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洗練したデザインと高いフィット感も両立

開放的な本格サウンドが楽しめる、インナーイヤー型の新星。Happy Plugs完全ワイヤレスイヤホン「AIR1」レビュー

公開日 2019/08/07 06:00 草野晃輔
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本機はタッチ操作にも対応している。ハウジングとスティックの付け根辺りをタップして、電源のオン/オフ、再生や一時停止、Google Assistantの呼び出しなど全14種類の操作が可能だ。「トントン」と早めにタップするのではなく「タン・タン」といった感じに、ワンテンポ余裕を持って行うとスムーズに操作できた。

ハウジングとスティックの付け根部分にタッチセンサーを装備。14種類の操作に対応する

充電ケースは手のひらサイズかつ約35gと非常に軽量。蓋を開けて横置きする形でイヤホン本体をセットすると、スティック部中央のLEDが点灯して充電が始まる。

充電ケースは軽量コンパクトで、デザインもシンプル

イヤホンは横置きする形で収納

1回の充電で、イヤホン本体のみで3.5時間、ケースを併用すれば最大14時間の再生が可能だ。本体の充電時間は約1時間。さらに、約15分の充電で45分の再生が可能な急速充電にも対応する。また、Bluetoothはバージョン5.0に準拠し、対応コーデックはSBCとAACとなる。

サウンドの実力十分。素直で開放感たっぷりに楽しめる

それでは試聴に入ろう。試聴機にはアップルのiPhone Xを使い、楽曲はAmazon Music Unlimitedでストリーミング再生した。最初に聴いたのはサカナクションのアルバム『834.194』から「忘れられないの」。シティポップやAORの雰囲気漂うナンバーで、ベースやギターのキレのある演奏とリズミカルな“ノリ”をどれだけ楽しめるかに注目した。

解像感高く、立体的なサウンドを楽しめる

再生直後、冒頭のウィンドチャイムで本機の実力の一端を垣間見られた。情報量が多く解像感が高いためか、音が立体的なのだ。イントロが始まりAメロのボーカルが加わると、実力が本物だと確信に変わった。

インナーイヤー型は外音の影響を受けやすく、相当な実力がないと音が貧弱に聴こえがちだが、本機は低域がどっしりと太くてエネルギッシュ。ベースは音に芯があり、キレもノリも予想以上だ。中高域の音質は素直で、歌声も演奏もバランス良く楽しめる。内部に直径12mmと完全ワイヤレスイヤホンでは極めて大きいドライバーを搭載していることが、大きく寄与しているようだ。

直径12mmのドライバーを搭載したことで、低域もしっかりと再生する

続けて低域のキレ味を確かめるべく、ドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』から「I.G.Y. (What a Beautiful World)」を再生する。低域は音の立ち上がりが早くエッジが立ちつつも、どっしりとしている。インナーイヤー型ながら低域は力強く、曲のグルーブ感をしっかり支えている。ボーカルは明瞭で、コーラスが加わると音に厚みが増して立体感が心地よい。

最後に聴いたのはマイルス・デイヴィスのアルバム『カインド・オブ・ブルー』に収録の「So What」だ。この曲ではインナーイヤー型最大の特徴といえる“開放感”を楽しめた。音場が広く開放的で、音の伸びや消え際の余韻が心地良い。喫茶店で自然に耳に飛び込んでくるBGMのような感覚で、肩肘張らずに聴ける。それでいて、意識をフォーカスすれば、細部まで見渡せるのだから面白い。



AIR1は情報量が多く、また解像感も高いため音に浸透力があり、素直で開放感に溢れる本格サウンドを楽しめる。特に低域はエネルギッシュで、電車のような騒音の大きい場所でも音楽を細部まで楽しめるだろう。その高次元サウンドに加えて、洗練されたデザインと高いフィット感も備えている。

これだけ充実していながら、価格は約1万円とコストパフォーマンスの高さは相当なもの。AirPodsのライバルとして、AIR1がインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホン市場に旋風を巻き起こしそうだ。

(草野 晃輔)

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