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【特別企画】しなやかな取り回しの良さも注目

長さと画質を両立!4K/HDR対応のHDMIケーブル「SUPRA HDMI 2.0 AOC」はホームシアターにピッタリ

公開日 2019/12/27 06:40 土方 久明
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まずはUHD BDをプロジェクターのDLA-V5で視聴する。画質評価用の定番ソフトとして知られる『ハドソン川の奇跡』にてトム・ハンクスのランニングシーンをチェックすると、最初に感じるのは、映像の盤石な安定感である。

プロジェクターでUHD BDを視聴する土方氏

ディスクの中に記録された情報量をしっかりと引き出しながら暗部も潰れず、なだらかなグラデーションを描きながら明部を描き出す。特に輝度の高いネオンサインの色彩表現も見事。さすがだな、と思わず声に出てしまった。高品位なオールガラスレンズの搭載、ネイティブ4K対応というDLA-V5のポテンシャルを、これでもかと見せつけてくる。上位モデルのDLA-V9Rユーザーの立場からしても、正直に言って「あれ、V5ってここまで画質が良かったっけ」と感心するほどだ。

UHD BD『ボヘミアン・ラプソディ』の画質も、先に感じた印象と同様でとにかく安定している。ホワイトバランスが崩れることなく、視聴前に気になっていた光-HDMI変換の不安定さは微塵もない。筆者の目からは5mのメタルケーブルと比べても長尺の不利さは全く感じられない。むしろHDRの真骨頂である高輝度の表現が素晴らしく、作品に引き込まれた。

コネクターに書かれている向きに注意して接続する

有機ELテレビ「TH-55GZ1000」では、Netflixの4K HDRコンテンツ『OUR PLANET 私たちの地球』からエピソード「遠洋」を視聴した。深海にいる海洋生物をクローズアップし、美しい高精細な画像で紹介する素晴らしい作品だが、ここで嬉しかったのは、背景の最暗部の引き締まりと微妙なグラデーションの描き分けである。経験上、このような映像は表現が難しいと感じていたのだが、平たく言えば映像が浮かず、主役となる生物の透明感と背景の海水の質感さえ感じさせてくれる素晴らしい画質だった。



筆者は評論家になる前に、チームラボという技術者集団に9年間在籍していた。同社はプロジェクターを複数同時に使ったインタラクティブなアート展示を得意としており、筆者はそこでエンジニアを務める傍ら、映像展示用プロジェクターの選定をしたり、今回のような長尺ケーブルの選定も行なっていた。

業務用の現場で求められる画質は超絶な仕上がりを要求されたが、同時に長尺ケーブルを使用した時の映像の安定性には苦労した。色彩であったり、明度と暗部のコントラストであったりの表現力も、信号が途切れず安定している事が大前提だ。いくら画質が“良く”見えても、そもそも伝送の安定しないケーブルが本質的に良い画質で信号を伝送しているとは到底考えられない。その頃の経験をベースに今回SUPRA HDMI 2.0 AOCをテストしたのだが、筆者が求める安定性と画質の期待値を上回る性能を叩き出してくれたのが嬉しかった。

6mからの長尺モデルでありながら、それを感じさせないHDRの表現力、安定した伝送を実現するHDMIケーブルだ

SUPRAは、オーディオ/ビジュアルファンから絶大な信頼を寄せられるケーブル専業メーカーである。アナログのラインケーブル、スピーカーケーブルはオーディオファイルから定番の一品として認知されているし、さらに光ファイバーケーブルやS/PDIFの同軸デジタルケーブルに加え、伝送特性や対ノイズ特性が重視されるLANケーブルなどのデジタル伝送ケーブルは得意分野だろう。

そんな高品位なケーブルメーカーとして地位を確立している同社の最新HDMIケーブルがSUPRA HDMI 2.0 AOCだ。4K時代の高性能長尺ケーブルを代表するモデルとして、自信を持ってお勧めしたい。

(土方 久明)

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