同社最新技術を結集し、初の栄冠を獲得
ティグロンの最高峰電源ケーブル「TPL-2000A」。AAExグランプリ受賞の魅力を審査員5名が語る
■吸い込まれるような静寂と空気感 TEXT/林 正儀
同社沖野代表のレファレンスケーブルである「DFA10A」をチューンしたという、最新かつ最強モデルのTPL-2000Aだが、この差は大きい。フルテックの高級プラグを装着し、もちろんディップフォーミングでプレミアムなHSE処理を施すわけだが、絶大に効いたのが第2世代のマグネシウムフィルターだ。
印象的なのは、吸い込まれるような静寂さと立体的な空気感である。この際立って体感できるS/N、ローレベルのみずみずしさ……。特に女性ヴォーカル、ギターなどニュアンスの生々しさは目を見張るものがある。逞しい電力伝送で、低域はトルクが太くダイナミックだ。高解像度&ハイスピード系でありながら、キレ味を見せつけず極めて上質、なおかつナチュラルなバランスが特筆点といえる。
(林正儀)
■熱意とセンスが生んだ存在感の高さが際立つ TEXT/生形三郎
TPL-2000Aは、実に強力な個性を備えた電源ケーブルである。快活な音楽再現が得られるディップフォーミング導体、ケーブルのトータルパフォーマンスを向上させるHSE処理の効果、そして、S/N感を大幅に向上させる第二世代マグネシウムシールドや特殊外装チューブなど、吟味し尽くされた要素が、重層的な効果のハーモニーを形成する。
特に、静けさが増すことによる音場感やディティール表現の向上、低域エネルギーの充実効果に驚かされる。まさに、開発者である沖野氏の熱意とセンスが生み出した逸品と言える。この価格帯の電源ケーブルの中において、極めて強力な個性を放つという意味でも、非常に存在感の強い製品である。
(生形三郎)
■再現力を根本から変える説得力 TEXT/井上千岳
PSEのせいか、海外から電源ケーブルが入ってこなくなってしまった。市場はすっかり寂しくなり、ユーザーももうひとつモチベーションが湧かない。そんな中でこういった製品が登場したことは、まことに喜ばしいことである。
TPL-2000Aは、高額である。だがそこに意味があるのだ。かつての海外ケーブルに代わるような存在として、ユーザーの意欲を支える有力なアイテムという位置づけである。
音の出方にも凄みがあり、強力なエネルギーで音楽の再現力を根本から変えてしまうような説得力が感じられる。電源が重要であることは誰でも知っているはずだが、そのことを改めて実感させられる実力が目覚ましい。市場の牽引役として大いに期待したい。
(井上千岳)
<Specification>
●導体:ディップフォーミング無酸素銅(DF-OFC)●「マグネシウムシールド」「ハイパーサチュレーティッドエナジャイザー(HSE)」、第二世代マグネシウムフィルター「PMFmkII」「特殊外装チューブ」「表面帯電防止処理」を新採用●プラグ:FURUTECH「FI-50 NCF(R)」●取り扱い:ティグロン(株)
本記事は季刊・オーディオアクセサリーvol.175 Winterからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。