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クライナの「ロングアームマウントシステム」とアーム交換で探る

【AEx2020受賞】JELCO最新世代のダイナミック&スタティック兼用トーンアーム「TK-950S」「TK-950L」の魅力

公開日 2019/12/19 13:49 林 正儀
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■愛機をそのまま載せるだけでロングアームを追加して楽しめる

アナログ好きならば、ロングアームを追加してツインアームを楽しむ価値は大いにある。ジェルコのTK-950SとTK-950Lを改めて体験すると、ロングアームは必ずしもSPU向けというものではなく、先端カートリッジを聴いても低重心かつ安定度の高さなど、音質的に数多くの魅力があるのだ。

JELCO「TK-950L」ロングアーム(210,000円、税抜)

しかしロングアームを楽しもうとすると、大型プレーヤーへの買い替えとなり、導入のハードルが高いのは事実。そこで手持ちの愛機にロングアームをそのまま追加できる、クライナの別置きの「ロングアームマウントシステム」の意味と価値が出てくる訳だ。ジェルコのロングアームTK-950Lをそのまま追加し、ツインアームとしてロングアームならではの魅力を楽しんでみてはどうだろう。

愛用プレーヤーを載せてツインアーム化するクライナの「ロングアームマウントシステム」の使用例。写真はラックスマンのアナログプレーヤーPD-171Aを、別売のジェルコのショートアームTK-950Sでグレードアップし、さらに別置きアームマウントシステムでロングアームTK-950Lを追加

KRYNAの別置きアームボード「ロングアームマウントシステム」(マウントベース+専用ボードで80,000円、税抜)。アームベース部は高さ70〜150mmより選択(10mm刻みで対応、150mm以上は別途特注扱い)、ボードのサイズは500W×18H×490Dmm

プレーヤーの向きはやや変則ではあるが、慣れてしまえばこっちのもの。ツインアームはアナログ再生の楽しみを3から5倍も増してくれるものだ。さらに、TK-950Lをダイナミック型で使うと感度が向上。トレース能力もアップして、グッと広帯域で低域の伸びが目覚ましい。音量も上がって思わずボリュームを下げてしまう。女性ボーカルは発声が丁寧になり、じっくりと歌い上げる。リュートの響きも生々しく、音場の立体構造が見えるようである。

アームベース部はクライナのノウハウを投入した、振動を効果的に処理するダイアモンド・フォーメーション配置を採用。支柱の高さは購入時に選択、さまざまなプレーヤーに対応できる(対応プレーヤーやアームは販売店に相談を)

男性ボーカルも声の重なりが綺麗に分離され、宙に舞うように美しくハモる。シンフォニーなどのクラシックはさらにワイドバンドだ。弦の一本一本が見えるような解像力。ロングアームでしか味わえない、たっぷりとした情報量と低域の没入感を体感すべきだろう。重量盤と通常盤の違いも正しく描き分け、カートリッジのトレース力が圧倒的に向上した感触だ。ラックスマンPD-171Aで聴くと、長短2本のアームでカートリッジ交換してすぐに楽しめる。これは魅力的だ。

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