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【PR】HDDモデルもSSDモデルも衝撃的な進化

fidataオーディオサーバー スタンダードモデルの“集大成”を新旧聴き比べ!「HFAS1-HN80」「HFAS1-S21」実力チェック

公開日 2020/12/22 06:30 土方久明
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■新旧モデルを比較試聴。ハードディスクモデルの進化は予想以上!

今回の試聴はハードディスクモデル「H40」と「HN80」、SSDモデルの「S10」と「S21」、合計4機種で、新旧の比較を行った。また、比較試聴として上位モデルの「HFAS1-XS20」もテストしている。ネットワークオーディオ環境でfidataをサーバーとして利用する場合と、USBトランスポートとしてUSB-DACと組み合わせた場合の双方をテストしている。

土方氏の自宅試聴室にてHDD/SSDそれぞれの新旧比較を行った。アンプはSOULNOTEの「A-1」、スピーカーはDYNAUDIOのSpecial Fortyを使用している

まずは初代モデル2機種に筆者が感じている音の印象だが、共通するのは無用な音色の付与を排除した、ソースに対してアキュレートな表現を持つこと。これこそfidataの機器が持つ大きなアドバンテージで、組み合わせるネットワークプレーヤーやDAコンバーターの個性を最大限発揮させてくれる。

そして、HFAS1-H40は上記した音をベースとして、分解能やS/Nの良さはSSDモデルに一歩譲るものの、中低域の押し出しが良い音。対するHFAS1-S10は、情報量と小レベルの音の分解度が高く、さらに付帯音が少ないサウンドで、しかし迫力はHFAS1-H40にも良さを感じる、といったところだ。

今回の試聴楽曲は、女性ヴォーカルとしてメロディ・ガルドーの最新作『サンセット・インザ・ブルー』の日本版ボーナストラックにある「Little Something」(96kHz/24bit FLAC)。スティングとのデュエット曲だ。それに、オーディオファイルの間で話題のジョン・ウィリアムズ『ライヴ・イン・ウィーン』から「帝国のマーチ」(96kHz/24bit FLAC)を使用した。

Melody Gardot『Sunset In The Blue』(96kHz/24bit)

まずはオーディオサーバーとしての使用で、ネットワークプレーヤー、LUMIN「X1」と組み合わせての試聴だ。

最初はハードディスクモデルの新旧対決だが、メロディ・ガルドーの音が出た瞬間、予想以上の音質差が発生していることに感心した。「HN80」では分解能が高く、中低域の骨格がしっかりしているX1の個性は残しつつ、旧モデルよりも付帯音が大幅に減少している。その結果、バックミュージックとヴォーカルの描き分けや、空間の奥行きが大きく増して、口元の動きがわかるコンパクトなヴォーカルが印象的だ。

オーディオサーバーとしてはルーミンの「X1」と組み合わせて試聴。なお、オーディオ用ハブとしてSOtMの「sNH-10G」とそれぞれ接続している

ジョン・ウィリアムズは、コントラバスやグランカッサなど低域を担当する楽器の付帯音が減少する事で、あたかも低域のfレンジが広がったようにさえ聴こえる。これは大きな音質向上と断言できる。正直に書くと上位クラスであるSSDモデル、「XS20」の領域に近づいているようにさえ感じてしまう。

次はSSDモデルの新旧対決だが、こちらも興味深い結果になった。新型である「S21」はSSDモデルらしいノイズフロアの低さと分解能を持ちながら、こちらも「XS20」が持つ低域の立体感が付与された音に変貌している。旧モデル「S10」のどこまでも自然な音も魅力だったが、メロディ・ガルドーではイントロのギターの存在感や響きが表現され、ベースの弾力感も増している。迫力が出るという安易な表現は使いたくないが、ジョン・ウィリアムズなどのオーケストラはさらに壮大な表現だ。

参考に筆者所有のHFAS1-XS20とも比較してみたが、流石にXシリーズはリニア電源の搭載やシャーシの強化などより音質対策が施されているということもあり、ノイズフロアがより低く、全帯域の分解能や力感も優れている。「XS20」では、楽曲が内包する音楽的表現をより明快にリスナーに提示する、という印象だ。

■USB-DACとの組み合わせでも同傾向の音質変化を確認

USBデジタル出力を行うトランスポートとして利用した場合はどうだろうか? SOULNOTEのDAコンバーター「D-2」とUSBケーブルで接続して、同2曲を再生した。

fidataとSOULNOTE「D-2」をUSBケーブルで直結しての再生もテスト

結論から話せば、トランスポートとして利用した場合は、使用するDAコンバーターの個性がより支配的になるが、ハードディスクモデル、SSDモデルともサーバーとして使用した場合と同傾向の音色・音調の変化が聴き取れた。

HFAS1-HN80は、D-2の持つエネルギッシュでソースの情報を全開に出すという個性をさらに伸ばしながら、旧モデルより全帯域の歪感が減少している。ノイズフロアの低下によって、メロディ・ガルドーは背景の空気感の表現が向上した。ジョン・ウィリアムズは、サウンドステージの立体感、特に天井の高さや奥行きがよりリアルに表現されたところを評価したい。

一方のHFAS1-S21も印象が良い。今回はハードディスクモデルがかなり音質を高めたものの、分解能や聴感上のノイズフロアの低さという点においては、依然としてSSDモデルに分がある印象だ。

■いずれのモデルも本質的な進化を確認。価格が抑えられているのもポイント

HFAS1-HN80とHFAS1-S21はHFAS1シリーズの集大成となるモデルで、それぞれ極めて着実なアプローチで開発されており、進化は本質的な部分に及んでいた。

ネットオーディオの進化に、また新たな歴史が加わった

今回のモデルチェンジは、ハイレゾ再生の普及により、データサイズ、量ともに大量の楽曲ファイルを管理する必要があるユーザーが増え、さらに5年の間に見つかった高音質化技術を投入できるというベストなタイミングでの刷新となった。

5年の歳月が経過して記憶媒体の記憶容量当たりの価格も下がった結果、ハードディスクモデルとSSDモデルとも価格上昇が抑えられたことも嬉しく、効果的なモデルチェンジと感じた。

fidataブランドとしては高品位なCDドライブの開発やストリーミングへの対応などを発表するなど、現在も水面下で積極的な開発を進めている。fidataブランドの展開からはますます目が離せない。

(提供:アイ・オー・データ機器)

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