HOME > レビュー > 精度の高い音情報でゲームの勝ちを取りに行く。「Immerse with Audio-Technica」を試す

【特別企画】敵の足音なども聴きやすく

精度の高い音情報でゲームの勝ちを取りに行く。「Immerse with Audio-Technica」を試す

公開日 2020/08/04 06:40 関根慎一
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

実際にプレイ。「聞こえていない音がこんなにあったのか」

先に述べた通り、ここからはオーディオテクニカからお借りしたATH-G1を使ってPUBGをプレイし、Immerseの効果を確認していきたい。

ATH-G1を使ってPUBGでImmerseの効果を確認

Immerseを有効にした状態で実際にPUBGを遊んでみて最初に感じたことは「聞こえていない音がこんなにあったのか」という驚きだった。

最も顕著に効果を実感したのは、周囲に敵がいる際の足音を聴いたとき。徐々に近づいてくる足音がImmerseを導入する前よりもはっきりと聴こえ、前方から真横へ、そして徐々に後ろへ向かう動き、その存在感が、音だけで手に取るように伝わってくるという感覚があった。ATH-G1は特にサラウンド機能の類を内蔵していない密閉型2chヘッドセットだが、これはなかなか新鮮な体験だった。

画面下で伏せているのが筆者。中央上から迫ってくる2人の足音がそれぞれ位置がわかるレベルで聞き取れた(対処できたかどうかは別の話)

生々しい音というには違うのだが、周囲で鳴る音の中から、遠くで鳴る銃声や足音のような「必要な音」だけが増幅されて聴こえてくるという書き方が近いだろうか。無効時の音がイコライザーですべての音量を同じレベルに設定しているとするならば、有効時は対象としたジャンルに合わせて調整されたイコライザーの音というくらいに違いがある。

物音が聞こえる位置が正確に察知できると、その分対処や決断も早くできる

PUBGにはリプレイ機能があるので、試しに足音に注目して、Immerseの有効/無効を交互に切り替えつつ聴いてみた。有効時には側面からはっきり聞こえてくる足音が、無効時にはかすかに聴こえるのみになり、敵の位置が明らかに掴みにくく感じられた。このほか近くで銃声がしたシーンでも、銃声のする方向の掴みやすさにかなり差があった。

なお最初Immerseを有効にしてPUBGをプレイしたとき、Presenceの値は3であり、少し実感よりも遠い気がしたので、次のゲームではPresenceの値を2にしてみるなどの微調整を行ったりもした。

今回遊んだ何度かのプレイでは残念ながら勝てはしなかったのだが、Immerseの効果は十分に実感できた。また今回は言及しないが、PUBGのような対戦タイトルでなくとも、Division 2や「DARK SOULS」のようなアクションRPGでも、「視界外の状況が掴みやすくなる」という点において、一定の利便性が得られる点に変わりはないと思う。

ちなみにImmerse自体はほかのヘッドホンやヘッドセットでも利用できるが、「Immerse with Audio-Technica」はATH-G1はじめオーディオテクニカのゲーミングヘッドセットに最適化された特別なチューニングが施されているので、他社製ヘッドホンと組み合わせて使うと精度が少し落ちる可能性がある。


適切な判断をするための、精度の高い音情報をもたらしてくれる

敵との撃ち合いはゲームのハイライトといっていい華のあるシーンだが、ことバトルロイヤルに関しては、それまで準備した積み重ねの答え合わせに近い意味合いを持つ。ここでいう準備とは、周囲の情報から最も安全な可能性が高いルートを通り、必要なアイテムを拾い、できるだけ有利な位置で接敵するという意味。そこには刻々と変化する状況の中で情報を判断することも含まれる。物音の位置を察知することは判断材料の一つであり、その精度は当然高い方が良い。

音の聞こえ方には個人差があるものだが、Immerseはユーザーの耳の形状を分析してひとりひとりに最適なサウンドを提供し、ゲーム的に理想的な定位感を提供することをコアバリューとしているソフトウェアだ。

料金は1年で税別1,599円、5年で4,299円と、年単位のプランしかないのがやや気になるところではあるが、今回実感した効果を考えれば、個人的にそれほど高くは感じない。

Immerseはアプリの仕組み上、映像作品や楽曲の音も変えてしまうため、常時有効にしておく性質のサービスではない。また、ゲーム側から外部ツールとして認識される可能性はある。だがとりわけ競技性の高いシューター系のタイトルに真剣に取り組んでいる人であるほど価値が感じられるソフトウェアである。音の聞こえ方はプレイ感覚に直結する要素なので、どうしても合わない人はいるかもしれないが、Immerseでは2週間の無料体験期間も設けているので、気になる向きはぜひ活用していただきたい。


前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE