本日発売! 進化点を徹底検証
iPhone 12/iPhone 12 Proレビュー。傑出したカメラから5Gまで、実力を総チェック
■さらにスゴいiPhone 12 Proのカメラ。より高度なARアプリへの対応にも期待
上位のiPhone 12 Proには望遠レンズを含むトリプルレンズカメラが搭載されている。そして2020年モデルのiPad Proに初搭載された、光による高精度な測距を可能にするLiDARスキャナーも新たに組み込まれた。
iPad Proでは、主にARコンテンツの再現性を高めるための測距センサーとしてLiDARスキャナを使っていたが、iPad 12 Pro/12 Pro Maxでは暗所撮影時のオートフォーカス補助の役割も担う。A14 Bionicチップによる解析処理と相まって、少し暗い場所でのピント合わせがとても速くできるだけでなく、奥行き感や色の再現精度が増している。
iPhone 12 Proは本格的なデジタルカメラに匹敵するカメラ性能を備えながら、スマホならではの機動性、アングルを活かしたユニークな写真が撮れるデバイスだ。また、iPhone 12 Proはポートレートモードを広角・望遠カメラでも撮影できる。ナイトポートレートも本機だけの特徴だ。
A14 Bionicチップを搭載したことで「Lidar Camera」のようなARアプリもスムーズに動く。今後LiDARスキャナーを活かした、より高度な使い方ができるアプリやサービスが増えてきた時に、真価がはっきり見えてくるだろう。iPhoneのカメラで“できること”の幅を広げたいのであれば、iPhone 12よりもiPhone 12 Proを選ぶべきだ。
■Dolby VisionのHDRビデオが撮れる世界初のスマホ
iPhone 12シリーズは、Dolby Vision方式によるHDRビデオ撮影ができる世界初のスマートフォンだ。iPhone 12 Proは、より滑らかな4K/60p撮影に対応しているが、iPhone 12でも4K/30pのドルビービジョンHDRビデオが撮れる。
ビデオ撮影の設定から「HDRビデオ」のオン・オフを切り換えて撮った動画のイメージを紹介しよう。iPhone 12シリーズで撮影したHDR動画は、AirDrop以外の手段でシェアしようすると圧縮処理がかかってしまう。そのため今回はiPhoneのディスプレイの明るさを最大にし、HDRビデオとSDRビデオを並べたイメージを紹介したい。実際の風景に近い明るさ、自然な色合いと奥行き感が再現できているのは、言うまでもなくHDRビデオの方だ。
iPhoneで撮ったDolby Vision方式のHDR動画は「iPhoneで見る」方法が最もシンプルだ。だが、たとえば家族旅行で撮影したHDRビデオを、リビングのテレビで再生したいということもあるだろう。そのためのひとつの方法としては、iPhone 12シリーズからAirPlayを経由してApple TV 4Kに動画を送り出し、HDMIケーブルで接続したDolby Vision対応テレビに映す方法が考えられる。
たとえば、ソニーのBRAVIAの4Kテレビは、数年前に発売されたモデルもDolby Visionに対応している(アップデート対応した機種を含む)。ただし、今回のようにApple TV 4Kのような外部機器からHDMI入力でDolby VisionのHDRビデオを受けた場合、変換処理を介さず表示できる機種は、比較的最近に発売されたモデルに限られるようだ。BRAVIAのHDRビデオ入力の対応状況についてはソニーのホームページで確認ができる。
Dolby VisionやHDRに対応していないテレビやモニターに、iPhone 12シリーズで撮影したHDRビデオをApple TV 4Kを介してAirPlayで飛ばした場合は、ほかのHDR方式で表示されるか、SDR変換になるか、あるいは表示自体ができなかったり、それぞれの外部機器側の仕様によって変わってくる。
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