【特別企画】人気モデルを置き換えグレードアップ
映像の進化を体感できるプロジェクター、BenQ「HT3550」で4Kシアターを楽しむ
過去のプロジェクターブームを振り返ると、明らかな波がある。その最たる引き金が「フォーマット」のアップデートだ。DVDが登場した当時は、間もなく720pモデルに注目が集まり、いくつもの名機が登場した。BD時代には1,920x1,080画素のフルHDモデルに置き換わったのは記憶に新しい。
そして今、UHD BDだけでなく、放送もネット配信も4K/HDR時代を迎え、プロジェクターも本格的に4Kへ移行しそうな気配が漂ってきた。そんな中、特に注目したいのが、価格面でも多くの一般ユーザーに現実的な、BenQのDLPによる4Kプロジェクターである。
BenQは、カジュアルな「HT2550」やハイエンドの「HT8060」「HT9050」を製品化してきたが、新しいラインとして「HT3550」を投入。ユーザーの選択肢がまた1つ増えた格好だ。今回は、クオリティーと価格帯の両面でホームシアターファン注目の、HT3550の実力をチェックする。
■トップシェアブランドだからこそ実現できる価格感と性能
BenQはパソコン用モニターなどで著名だが、実は、DLPプロジェクターで世界ーのシェアを誇るトップメーカーである。つまり、クオリティーと価格の両面で世界に通用する、信頼に値するブランドと言えるだろう。
筆者も長年同社のプロジェクターに触れてきたが、とにかく「値ごろ感」を突く価格設定が絶妙で、さらにデザイン、画質、機能性と使い勝手なども実にバランスが良いことに感心する。
実のところ、DLPナンバーワンということは、新しいDLP(DMD)デバイスを他社よりも数か月先に手に入れたり、価格面でも大量購入による優遇が受けられる。BenQが4K対応製品をいち早く製品化したり、価格面でも高い競争力を持つのは、こうした根拠がある。
HT3550の特徴は、HDRがHDR10に加えてHLGにも対応し、DCI-P3を100%カバーする色域の広さ。従来モデルHT2550のRec.709準拠に比べると大きな違いで、明部を中心にカラーボリュームが増すHDR時代において、大きなアドバンテージと言える。
4K画質は、0.47インチのフルHD解像度DMDデバイスを用い、光学シフトを組み合わせて実現。ほか、約2.5mの投写距離で100インチ画面が得られることは日本の住空間とも相性が良い。これは、同社がフルHD時代に大ヒットした「W1070」に準じたもので、本体重量がほぼ同等で天吊り金具も共用可能。つまり、「W1070」を設置していた位置に、本機が難なく置き換わり、4K/HDR画質にアップグレードできるということだ。価格も含め、もう4K/HDRは特別なものではなく、あたり前となりつつあるようだ。
■人気モデルからの置き換えで本格4Kホームシアターに
まず外観。W1070の頃、BenQ製品はPCと組み合わせる、いわゆるデータプロジェクター的な雰囲気だったが、本機はホームシアター向けの映像機器に相応しい落ち着いた印象。前面に通気口が無く、レンズ調整部に蓋が設けられてフラットな面が多くなったことと、色使いや質感が要因だろう。
背面もスッキリしている。モダンなリビングでも映えそうだ。1.3倍の光学ズーム(厳密には拡大縮小が可能でピントは手動)を備えるレンズは、2.5mで100インチ投写が可能。「6畳間で天吊り100インチ」が少し余裕を持って実現できる。また、少し広めのリビングならソファー前のローテーブルに乗せて即席シアターも良いだろう。+10%のレンズシフトは微調整に重宝する。画面の高さを大きく変更したいときは仰角で調整することになるだろうが、もちろん台形補正が可能で、自動調整が利用できるのも嬉しい。
設置時の調整は映像サイズとピントのみ。DLPプロジェクターは、若年層を中心に目の感度が良い視聴者にはカラーブレーキングと呼ばれる虹のような縞模様が見えてしまうことがあるのが弱点だが、画素がズレないので手間なくシャープな描写が得られるのが持ち味。実際にピントを合わせようと画素に注目すると、DMDのひとつひとつがはっきりと見えることに驚く。画素シフトやレンズなどの光学系がハイグレードなのか、同様の方式を採用するHT2550と比較しても格段にキレが良いのだ。
そして今、UHD BDだけでなく、放送もネット配信も4K/HDR時代を迎え、プロジェクターも本格的に4Kへ移行しそうな気配が漂ってきた。そんな中、特に注目したいのが、価格面でも多くの一般ユーザーに現実的な、BenQのDLPによる4Kプロジェクターである。
BenQは、カジュアルな「HT2550」やハイエンドの「HT8060」「HT9050」を製品化してきたが、新しいラインとして「HT3550」を投入。ユーザーの選択肢がまた1つ増えた格好だ。今回は、クオリティーと価格帯の両面でホームシアターファン注目の、HT3550の実力をチェックする。
■トップシェアブランドだからこそ実現できる価格感と性能
BenQはパソコン用モニターなどで著名だが、実は、DLPプロジェクターで世界ーのシェアを誇るトップメーカーである。つまり、クオリティーと価格の両面で世界に通用する、信頼に値するブランドと言えるだろう。
筆者も長年同社のプロジェクターに触れてきたが、とにかく「値ごろ感」を突く価格設定が絶妙で、さらにデザイン、画質、機能性と使い勝手なども実にバランスが良いことに感心する。
実のところ、DLPナンバーワンということは、新しいDLP(DMD)デバイスを他社よりも数か月先に手に入れたり、価格面でも大量購入による優遇が受けられる。BenQが4K対応製品をいち早く製品化したり、価格面でも高い競争力を持つのは、こうした根拠がある。
HT3550の特徴は、HDRがHDR10に加えてHLGにも対応し、DCI-P3を100%カバーする色域の広さ。従来モデルHT2550のRec.709準拠に比べると大きな違いで、明部を中心にカラーボリュームが増すHDR時代において、大きなアドバンテージと言える。
4K画質は、0.47インチのフルHD解像度DMDデバイスを用い、光学シフトを組み合わせて実現。ほか、約2.5mの投写距離で100インチ画面が得られることは日本の住空間とも相性が良い。これは、同社がフルHD時代に大ヒットした「W1070」に準じたもので、本体重量がほぼ同等で天吊り金具も共用可能。つまり、「W1070」を設置していた位置に、本機が難なく置き換わり、4K/HDR画質にアップグレードできるということだ。価格も含め、もう4K/HDRは特別なものではなく、あたり前となりつつあるようだ。
■人気モデルからの置き換えで本格4Kホームシアターに
まず外観。W1070の頃、BenQ製品はPCと組み合わせる、いわゆるデータプロジェクター的な雰囲気だったが、本機はホームシアター向けの映像機器に相応しい落ち着いた印象。前面に通気口が無く、レンズ調整部に蓋が設けられてフラットな面が多くなったことと、色使いや質感が要因だろう。
背面もスッキリしている。モダンなリビングでも映えそうだ。1.3倍の光学ズーム(厳密には拡大縮小が可能でピントは手動)を備えるレンズは、2.5mで100インチ投写が可能。「6畳間で天吊り100インチ」が少し余裕を持って実現できる。また、少し広めのリビングならソファー前のローテーブルに乗せて即席シアターも良いだろう。+10%のレンズシフトは微調整に重宝する。画面の高さを大きく変更したいときは仰角で調整することになるだろうが、もちろん台形補正が可能で、自動調整が利用できるのも嬉しい。
設置時の調整は映像サイズとピントのみ。DLPプロジェクターは、若年層を中心に目の感度が良い視聴者にはカラーブレーキングと呼ばれる虹のような縞模様が見えてしまうことがあるのが弱点だが、画素がズレないので手間なくシャープな描写が得られるのが持ち味。実際にピントを合わせようと画素に注目すると、DMDのひとつひとつがはっきりと見えることに驚く。画素シフトやレンズなどの光学系がハイグレードなのか、同様の方式を採用するHT2550と比較しても格段にキレが良いのだ。