機器そのもののグレードアップに匹敵する効果!
【AAEx2020 グランプリ受賞】音楽から「真」の響きを導き出すACOUSTIC REVIVE「リアリティエンハンサー」
■サウンドステージに加わるホログラフィックな表現
まずはCD再生から。ブルーノートなどの著書を多く執筆するジャズ評論家の小川隆夫氏が、プロデュースと自らメンバーにも加わるセリム・スライヴ・エレメンツの『ヴォイス』(44.1kHz/16bit)を再生した。筆者自宅の再生環境では、プリメインアンプとD/Aコンバーターをバランス接続している。まずは普段聴いている状態のまま試聴したのち、RCA形状のショートプラグタイプ「RES-RCA」を空き入力端子 (LINE2)に装着し、改めて同曲を再生した。
もはやイントロの音が出る一瞬の緊張感からして違う。小レベルの音の粒子が浮き出てきたと表現できるほど、明らかにノイズフロアが下がるのだ。次にプリメインアンプとD/Aコンバーターをアンバランス接続にして、XLR形状の「RES-XLR」を空き端子に挿入したが、こちらも同様の効果が聴き取れた。付帯音が減少してひとつひとつの音が明瞭にシェイプされる点が素晴らしい。
続いてはD/Aコンバーターの空きXLR/RCA出力端子に、ターミネータータイプの「RET-RCA」と「RET-XLR」をそれぞれ使用した。マドンナの新アルバム『Madame X』では、エレクトリックシンセサイザーの立ち上がりが向上し、色彩感も増して聴こえてくる。さらにアンプの入力端子に「RES-RCA」、D/AコンバーターのRCA出力端子に「RET-RCA」、使っていないデジタル入力端子にそれぞれ「RET-RCA」と「RET-XLR」と、手持ちの全てのリアリティエンハンサーを装着して再生したが、これが本試聴のハイライトとなった。
演奏はより緊張感を増し、ヴォーカルとバックミュージックもより分離。サウンドステージにホログラフィックな表現が加味される。帯域バランスや音調に不自然な変化はなく、ノイズフロアだけを大幅に下げてくれたことには驚かされた。
使っていて気がついたのだが、入出力端子の数が複数ある場合はベストポイントとなる端子があるようだ。また、複数を同時に使用した時は大きくS/Nが向上する。音像も引き締まってくるので、普段よりもボリューム位置を1段階上げたほどだ。なお、ショートプラグタイプは入力端子に、ターミネータータイプは出力端子に使用するという基本は必ず守って、適切な場所に装着して欲しい。
デジタル・アナログにかかわらず、入出力端子周りの振動防止は予想以上に音質改善効果がある。携帯電話やWi-Fi(無線LAN)の電波に対する電磁波流入対策が注目されている中で、本製品の登場はタイムリーだ。いま使用中の機器の持つ音をスポイルしないばかりか、まるで機器のグレードそのものを上げたような音質で音楽を楽しみ尽くすことができる。この小さなボディには色々な可能性が秘められている。
(土方久明)
■リアリティエンハンサー使用時のポイント
ショートプラグタイプ(RES-RCA、RES-XLR)は入力端子専用だ、間違って出力端子に接続しないように。また一部のパワーアンプなどでは、RCA入力端子とXLR入力端子がブリッジされている場合があるので、念を入れオーディオメーカーに確認を取ってもよいだろう。また、ブリッジされていた場合はターミネータータイプ(RET-RCA、RET-XLR)の使用が推奨されている。また、ターミネータータイプは機器に対していくつ使用しても、仮に入力端子に使用しても、問題は起きないとアナウンスされている。
<Specification>
【RES-RCA / RES-XLR / RET-RCA / RET-XLR】
●筐体:2017S航空グレードアルミ合金+黄銅+天然スモーキークォーツ、電極:金メッキテルル銅●内部配線:PC-TripleC/EX●その他素材:天然水晶リング、天然シルクアブソーバー、貴陽石パウダー、リチアトルマリンパウダー他●取り扱い:関口機械販売(株)
本記事は季刊・オーディオアクセサリーvol.175 Winterからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。