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<連載>角田郁雄のオーディオSUPREME

生々しさに驚嘆、CHORDの新パワーアンプ「Ultima 5」が鳴らす高解像度サウンド

公開日 2020/07/23 07:00 角田郁雄
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■音の透明度が向上、DAVEの高解像度特性が生かされた生々しい演奏

さて、その音質です。CHORDは、同じイギリスのB&Wのスピーカーをリファレンスの一つとして採用しているので、今回B&W 802D3を使用しました。

角田氏のリスニングルームにて、DAVEとUltima5の組み合わせで聴く

スピーカーケーブルには私が愛用している、細身ながら高解像度かつ高速伝送を実現するArchitectura(アーキテクチューラ)「KEI」をバイワイヤーで使用します。

タイムロードのオリジナルブランド、ArchitecturaのスピーカーケーブルKEI。長さ1.0mにつき25,000円(税抜)

プリアンプはJeff Rowland「Corus +PSU」で、DACにはDAVEを使用。まずハイレゾを再生しました。DELAのN1Zサーバーを使用し、DAVEとUSBで接続します。

以前聴いた「SPM 1200MKU」は、中低域位に量感のある、ややウォームな音質でしたが、本機は大きく変貌し、一気に音の透明度が向上した印象を受けます。再生帯域のバランスが良く、中高域の空気感や奏者の演奏の様子を高い解像感で表現してくれます。そして一音一音に純度の高い音色が聴け、極めて透明度の高い倍音にも魅了されます。

ハイレゾの試聴音源。ジョニ・ミッチェルの「Shadows And Light (Live)」(192kHz/24bit)

しかも、私がポイントとしている弱音や空間描写性にも優れています。壮大で力強いオーケストラのフォルテシモでも、空間の幅、奥行きをよく再現し、音像定位も崩さず、音の明瞭度を維持してくれます。音色的には実にナチュラルで、音の透明度を重視しているように思います。また弱音から強音まで、ダイナミックレンジが広いことも実感します。まさにハイスピード・パワーアンプというイメージです。

さらにDAVE本体のボリュームを使用し、本機にダイレクト接続すると、DAVEの高解像度特性が生かされ、一枚も二枚もベールを剥いだ生々しい演奏が空間に描写されます。

せっかくの機会なので、dCSのVivaldiデジタル・プレイバック・システムやヤマハのプレーヤー「GT2000L」、フィデリックスのヘッドアンプ「LIRICO」とフォノイコライザー「LEGGIERO」を組み合わせたアナログ装置で、最新アルバムも再生してみました。

ヤマハのGT-2000Lでのアナログ再生でも、高解像度のCHORDサウンドを実現できる

それぞれの機器の持ち味が発揮され、音の違いはありますが、アンプの特性としては同質の高解像度特性、空間描写性、ダイナミックレンジの広い駆動力が体験できました。

LPの試聴音源はハイティンク指揮、ベルリン・フィルによるダイレクトカッティング盤「ブルックナー:交響曲第7番」

搭載されている技術や音質もさることながら、国産のハイエンドアンプと同等の価格であることも魅力です。私自身もスペースを空け、Blue Mk2とDAVEを専用ラックで重ね合わせて、CHORDで統一したCD/ハイレゾ・プレイバック・システムを実現したいと思ったくらいです。

CHORDファンやB&Wファン、新しいパワーアンプを探している方に、大いに推薦します。ぜひ、一度、専門店で、両モデルのデザイン、技術、音質を探って欲しいと思います。

最後に。今は、早くコロナ感染が収束してくれることを願うばかりです。そしていつか、オープンな気持ちで、皆さんと各オーディオショウなどでお会いできることを楽しみにしております。まずはともに新しい生活スタイルを考え、十分な衛生配慮、防御対策を行って、前向きに、心穏やかに過ごしていきたいものです。

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