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機器の下に置いて使用

ティグロンとレクストのコラボ15周年記念。新発想の“潜らせる系”アクセサリーを福田雅光&柴崎功がチェック

公開日 2020/03/23 09:04
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不思議なことに予想を超える再現力
これは単なる制振効果だけじゃない

Text by 福田雅光

福田雅光氏

理屈のわからない科学的に作用を説明できないアクセサリー製品は好きではない。まず、怪しいと考えるのが筆者のスタンスだ。読者に説明できる効果を持っているのか。ティグロンから発売されたチューニングパッドを目にして、嫌な予感でいっぱいであった。なにしろ楕円形状の皮ベースの片面に陶器の小型板が3枚埋め込まれているだけである。その材料はセラミックではなく、制振性能を持つ特殊な焼物という。そしてその使用方法も斬新である。脚の下に使うのではなく、機器シャーシーの下に置くだけ。機器にはどこにも接触しない。それではなにか電磁波に関係するのか?そのような材質でもない。

マランツのCDプレーヤーに使いテストしてみる。シャーシー下前方から中央部の指の届く位置に置くだけと、いたって簡単な使い方だ。その結果、不思議なことに予想を超える効果が現れてきた。SN比を高め、中音高音はすっと伸び切り、濁りは減少、美しく倍音成分を表現。多少明るい傾向にはなるが、副作用は感じられない。したがって、前方音の遠近感(前後感)が増してくる。中低域は余分なふくらみが少なくコントラストもしっかりする。

そこでCDプレーヤーとプリアンプの2カ所に設置する方法はどうなのか?レスポンスが高速化して中低域のダンピングも高める。低音の分離もより効果的だ。ヴォーカル音像のニュアンスがより克明で解像度を高める。

セラミックの小片3枚をゆるく革に差し込んであるだけの構造で、こんな作用があるのは使ってみたくなる。これほどの音質向上効果が得られるということは、単なるシャーシ下の制振効果だけでなく、機器全体への制振の波及効果のような作用もあるのではないかと推測する。




本記事は季刊・オーディオアクセサリーvol.176 Springからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから

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