『TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING』体感レポート
山下達郎が「MUSIC/SLASH」で行った高音質ライブ配信を、本気のオーディオで聴いてみた
■こだわりのAV機器で感動を逃さずキャッチ!
まず、MUSIC/SLASHからのストリーミング配信を受け取る機材として、富士通の15.6インチ有機ELディスプレイ採用ノートPC「FMV LIFEBOOK AH-X/D3」のほか、ストリーミング端末「Amazon Fire TV Stick 4K」、大画面テレビには東芝の有機ELレグザ「55X9400」を用意した。
映像に関してはFMV LIFEBOOK AH-X/D3単体での場合と、FMV LIFEBOOK AH-X/D3からHDMIケーブルで55X9400に繋いだパターン、さらにAmazon Fire TV Stick 4Kと55X9400のみを繋いだシンプルな構成でも試すこととした。
PCからはWindows 10、Google Chromeの最新版をインストールした状態でブラウザ経由で視聴する。今回の配信はデジタル著作権管理機能(DRM機能)を用いているため、HDMIなどを使って外部の映像機器と接続する際はHDCP対応かどうかなどを確認しておく必要がある。今回配信用に準備した機材は、この点をクリアしていたが、自作PCなどでは映像が出力されないケースもあるようだ。
また、Amazon Fire TV Stick 4Kを用いる場合には、本機が搭載するブラウザのSilkから、MUSIC/SLASHのサイトへアクセスするかたちになる。
ちなみにテレビに55X9400を選択した理由については、発色の良さと動きへの追随性の点で有機ELを搭載した機器を用いたかったことが第一点。なかでも映像の遅延を抑える「ゲームモード」の機能性を重視し、レグザを選択した(映像エンジンでの処理があるため、有機ELパネルを用いていても他のモードではゲームモード以上の遅延が発生する)。
音声についてはFMV LIFEBOOK AH-X/D3単体の場合に加えて、新型真空管「Nutube」を搭載したコルグのUSB-DAC「Nu1」も用意して、FMV LIFEBOOK AH-X/D3とUSBケーブルで接続。そこから試聴室のシステムに繋いだパターンも試す。ちなみに試聴室にはプリアンプにアキュフェーズ「C-3850」、パワーアンプはアキュフェーズ「P-6200」を2台、スピーカーはB&W「803 D3」という贅沢なオーディオ環境が常備されている。
なお、Nu1にはPCで再生する動画を含めた音声のすべてをリアルタイムDSD変換する「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」も搭載しており、MUSIC/SLASH用のストリーミングサービスにも有効である。
しかし今回に関しては配信用ミックスの本質を確認するため、S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジーは使わず、Nutubeの倍音を付加する「Nutube HDFC」機構だけを試してみた。Nu1には2系統のアナログライン出力が用意されているが、このNutube HDFCを有効にするには “USB-DAC DIRECT” ではなく “LINE” OUTPUTを使う必要がある。
Nu1は基本的なスペックの高い音質の良いUSB-DACであることに加え、Nutubeでの音色変化を楽しめること、さらに11.2MHzでのハイレゾストリーミングサービス『PrimeSeat』にも対応するため、高音質にストリーミングを楽しむのに対し、相性のよい理想的なツールであると考えたからだ。
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