左右ケーブルタイプの「E6 Motion」はaptX対応に
フィン付きで運動時にも高い装着感。Bang & Olufsenのスポーツ向け完全ワイヤレスイヤホン「E8 Motion」レビュー
サウンドの印象は、軽妙でありつつも深長だ。低域はやや大人しい印象もあるが、運動時のBGM用としては主張しすぎない軽やかさのほうが好ましい。それでいてシンバルのアタック&リリースのように応答性能を求められる場面では、鋭利かつ明瞭な音の輪郭を感じさせてくれる。
屋内でじっくり聴くと、ブラスセクションの煌びやかさも表現されるなど、微妙なニュアンスまでしっかり描写されていることがわかる。このように外観のデザインにとどまらず、サウンドデザインにも洗練を感じさせるところが、B&O製品の真骨頂といえるだろう。
■aptX/aptX LLに対応!高音質・低遅延なワイヤレス接続が可能な「E6 Motion」
続いて、ケーブルタイプの「Beoplay E6 Motion」を紹介しよう。IP54の防塵防水性能を備えるなど、E8 Motion同様にスポーツ用途を強く意識しており、3サイズのシリコン製フィンも付属する。2018年に発売された「Beoplay E6」の後継であり、φ6.4mmダイナミックドライバーなど基本スペックはそのまま引き継いでいる。
うれしい変更点もある。コーデックとして新たに「aptX」と「aptX Low Latency(aptX LL)」をサポートし、再生条件が向上しているのだ。aptX/aptX LLをサポートするスマートフォンのユーザーにとっては朗報だろう。
こちらもランニングに連れ出してみたが、装着感はE8 Motionと遜色ない。体が上下に動くときには、左右ユニットをつなぐケーブルの存在に気付くものの、耳穴付近にうまく収まるシリコン製フィンのためか、さほど気にならない。
むしろ、E6 Motionにアドバンテージを感じた部分も。ひと回り大きいドライバー口径ゆえか、低域に量感がある。利用したAndroid端末がaptX対応ということもあり、中高域のヌケ感や解像感に軍配が上がる。
ハウジングのマグネット部を合わせると自動的に電源が切れる仕組みも便利だ。
左右が分離した構造よりケーブルでつながっている方が安心という方には、E6 Motionはいい選択肢となるだろう。
(海上 忍)