「幅広い層に受け入れられる注目の一台と言える」
「想像以上に出来が良い」小型軽量ドラレコ。JVC“Everio”「GC-DR20」をレビュー
■驚くほどコンパクトなドラレコがJVC“Everio”から登場
手軽に使えるドライブレコーダー(ドラレコ)を相次ぎ発売しているJVC“Everio(エブリオ)”ブランドから、新たにWi-Fiに対応したコンパクトなモデル「GC-DR20」が発売された。カラーバリエーションにブルー、ブラック、ブラウンの3色を用意して、インテリア感覚あふれるエブリオならではのドラレコとしている。
本体を手にするとそのコンパクトさと軽さに驚く。本体サイズは63W×51H×28Dmmで、質量は約61g。ドラレコとしてはかなり絞ったサイズ感だ。それでいて、ディスプレイは取り付け時のアングル確認に十分な2インチディスプレイを装備。
取り付けは極めて簡単で、付属のブラケットでフロントガラスに取り付け、電源をシガーライターソケットから取れば作業は完了する。本体サイズが小さいので、運転席側に取り付けても視界を妨げないのがいい。さらに画面は一定時間操作しないと画面が消える設定にすることもできるのも安全面でも好印象だ。
映像記録は1/2.7型 211万画素 CMOSセンサーを搭載して高精細なフルハイビジョン(1920×1080))記録に対応。ナンバープレートや標識を含め、周囲の状況を鮮明に記録できるだけの能力を備えた。
レンズの画角は水平114度/垂直60度、対角で約145度を確保して、フロントウインドウから見える風景をフルで記録できる広さを確保している。記録時のフレームレートは27fpsとしており、LED信号のチラツキ防止にも対応する。また、トンネルの出入りで明暗差が生じても自動補正して「白飛び」や「黒つぶれ」といった現象を抑制するWDR(ワイドダイナミックレンジ)も搭載した。
■わかりやすい操作系が魅力
本機で魅力を感じたのがわかりやすい操作系だ。操作にはディスプレイ右側に配置された3つのボタンを使うのだが、使い方は取扱説明書を見なくてもすぐに理解できた。
たとえば設定を変えたい時は、電源ONの時に「電源ボタン」を押して「真ん中のボタン」を押すと設定モードに入れる。さらにもう一度真ん中のボタンを押すと「音声記録」や「画面自動消灯」、「Wi-Fi」のON/OFFが設定可能となるのだ。ここでは日付・時刻の設定やSDカードのフォーマットも行える。
ドラレコである以上、重要なシーンを上書きさせない「イベント記録」にも対応した。ドラレコは一般的にメモリーカードが記録情報でいっぱいになると古いデータから上書きされていく。しかし、重要な記録を上書きして消去されてしまっては困る。そこで用意された機能が「イベント記録」。たとえば、急ブレーキをかけたり衝突した時などでは、その前後の記録データを自動的に上書きしないファイルとして別に保存するのだ。
この機能について本機では衝撃検知前10秒+衝撃検知後50秒の計60秒間を自動保存する。また、ディスプレイ横の右下にあるボタンを押すと、そこから上書きされない60秒間の記録を行う。任意に保存したいシーンがある時に使うと便利だ。
■Wi-Fiでのスマホ連携機能が見逃せないポイント
本機で見逃せないのがWi-Fi機能への対応だ。専用アプリ「JVC Dashcam」をインストールしたスマートフォンとWi-Fi接続することで、ドラレコ側の映像をスマホ上で見ることや、記録中の映像を静止画としてキャプチャーすることも可能となる。さらにドラレコ側の記録データをスマホに転送することもできるため、たとえPCを持たないユーザーであってもドラレコの映像をスマホ上に保存しておけるのだ。
Wi-Fi対応は他にも役立つ機能をもたらす。それはスマホと接続することで、ドラレコの日時を常に正確に更新してくれるというもの。実はこの機能はこれまでGPS対応することで実現していた。しかし、DR20にはその機能が搭載されていないため、今までなら修正は手作業で行うしかない。ところが、Wi-Fi接続することでスマホの正確な日時をDR20に反映させることができるのだ。
ドラレコの記録データを証拠として提出する機会が増えるようになり、それには正確な日時がデータに記録されていることが重要となってきている。そんな状況にこの機能は大いに役に立つというわけだ。なお、Wi-Fi連携で取得できるのは基本的に時刻データのみとなり、スマホ側のGPSでの位置情報も得られるわけではない。
■「ドラレコとしての基本をしっかりとサポートし、その上で使い勝手でもよく考えられている」
では、本機で記録した映像はどうか。良好な発色と高コントラストによって、価格を抑えた入門機とは思えない画質の良さを発揮していた。クルマが上下動すると多少映像に揺らぎが発生するが、それも一瞬のこと。むしろ、そんなことは気にならなくなってしまうほど映像のクオリティは高い。エントリーモデルということもあって正直に言えば解像度がそれほど高く感じられない部分もあるが、周囲の状況は鮮明に捉えており、ナンバープレートの視認も問題なく行えるのも確かだ。
夜間での映像は無理に輝度を上げることもなく、ノイズも少なく自然な雰囲気でナイトドライブを捉えることができていた。ライトを照射していない部分の黒つぶれもあまりなく、このクラスとして上々の再現性と思っていい。なお、前述のようにLED信号に対するフリッカー(チラツキ)対策は施しているものの、完全にゼロになることはなく、テスト時にフリッカーが発生するケースもあった。トンネルから出た時の白飛びはまったくないわけではないが、WDR(ワイドダイナミックレンジ)によってだいぶ抑えられているのではないかと感じた。
テストを終えて感じたのは、ドラレコとして本機は想像以上に出来が良かったということ。GPS機能もない単なるエントリー機として捉えたら、その出来の良さに慌ててしまうに違いない。
ドラレコとしての基本をしっかりとサポートし、その上で使い勝手でもよく考えられている。GC-DR20はドラレコ初心者だけでなく、セカンドカーへの装着も含め、幅広い層に受け入れられるドラレコとして注目の一台と言えるだろう。
(会田 肇)
手軽に使えるドライブレコーダー(ドラレコ)を相次ぎ発売しているJVC“Everio(エブリオ)”ブランドから、新たにWi-Fiに対応したコンパクトなモデル「GC-DR20」が発売された。カラーバリエーションにブルー、ブラック、ブラウンの3色を用意して、インテリア感覚あふれるエブリオならではのドラレコとしている。
本体を手にするとそのコンパクトさと軽さに驚く。本体サイズは63W×51H×28Dmmで、質量は約61g。ドラレコとしてはかなり絞ったサイズ感だ。それでいて、ディスプレイは取り付け時のアングル確認に十分な2インチディスプレイを装備。
取り付けは極めて簡単で、付属のブラケットでフロントガラスに取り付け、電源をシガーライターソケットから取れば作業は完了する。本体サイズが小さいので、運転席側に取り付けても視界を妨げないのがいい。さらに画面は一定時間操作しないと画面が消える設定にすることもできるのも安全面でも好印象だ。
映像記録は1/2.7型 211万画素 CMOSセンサーを搭載して高精細なフルハイビジョン(1920×1080))記録に対応。ナンバープレートや標識を含め、周囲の状況を鮮明に記録できるだけの能力を備えた。
レンズの画角は水平114度/垂直60度、対角で約145度を確保して、フロントウインドウから見える風景をフルで記録できる広さを確保している。記録時のフレームレートは27fpsとしており、LED信号のチラツキ防止にも対応する。また、トンネルの出入りで明暗差が生じても自動補正して「白飛び」や「黒つぶれ」といった現象を抑制するWDR(ワイドダイナミックレンジ)も搭載した。
■わかりやすい操作系が魅力
本機で魅力を感じたのがわかりやすい操作系だ。操作にはディスプレイ右側に配置された3つのボタンを使うのだが、使い方は取扱説明書を見なくてもすぐに理解できた。
たとえば設定を変えたい時は、電源ONの時に「電源ボタン」を押して「真ん中のボタン」を押すと設定モードに入れる。さらにもう一度真ん中のボタンを押すと「音声記録」や「画面自動消灯」、「Wi-Fi」のON/OFFが設定可能となるのだ。ここでは日付・時刻の設定やSDカードのフォーマットも行える。
ドラレコである以上、重要なシーンを上書きさせない「イベント記録」にも対応した。ドラレコは一般的にメモリーカードが記録情報でいっぱいになると古いデータから上書きされていく。しかし、重要な記録を上書きして消去されてしまっては困る。そこで用意された機能が「イベント記録」。たとえば、急ブレーキをかけたり衝突した時などでは、その前後の記録データを自動的に上書きしないファイルとして別に保存するのだ。
この機能について本機では衝撃検知前10秒+衝撃検知後50秒の計60秒間を自動保存する。また、ディスプレイ横の右下にあるボタンを押すと、そこから上書きされない60秒間の記録を行う。任意に保存したいシーンがある時に使うと便利だ。
■Wi-Fiでのスマホ連携機能が見逃せないポイント
本機で見逃せないのがWi-Fi機能への対応だ。専用アプリ「JVC Dashcam」をインストールしたスマートフォンとWi-Fi接続することで、ドラレコ側の映像をスマホ上で見ることや、記録中の映像を静止画としてキャプチャーすることも可能となる。さらにドラレコ側の記録データをスマホに転送することもできるため、たとえPCを持たないユーザーであってもドラレコの映像をスマホ上に保存しておけるのだ。
Wi-Fi対応は他にも役立つ機能をもたらす。それはスマホと接続することで、ドラレコの日時を常に正確に更新してくれるというもの。実はこの機能はこれまでGPS対応することで実現していた。しかし、DR20にはその機能が搭載されていないため、今までなら修正は手作業で行うしかない。ところが、Wi-Fi接続することでスマホの正確な日時をDR20に反映させることができるのだ。
ドラレコの記録データを証拠として提出する機会が増えるようになり、それには正確な日時がデータに記録されていることが重要となってきている。そんな状況にこの機能は大いに役に立つというわけだ。なお、Wi-Fi連携で取得できるのは基本的に時刻データのみとなり、スマホ側のGPSでの位置情報も得られるわけではない。
■「ドラレコとしての基本をしっかりとサポートし、その上で使い勝手でもよく考えられている」
では、本機で記録した映像はどうか。良好な発色と高コントラストによって、価格を抑えた入門機とは思えない画質の良さを発揮していた。クルマが上下動すると多少映像に揺らぎが発生するが、それも一瞬のこと。むしろ、そんなことは気にならなくなってしまうほど映像のクオリティは高い。エントリーモデルということもあって正直に言えば解像度がそれほど高く感じられない部分もあるが、周囲の状況は鮮明に捉えており、ナンバープレートの視認も問題なく行えるのも確かだ。
夜間での映像は無理に輝度を上げることもなく、ノイズも少なく自然な雰囲気でナイトドライブを捉えることができていた。ライトを照射していない部分の黒つぶれもあまりなく、このクラスとして上々の再現性と思っていい。なお、前述のようにLED信号に対するフリッカー(チラツキ)対策は施しているものの、完全にゼロになることはなく、テスト時にフリッカーが発生するケースもあった。トンネルから出た時の白飛びはまったくないわけではないが、WDR(ワイドダイナミックレンジ)によってだいぶ抑えられているのではないかと感じた。
テストを終えて感じたのは、ドラレコとして本機は想像以上に出来が良かったということ。GPS機能もない単なるエントリー機として捉えたら、その出来の良さに慌ててしまうに違いない。
ドラレコとしての基本をしっかりとサポートし、その上で使い勝手でもよく考えられている。GC-DR20はドラレコ初心者だけでなく、セカンドカーへの装着も含め、幅広い層に受け入れられるドラレコとして注目の一台と言えるだろう。
(会田 肇)