新MacBook Airとも比較
iPad Pro+「Magic Keyboard」 ハンズオン! 打鍵感は快適、トラックパッドも使い勝手良し
アプリアイコンの選択などタップ操作は指の方が速いかもしれないし、Apple Pencilを使えばより繊細な線を描いたり、色塗りがていねいにできる。だが、トラックパッドを一体化したMagic Keyboardを使ってみると、iPadでマウス的な操作ができることが思いのほか便利であることを実感するはずだ。
Webページのスクロールが2本指のスワイプ操作で動かせたり、3本指のスワイプアップで素速くホームボタンに戻り、そのままさらに3本指でトラックパッドをスワイプアップするとアプリスイッチャーの画面に切り替わる。Magic Keyboardのトラックパッドとマルチフィンガージェスチャー操作との相性がとても良いのだ。
横10cm、縦5cm前後のトラックパッドを、フルサイズキーボードとバランス良く収めている。キー入力をしながらトラックパッドを誤操作してしまうこともほとんどない。
“トラックパッドを搭載したiPad Pro用キーボード” であることだけでも、Magic Keyboardを選ぶ、あるいはSmart Keyboard Folioに加えて買い増す意義があると思う。
■iPad Proのスピーカー再生の音質を高めるフローティングポジション
Magic KeyboardはiPad Proを装着した状態でフローティングポジションに固定し、画面の角度をフレキシブルに調節できる「フローティングカンチレバー」を搭載している。
Smart Keyboard Folioとの大きな違いはつくりが頑丈になっていることだ。装着した状態でiPad Proが後ろに倒れないよう、2つのパネルのつなぐ蝶番にはアルミニウム製の強固なパーツが使われている。可動部分を動かすとググッとした手応えが返ってくる。iPad Proを前方に傾けてもパタッと閉じてしまわないほど蝶番は固く安定している。
Smart Keyboard Folioは卓上カレンダーのようにキーボード側のパネルにiPad Proを立てかけてセットするデザインだった。Magic Keyboardはフローティングポジションが採れることから、キーボード側のパネルの奥手方向のスペースまで有効に使いながら、フルサイズのキーボードとトラックパッドの配置を実現している。
iPad Proがキーボード側のパネルと接触しないため、内蔵スピーカーによる再生音がよりクリアになった。Smart Keyboard Folioと比べて中低音のだぶつきやにじみが抑えられ、映画やドラマの役者の台詞がより明瞭に聞こえてくる。音楽再生の定位も立体的になる。iPad ProによるAVコンテンツの鑑賞にも思わぬ効果が発見できた。
■Magic Keyboardのポータビリティは?
安定感と堅牢性に富むMagic Keyboard。重さがどの程度なのか気になるところだ。12.9インチのiPad Proに対応するMagic Keyboardを、筆者宅にあったキッチンスケーラーで計測してみた。料理用の量りなので、値はあくまで参考程度に止めてほしいが、Smart Keyboard Folioは約420g、Magic Keyboardは約700gだった。
Magic Keyboardを単体で手に持ってみると、公式サイトの画像を見て想像していたよりずっと軽くてスリムだと感じた。12.9インチのiPad Proに装着すると、全体の厚みはSmart Keyboard FolioにiPad Proを装着したサイズとほぼ変わらない。
iPadと合わせた質量は2020年モデルのMacBook Airよりもわずかに上回るが、iPad Proのカバーを兼ねたアクセサリーであることを考えれば、ポータビリティは「質量と堅牢性のバランスに優れる」と評価していいと思う。
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