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【特別企画】サウンドキャラクターも変化

あらゆるシーンで活躍、万能型の完全ワイヤレス。Jabra「Elite Active 75t」レビュー

公開日 2020/04/07 06:30 山本 敦
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単体で最大7.5時間、ケースでの充電込みで最大28時間の再生が可能。ケースも手のひらに収まるほど小さいので、持ち運びも邪魔にならない
外音取り込み機能も搭載されているので安心だ。イヤホンとスマホをペアリングして、モバイルアプリ「Jabra Sound+」を開くと、「ヒアスルー」のメニューが現れるので、ここから取り込む外音のレベルも強弱を調整できる。本機のヒアスルー機能は、再生中の音楽をボリュームを変えずに聴けるし、本体左側のリモコン操作で機能のオン・オフを切り換えられる。

アプリには5つのプリセットEQのほかに、ユーザーが5バンドEQでカスタマイズしたセッティングも保存できる。マイモーメント/通勤/フォーカス(集中)と名付けられた3つのモーメントが用意されているので、例えば「通勤の際には低音ブースト」といった具合に任意のEQ設定を割り当てておくと、すぐに呼び出せて便利だ。

アプリの中のやや目立ちにくい場所にあるが、「サウンドスケープ」機能は筆者にとって仕事に欠かせない。ピンクノイズやホワイトノイズ、数パターンの“自然の音”をループ再生して、周囲の騒音をきこえなくする機能であり、これをカフェでのテレワークや学習時に使えば集中力が高まることうけあいだ。

Elite 75tシリーズは充電ケースも手のひらに収まるほどコンパクトで軽い。ポケットやバッグに入れてもスペースを無駄に取らない。だから毎日持ち歩きたくなる。

そして今、JabraではElite 75tシリーズ専用のワイヤレス充電ケースの開発も進めているそうだ。さらに今年のCESで発表されたワイヤレスヘッドホン「Jabra Elite 45h」に初めて搭載された、ユーザーの耳の聴こえ方にサウンドを最適化する新機能「My Sound」を、近い将来にElite 75tシリーズにソフトウェアアップデートで追加する計画もあるそうだ。

グレー、ミント、コーラルの3色が発売予定(グレーは店舗限定商品)

あらゆるシーンで生演奏のように躍動感あふれる音楽を

Jabra Elite Active 75tのBluetooth音声コーデックはAACとSBCに対応している。今回はiPhone 11 Proにペアリングして、Apple Musicで試聴を行った。Elite 75tとの音質の違いについても参考までにコメントしてみたい。

大貫妙子のアルバム『SUNSHOWER』の楽曲「都会」では、ボーカルの繊細な表情の変化を忠実にトレースする。Jabraのイヤホン、ヘッドホンはどの製品もサウンドバランスがとてもニュートラルなので、長い時間安心して聴いていられる。特にボーカルのきめ細かく自然な質感が耳に心地よい。

Elite 75tでは少しボールドに描かれる声の輪郭が、Elite Active 75tではもう少しシャープに感じられる。声の抑揚感の現れ方もより繊細だ。S/Nが高く、音場の奥行きが深く見渡せる。楽器の演奏も立体的だ。

ベースラインはElite 75tの方が肉厚で迫力も感じるが、Elite Active 75tの筋肉質で引き締まった低音の躍動感にも魅力がある。ドラムスのハイハットやシンバルの余韻は粒立ちが煌びやか。コーラスの和音がゆったりと静寂を満たしながら、音楽に心地よい潤いを与える。

続いて上原ひろみのアルバム『スペクトラム』のタイトル曲「スペクトラム」を聴いた。躍動感あふれるピアノの熱量が徐々にヒートアップしていく。繊細な指先のタッチが生々しく蘇る。悠々と駆け抜けるメロディの余韻は清涼感にあふれている。

冷静と情熱。Elite Active 75tはふたつの素顔を持つミステリアスなイヤホンだ。この曲を屋外で聴くと、時折低音の線がやや細めに感じられるパートもあったが、アプリのEQを使うことで最適なリスニング感に追い込めた。



本機が「Active」と名付けられているのは、スポーツシーンだけを意識して開発されたイヤホンだからではない。あらゆるリスニングシーンで、生演奏のように躍動感あふれる音楽をユーザーに届けられるという、Jabraの自信と強い思いが込められたイヤホンだからだ。ぜひ多くの人に試してもらいたい。


(協力:GNオーディオジャパン)

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