創立50周年記念第2弾モデル
オーディオ銘機賞 金賞にふさわしい風格。アキュフェーズ「C-3900」レビュー
アキュフェーズ創立50周年記念の第2弾として登場したプリアンプ「C-3900」が、オーディオ銘機賞2021の金賞モデルとして選出された。本機は2010年に発表された40周年記念モデル「C-3800」、その後継機である2015年発売の「C-3850」の流れを汲むプリアンプのトップモデルである。これまでに培われてきたノウハウを集大成した、フラグシップの名にふさわしいモデルのサウンドをレポートする。
■操作と所有の喜びまでも感じさせてくれる風格
洗練されたシャンパン・ゴールドのフロントパネルに、高品位なセレクターとボリュームつまみ。その周囲には、今回上品なゴールドのリングを添えたことで、アキュフェーズ創立50周年記念モデルである最高峰プレシジョン・ステレオ・プリアンプリファイヤー「C-3900」は、さらに美しいデザインになった。
加えて、歴代のモデルと同様に、高品位なウッドケースが使われている。そう、まさに再生する音楽のみならず、操作と所有の喜びまでも感じさせてくれる堂々とした風格の佇まいとなったのである。
そして、音楽を奏でてくれる内部回路。記念モデルだからと言って奇をてらうかのような最新技術を搭載せず、他に類を見ない独創的かつ優れたオーディオ特性を備えた技術を、長い年月をかけ、磨き上げ搭載している。
本機においては、一般的な抵抗体軸摺動型ボリュームとはまったく次元の違う、「C-2800」から採用したAAVAを搭載していることが特徴。これは抵抗体を使用せず、電圧信号をいったん電流に変換する「V/I変換回路」を組み合わせることで、音量を調整するという画期的な音量調整器ある。
言い換えれば、抵抗体を使用しない可変利得アンプ方式であり、前モデルC-3850ではバランスAAVAであったのに対し、本機ではその2倍のデュアル・バランスAAVAとした。その結果、ノイズレベルを30%も低減した。
このAAVA前段には、大出力振幅化したハイゲインの低雑音電流帰還方式ディスクリート構成入力アンプを搭載し、入力信号幅(ヘッドルーム)を拡張し、増幅する。AAVAの後段I/V変換アンプでは、歪みを低減するANCCを採用し、その電圧信号を4パラレル構成の出力アンプで最終増幅する回路構成を採用。これらの回路により、さらなる低雑音化を行った。
その結果、C-3850では、定格出力S/Nが115dBであったのに対し、本機では驚異の118dBを達成した。C-3850も、おそらくプリアンプとして世界一のS/Nを達成したと思うが、それをも超えてしまったのである。
これらのAAVAや増幅基板に目を向けると、これも世界で類を見ないはずの高精度測定器などに使われる低損失、高速伝搬特性を実現するガラス布フッ素樹脂基板(テフロン基板)が使われ、垂直にマザーボードに取りつけられていることが確認できる。そして、その上面には放熱スリットのついたゴールドのアルミカバーが取りつけられ、精密感を鮮明にしているのである。
リアパネルには入出力コネクターが配置されているが、リレー制御により最短距離でプリアンプ部と接続され、伝送損失を低減しているのである。中央には音質を吟味したトロイダル・トランス2基と高音質フィルター・コンデンサー(10,000μF×12式)が整然と配置され、これらの増幅回路に安定した高品位な電源を供給(左右独立電源構成)。諸特性や音質向上のために、プリアンプ本体をコントロールする制御部は、フロントパネル背後のシールドボックスに厳重に内蔵している。
実に素晴らしい回路構成なのである。読者の皆さんにも、ぜひ、カタログを見て欲しい。外観のデザインも美しいが、こうした内部技術が、左右シンメトリーに美しく配置されていることが理解できることであろう。
■操作と所有の喜びまでも感じさせてくれる風格
洗練されたシャンパン・ゴールドのフロントパネルに、高品位なセレクターとボリュームつまみ。その周囲には、今回上品なゴールドのリングを添えたことで、アキュフェーズ創立50周年記念モデルである最高峰プレシジョン・ステレオ・プリアンプリファイヤー「C-3900」は、さらに美しいデザインになった。
加えて、歴代のモデルと同様に、高品位なウッドケースが使われている。そう、まさに再生する音楽のみならず、操作と所有の喜びまでも感じさせてくれる堂々とした風格の佇まいとなったのである。
そして、音楽を奏でてくれる内部回路。記念モデルだからと言って奇をてらうかのような最新技術を搭載せず、他に類を見ない独創的かつ優れたオーディオ特性を備えた技術を、長い年月をかけ、磨き上げ搭載している。
本機においては、一般的な抵抗体軸摺動型ボリュームとはまったく次元の違う、「C-2800」から採用したAAVAを搭載していることが特徴。これは抵抗体を使用せず、電圧信号をいったん電流に変換する「V/I変換回路」を組み合わせることで、音量を調整するという画期的な音量調整器ある。
言い換えれば、抵抗体を使用しない可変利得アンプ方式であり、前モデルC-3850ではバランスAAVAであったのに対し、本機ではその2倍のデュアル・バランスAAVAとした。その結果、ノイズレベルを30%も低減した。
このAAVA前段には、大出力振幅化したハイゲインの低雑音電流帰還方式ディスクリート構成入力アンプを搭載し、入力信号幅(ヘッドルーム)を拡張し、増幅する。AAVAの後段I/V変換アンプでは、歪みを低減するANCCを採用し、その電圧信号を4パラレル構成の出力アンプで最終増幅する回路構成を採用。これらの回路により、さらなる低雑音化を行った。
その結果、C-3850では、定格出力S/Nが115dBであったのに対し、本機では驚異の118dBを達成した。C-3850も、おそらくプリアンプとして世界一のS/Nを達成したと思うが、それをも超えてしまったのである。
これらのAAVAや増幅基板に目を向けると、これも世界で類を見ないはずの高精度測定器などに使われる低損失、高速伝搬特性を実現するガラス布フッ素樹脂基板(テフロン基板)が使われ、垂直にマザーボードに取りつけられていることが確認できる。そして、その上面には放熱スリットのついたゴールドのアルミカバーが取りつけられ、精密感を鮮明にしているのである。
リアパネルには入出力コネクターが配置されているが、リレー制御により最短距離でプリアンプ部と接続され、伝送損失を低減しているのである。中央には音質を吟味したトロイダル・トランス2基と高音質フィルター・コンデンサー(10,000μF×12式)が整然と配置され、これらの増幅回路に安定した高品位な電源を供給(左右独立電源構成)。諸特性や音質向上のために、プリアンプ本体をコントロールする制御部は、フロントパネル背後のシールドボックスに厳重に内蔵している。
実に素晴らしい回路構成なのである。読者の皆さんにも、ぜひ、カタログを見て欲しい。外観のデザインも美しいが、こうした内部技術が、左右シンメトリーに美しく配置されていることが理解できることであろう。
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