【特別企画】忠実な再生に応える能力の高さを発揮
サエクの最上位USBケーブル「STRATOSPHERE SUS-020」レビュー。抜群の空間表現に大きく心を奪われた
ハイビット、ハイサンプリングのハイレゾ楽曲ファイル再生やAmazon Music HD、Apple Musicなどの高品位なストリーミングサービスが日本で正式スタートするなど、デジタル再生の世界は日々進化している。そして、それらを楽しむパソコンやネットワークトランスポートをDACと組み合わせる場合に欠かせないのが、USBケーブルだ。今日ではホームオーディオ、ポータブルオーディオ、そしてカーオーディオまで様々なオーディオシーンに欠かせないアイテムとなっている。
デジタル再生を追求するオーディオファイルとして、USBケーブルはオーディオ用のデジタルケーブルの中でも、最も音の変化に影響を与えるということは骨身にしみている。今回紹介するサエクコマースから登場した「STRATOSPHERE SUS-020」は、ノイズフロアが低く、ハイレゾなどの高音質ソースがもたらす分解能や微小な信号をありのまま表現できる潜在能力に非常に感心した次第だ。
■ブランド最上級モデルならではの妥協のないこだわり
同社ケーブルシリーズで最上級モデルのみに冠される称号 “STRATOSPHERE” のラインナップは、RCAインターコネクトケーブル「STRATOSPHERE SL-1」、XLRバランスケーブル「STRATOSPHERE XLR-1」、スピーカーケーブル「STRATOSPHERE SP-1Y-Y」、デジタル同軸/BNCケーブル「DIG-1/BNC-1」などが発売されており、筆者の周りでも大変評価が高い。
オーディオ用ケーブルを確認する時、まず気になるのが導体。SUS-020は、上記のSTRATOSPHEREファミリーが採用する超低歪率で高伝導率105%(IACS)の電気的特性を備える「PC-Triple C/EX」を踏襲した。PC-Triple C/EXを、まさかUSBケーブルに採用してくるとは…と驚きである。
シース素材は難燃性PVCで、絶縁体には比誘電率特性に優れたフッ素樹脂を採用し、信号伝送特性を左右する静電容量を抑制している。これにより高速伝送の安定性が向上している。ノイズ対策も徹底されており、ツイストペアシールド/アルミ箔シールド/銅編組の3重シールドを採用。なおケーブル周りの加工は、なんとスーパーコンピューター京の配線に使われている絶縁技術を持つ会社で行われているという。
ケーブル外径はφ6.7mmで、不必要に硬くなく、コネクター部に無駄な装飾が無いことも筆者にとっては好印象。そのことがこのケーブルのストイックな美しさをより際立たせている。取り回しにも優れているので、狭いラック裏やデスクトップ環境でも使用しやすい。この点は、近年のLAN/USBケーブルのトレンドとも言える要素であるのだが、そこを汲んでいるのもユーザーとしては嬉しいところだ。
■分解能、低ノイズフロアに表れる性能の高さ!
試聴環境は、Mac用再生ソフト「Audirvana」をインストールしたMacbook Proと、アキュフェーズのD/Aコンバーター「DC-37」をSUS-020で接続し、プリメインアンプにはデノン「PMA-600NE」で、仏FOCALの2ウェイスピーカー「CHORA 806」を駆動。
まずは女性ボーカル、ダイアナ・クラールのアルバム『ディス・ドリーム・オブ・ユー』(44.kHz/24bit FLAC)からTrack 4の「Almost Like Being In Love」を聞いた。本当に優れたケーブルは音が出た瞬間に判断できるが、今回がまさにそれだ。
上下の帯域レンジが広く、とにかくノイズフロアが低いので、小レベルの音の分解能が異様に高い。ボーカルはリアルで質感表現が一辺倒にならない。特に素晴らしいのはサウンドステージ表現。センター定位する口元がコンパクトな上、空間の奥行きがかなり出ている。つまりこのケーブルは、分解能の高さと空間表現が抜群なわけだ。
その素性の良さは、グラモフォンレーベルが今年出した1枚、オーケストラのヤニック・ネゼ=セガン/フィラデルフィア管弦楽団『ラフマニノフ:交響曲第1番、交響的舞曲』のTrack 4「交響曲 第1番 ニ短調 作品13:第4楽章」にも表れており、まさに絶品。骨格のあるサウンドステージが眼前に現れ、録音会場の空間が感じられる。ダイナミックレンジの広さから、抑揚表現の追従力も良好。音色にクセがないので弦楽器のアコースティックな表現や金管楽器の音の飛び出しも良い。さらにコントラバスなど低音の伸びのある音も素晴らしい。
USBケーブルは、元々パソコンの世界で使用されていたケーブルだから、信号線と電源線が1本のケーブルの中に同居しており、音質的に不利だ。なので、昨今広く普及するトランスポートとD/AコンバーターのUSB伝送においては、USBケーブルを交換することによって音質変化幅が広い。これは悪くいうと不安定さということでもあり、この方式の大きなネックと考えていたが、今回のSUS-020の様な性能の高いケーブルを使えば分解能やノイズフロアなど多くの要素で音質が向上するのだ。
◇
筆者はエンジニア出身ということもあり、デジタルケーブルについては、理論の裏付を確認すると同時に、まずは “信号を安定して伝送させる事が最優先” だと考えている。最終的にはソース音源に対する忠実な再生能力を求めているが、その欲張りな要求をSUS-020は叶えてくれた。
本ケーブルの音質傾向はとにかくノイズフロアが低く、良質なハイレゾ音源など分解能の高いソースの秘めたる封印を解いてくれる。価格は決して安いとはいえないが、その分、良質なマテリアルが投入されており、設計から製造までもしっかりしていることも併せ、ホームオーディオからカーオーディオまで、幅広い環境で機材の能力を最大限引き出してくれるだろう。筆者はこれまでに様々なUSBケーブルを愛用してきたが、中でもSUS-020は大きく心を奪われた素晴らしい音質であった事を最後に報告したい。
(提供:サエクコマース)
デジタル再生を追求するオーディオファイルとして、USBケーブルはオーディオ用のデジタルケーブルの中でも、最も音の変化に影響を与えるということは骨身にしみている。今回紹介するサエクコマースから登場した「STRATOSPHERE SUS-020」は、ノイズフロアが低く、ハイレゾなどの高音質ソースがもたらす分解能や微小な信号をありのまま表現できる潜在能力に非常に感心した次第だ。
■ブランド最上級モデルならではの妥協のないこだわり
同社ケーブルシリーズで最上級モデルのみに冠される称号 “STRATOSPHERE” のラインナップは、RCAインターコネクトケーブル「STRATOSPHERE SL-1」、XLRバランスケーブル「STRATOSPHERE XLR-1」、スピーカーケーブル「STRATOSPHERE SP-1Y-Y」、デジタル同軸/BNCケーブル「DIG-1/BNC-1」などが発売されており、筆者の周りでも大変評価が高い。
オーディオ用ケーブルを確認する時、まず気になるのが導体。SUS-020は、上記のSTRATOSPHEREファミリーが採用する超低歪率で高伝導率105%(IACS)の電気的特性を備える「PC-Triple C/EX」を踏襲した。PC-Triple C/EXを、まさかUSBケーブルに採用してくるとは…と驚きである。
シース素材は難燃性PVCで、絶縁体には比誘電率特性に優れたフッ素樹脂を採用し、信号伝送特性を左右する静電容量を抑制している。これにより高速伝送の安定性が向上している。ノイズ対策も徹底されており、ツイストペアシールド/アルミ箔シールド/銅編組の3重シールドを採用。なおケーブル周りの加工は、なんとスーパーコンピューター京の配線に使われている絶縁技術を持つ会社で行われているという。
ケーブル外径はφ6.7mmで、不必要に硬くなく、コネクター部に無駄な装飾が無いことも筆者にとっては好印象。そのことがこのケーブルのストイックな美しさをより際立たせている。取り回しにも優れているので、狭いラック裏やデスクトップ環境でも使用しやすい。この点は、近年のLAN/USBケーブルのトレンドとも言える要素であるのだが、そこを汲んでいるのもユーザーとしては嬉しいところだ。
■分解能、低ノイズフロアに表れる性能の高さ!
試聴環境は、Mac用再生ソフト「Audirvana」をインストールしたMacbook Proと、アキュフェーズのD/Aコンバーター「DC-37」をSUS-020で接続し、プリメインアンプにはデノン「PMA-600NE」で、仏FOCALの2ウェイスピーカー「CHORA 806」を駆動。
まずは女性ボーカル、ダイアナ・クラールのアルバム『ディス・ドリーム・オブ・ユー』(44.kHz/24bit FLAC)からTrack 4の「Almost Like Being In Love」を聞いた。本当に優れたケーブルは音が出た瞬間に判断できるが、今回がまさにそれだ。
上下の帯域レンジが広く、とにかくノイズフロアが低いので、小レベルの音の分解能が異様に高い。ボーカルはリアルで質感表現が一辺倒にならない。特に素晴らしいのはサウンドステージ表現。センター定位する口元がコンパクトな上、空間の奥行きがかなり出ている。つまりこのケーブルは、分解能の高さと空間表現が抜群なわけだ。
その素性の良さは、グラモフォンレーベルが今年出した1枚、オーケストラのヤニック・ネゼ=セガン/フィラデルフィア管弦楽団『ラフマニノフ:交響曲第1番、交響的舞曲』のTrack 4「交響曲 第1番 ニ短調 作品13:第4楽章」にも表れており、まさに絶品。骨格のあるサウンドステージが眼前に現れ、録音会場の空間が感じられる。ダイナミックレンジの広さから、抑揚表現の追従力も良好。音色にクセがないので弦楽器のアコースティックな表現や金管楽器の音の飛び出しも良い。さらにコントラバスなど低音の伸びのある音も素晴らしい。
USBケーブルは、元々パソコンの世界で使用されていたケーブルだから、信号線と電源線が1本のケーブルの中に同居しており、音質的に不利だ。なので、昨今広く普及するトランスポートとD/AコンバーターのUSB伝送においては、USBケーブルを交換することによって音質変化幅が広い。これは悪くいうと不安定さということでもあり、この方式の大きなネックと考えていたが、今回のSUS-020の様な性能の高いケーブルを使えば分解能やノイズフロアなど多くの要素で音質が向上するのだ。
筆者はエンジニア出身ということもあり、デジタルケーブルについては、理論の裏付を確認すると同時に、まずは “信号を安定して伝送させる事が最優先” だと考えている。最終的にはソース音源に対する忠実な再生能力を求めているが、その欲張りな要求をSUS-020は叶えてくれた。
本ケーブルの音質傾向はとにかくノイズフロアが低く、良質なハイレゾ音源など分解能の高いソースの秘めたる封印を解いてくれる。価格は決して安いとはいえないが、その分、良質なマテリアルが投入されており、設計から製造までもしっかりしていることも併せ、ホームオーディオからカーオーディオまで、幅広い環境で機材の能力を最大限引き出してくれるだろう。筆者はこれまでに様々なUSBケーブルを愛用してきたが、中でもSUS-020は大きく心を奪われた素晴らしい音質であった事を最後に報告したい。
(提供:サエクコマース)