805なのである。
いかにもマークレビンソンのアンプらしいと私が感じるのは、レジスターアレイ方式によるボリュームコントロール機能だ。これは90年代初頭に同社が初めて実用化したもので、DACチップに内蔵されたレジスターアレイ(集合抵抗)を組み合わせることでアッテネーター回路を構成していたもの。
最新のそれは、より高精度なデジタル制御になっているのがポイントだ。また、フォノアンプ部はNF型とCR型を組み合わせたもので、ゲインコントロールはもちろん、MMの負荷容量、MCの負荷抵抗も切り替えられるようになっている(端子直近に配されたDIPスイッチの切り替えで対応)。
一方のパワーアンプ部の出力段は、コンプリメンタリペアのバイポーラトランジスターの3パラレル・プッシュプル構成となっている。2Ω負荷までドライブできるというのが頼もしいではないか。
次ページプリメインと思えないほどのスケール感を再現。内部構造も美しい