約5,000円の注目機をレビュー
強豪ひしめく“低価格帯完全ワイヤレスイヤホン”に「魅力的な選択肢」登場! JVC「HA-A7T」を聴く
JVCケンウッドから、低価格な完全ワイヤレスイヤホン「HA-A7T」が発売された。税抜約5,000円と、同社の完全ワイヤレスイヤホンのラインナップの中でもかなりの低価格を実現しているのも大きな特徴だ。
時代の流れとともに低価格化が進んできた完全ワイヤレスイヤホンだが、その大多数は中国などのアジア系メーカーから発売されているのが実情。低価格・大量生産となると、やはり国内メーカーより大きな分がある。そんな中で登場したHA-A7Tは、大手国内メーカーの製品ながら中華系コスパモデルと比べても遜色ない価格設定といえる。完全ワイヤレスイヤホンが市場に浸透しはじめた今、国内メーカーのラインナップがより幅広いプライスレンジを押さえているというのは大きな意味があるだろう。
今回はHA-A7Tのサンプルをお借りしたので、どのような仕上がりになっているのか、そのファーストインプレッションをお届けしたい。
まずは外観からチェックしていこう。カラーバリエーションはブラック・ピンク・ホワイト・ミントグリーンの4色が用意されている。柔らかくパステル調なカラーで、ファッションやシーンを選ばずに多くの人が使いやすそうな印象。また、ガジェット系の製品に慣れてない人でも気兼ねなく手に取りやすいデザインだ。
充電ケースは横長な形状で、手のひらに収まるサイズ感が特徴だ。形状として持ちやすいだけでなく、胸ポケットや小さなカバンでもラクラク持ち運べそうなコンパクトさが魅力的。イヤホン本体も小ぶりで、ステムが下に伸びたスティックタイプ。かつては「耳うどん」などと呼ばれることもあったが、近年ではかなり一般的になってきており、外出時にも気兼ねなく使えるだろう。
一見するとボタン類が見当たらないデザインだが、実はタッチセンサーではなく、ハウジングそのものが押し込める1ボタン操作となっている。物理ボタンは慣れるまでボタンを探すのに手間取ることが多いが、これなら着けているイヤホンそのものを押し込むだけでOK。タッチセンサーと異なり、着脱時などに触れてしまって誤操作してしまうことも少ない。イヤホン単体で複雑な操作をしたい人には物足りないかもしれないが、シンプルにまとまっていて万人に使いやすい仕様だ。
充電ケースに内蔵されているマグネットもうれしいポイントのひとつ。イヤホンを収納部に近づけるだけでスッと収まってくれるので、持ちやすいスティックタイプの形状と相まって、屋外でも安心に扱うことができそうだ。
スペックも見ていこう。規格としてはBluetooth5.0/Power Class1に対応。アンテナ位置を最適化することで、安定したワイヤレス接続を実現しているとのこと。アンテナはおそらくスティックの部分に実装されていると思われるが、この形状は取り扱いのしやすさだけでなく、接続安定性に貢献しているというメリットもある。音途切れが不安な人も快適に使えるはずだ。
バッテリー性能としては、イヤホン本体のみで約6時間、充電ケースを合わせると合計約15時間の再生が可能になる。高級価格帯のモデルにはもっと長時間駆動が可能なモデルもあるが、本機の価格帯を考えれば十分といえるだろう。15分の充電で約1時間の再生が可能なクイック充電に対応しているのもありがたい。
また、IPX4相当の生活防水にも対応している。突然の雨や水しぶきにかかってしまったり、運動時に流した汗が付いてしまったりしても安心だ。
最後に音質を確認したい。一見するとカラフルでポップなイメージを連想させるHA-A7Tだが、実は高磁力ネオジムマグネットを採用したダイナミック型ドライバーを搭載しており、その可愛らしい見た目とは裏腹に、パワフルでクリアなサウンドを売りとしている。一聴してみると、そのギャップに驚いたほどだ。
SpotifyでYOASOBI「夜に駆ける」を再生すると、軽快なギターや透明感のあるボーカルの質感もさることながら、ドシンとくる力強いリズムパターンに意識が向く。メーカーが謳う通り、その低域の力強さは確かに印象的だ。
ONE OK ROCK「完全感覚Dreamer」では、激しく響くギターの歪みや厚みを力強く描いてくれる。ベースラインのグルーヴ感もしっかりと楽しむことができ、いわゆるスリーピースのバンドサウンドとも相性が良いだろうと感じた。
かと思えば、→Pia-no-jaC←と葉加瀬太郎による「Csardas」も面白い。ピアノとカホンのユニットにバイオリンが加わるという異色の構成だが、意外にもバイオリンの音色が重厚感とともに艶やかに聴こえる。クラップの粒立ちもよく、パーカッションのリズムも楽しく響く。音色は硬めだが、足腰がしっかりした低音のおかげか、生音との相性もなかなかに良い。
全体を通しての音の解像度や質感は価格相応ながら、その迫力ある低音は、まさにJVCが得意とするところだ。好みを選ぶところでもあるかもしれないが、外出時にも低音が潰れることなく、しっかりと音楽を楽しめるパワーを備えているのは、ポータブルユースとしては決してデメリットでは無いはず。わかりやすさに配慮された製品デザインと、JVCらしいチューニングが施された1本。強豪がひしめく低価格帯においても、魅力的な選択肢となりそうだ。
時代の流れとともに低価格化が進んできた完全ワイヤレスイヤホンだが、その大多数は中国などのアジア系メーカーから発売されているのが実情。低価格・大量生産となると、やはり国内メーカーより大きな分がある。そんな中で登場したHA-A7Tは、大手国内メーカーの製品ながら中華系コスパモデルと比べても遜色ない価格設定といえる。完全ワイヤレスイヤホンが市場に浸透しはじめた今、国内メーカーのラインナップがより幅広いプライスレンジを押さえているというのは大きな意味があるだろう。
今回はHA-A7Tのサンプルをお借りしたので、どのような仕上がりになっているのか、そのファーストインプレッションをお届けしたい。
まずは外観からチェックしていこう。カラーバリエーションはブラック・ピンク・ホワイト・ミントグリーンの4色が用意されている。柔らかくパステル調なカラーで、ファッションやシーンを選ばずに多くの人が使いやすそうな印象。また、ガジェット系の製品に慣れてない人でも気兼ねなく手に取りやすいデザインだ。
充電ケースは横長な形状で、手のひらに収まるサイズ感が特徴だ。形状として持ちやすいだけでなく、胸ポケットや小さなカバンでもラクラク持ち運べそうなコンパクトさが魅力的。イヤホン本体も小ぶりで、ステムが下に伸びたスティックタイプ。かつては「耳うどん」などと呼ばれることもあったが、近年ではかなり一般的になってきており、外出時にも気兼ねなく使えるだろう。
一見するとボタン類が見当たらないデザインだが、実はタッチセンサーではなく、ハウジングそのものが押し込める1ボタン操作となっている。物理ボタンは慣れるまでボタンを探すのに手間取ることが多いが、これなら着けているイヤホンそのものを押し込むだけでOK。タッチセンサーと異なり、着脱時などに触れてしまって誤操作してしまうことも少ない。イヤホン単体で複雑な操作をしたい人には物足りないかもしれないが、シンプルにまとまっていて万人に使いやすい仕様だ。
充電ケースに内蔵されているマグネットもうれしいポイントのひとつ。イヤホンを収納部に近づけるだけでスッと収まってくれるので、持ちやすいスティックタイプの形状と相まって、屋外でも安心に扱うことができそうだ。
スペックも見ていこう。規格としてはBluetooth5.0/Power Class1に対応。アンテナ位置を最適化することで、安定したワイヤレス接続を実現しているとのこと。アンテナはおそらくスティックの部分に実装されていると思われるが、この形状は取り扱いのしやすさだけでなく、接続安定性に貢献しているというメリットもある。音途切れが不安な人も快適に使えるはずだ。
バッテリー性能としては、イヤホン本体のみで約6時間、充電ケースを合わせると合計約15時間の再生が可能になる。高級価格帯のモデルにはもっと長時間駆動が可能なモデルもあるが、本機の価格帯を考えれば十分といえるだろう。15分の充電で約1時間の再生が可能なクイック充電に対応しているのもありがたい。
また、IPX4相当の生活防水にも対応している。突然の雨や水しぶきにかかってしまったり、運動時に流した汗が付いてしまったりしても安心だ。
最後に音質を確認したい。一見するとカラフルでポップなイメージを連想させるHA-A7Tだが、実は高磁力ネオジムマグネットを採用したダイナミック型ドライバーを搭載しており、その可愛らしい見た目とは裏腹に、パワフルでクリアなサウンドを売りとしている。一聴してみると、そのギャップに驚いたほどだ。
SpotifyでYOASOBI「夜に駆ける」を再生すると、軽快なギターや透明感のあるボーカルの質感もさることながら、ドシンとくる力強いリズムパターンに意識が向く。メーカーが謳う通り、その低域の力強さは確かに印象的だ。
ONE OK ROCK「完全感覚Dreamer」では、激しく響くギターの歪みや厚みを力強く描いてくれる。ベースラインのグルーヴ感もしっかりと楽しむことができ、いわゆるスリーピースのバンドサウンドとも相性が良いだろうと感じた。
かと思えば、→Pia-no-jaC←と葉加瀬太郎による「Csardas」も面白い。ピアノとカホンのユニットにバイオリンが加わるという異色の構成だが、意外にもバイオリンの音色が重厚感とともに艶やかに聴こえる。クラップの粒立ちもよく、パーカッションのリズムも楽しく響く。音色は硬めだが、足腰がしっかりした低音のおかげか、生音との相性もなかなかに良い。
全体を通しての音の解像度や質感は価格相応ながら、その迫力ある低音は、まさにJVCが得意とするところだ。好みを選ぶところでもあるかもしれないが、外出時にも低音が潰れることなく、しっかりと音楽を楽しめるパワーを備えているのは、ポータブルユースとしては決してデメリットでは無いはず。わかりやすさに配慮された製品デザインと、JVCらしいチューニングが施された1本。強豪がひしめく低価格帯においても、魅力的な選択肢となりそうだ。