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配信サービスの差を描き分ける驚きの再現力!ARCAM「Solo Uno」はオーディオストリーミング時代の逸品だ

公開日 2021/11/19 12:00 生形三郎
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Official髭男dism「Cry Baby」では、エレクトリックベースが弾み良くたっぷりとしたエネルギーで再現され、リッチな聴き心地を楽しませる。やはり、この楽曲でも、ヴォーカルやシンバルなどが明瞭かつ華やかに再現され、メロディやリズムの輪郭がくっきりと伝わる張り出しの良さがある。エネルギッシュで元気を貰うサウンドだ。

続いて、Apple MusicとAmazon Music Unlimitedで高品位音源を試聴してみる。こちらもSpotify同様に、アプリの音声出力先にSolo Unoを接続するだけで再生準備が完了する。ここでは、先程Spotifyで再生した楽曲を中心に、44.1-48kHz/16bitのロスレスオーディオで再生してみる。

すると、やはりロスレスかそうでないかには明確な差があることがわかった。ロスレスオーディオではよりディテールが鮮明に描き出されるとともに、歌声や楽器の質感もよりリアルな質感で楽しむことができたのだ。張り出しや元気の良さが魅力だったSpotifyに比べて、ロスレスの再生では、より繊細な音の質感が味わえ、演奏の表情も丁寧に描き出される。

そして驚くべきは、各サービスごとの微妙な音傾向の違いまでもが描き出される点だ。例えば、Apple Musicでは幾分迫力傾向のサウンドで描かれ、対してAmazon Music HDではナチュラル傾向のサウンドが楽しめるのだ。

さらに、ハーマンインターナショナルが提供する「MusicLife」アプリからTIDALを用いてハイレゾストリーミング再生を確認してみた。ザ・ビートルズ「カム・トゥゲザー(2019Mix)」やアリシア・キーズ「Underdog」などを各サービスで聴き比べていくと、やはり高解像な低域表現や立体的な音楽表現など、ハイレゾソースならではの情報量が描き出された。

このように各サービスの違い、そして音源スペックによる違いを見つけるのもストリーミング再生の醍醐味だが、それを実現するには再生機器に依存するところも大きい。この楽しみ方ができるのも、機能と再生性能を両立した、本機ならではの魅力だ。

大型スピーカーも軽々駆動、高い機能性と優れたサウンドを両立

ここからは、スピーカーをより大型のJBL「HDI-3600」に変更してみると、より勢いをもって音楽が描き出されるとともに、実に量感豊かな迫力ある低音が飛び出してきた。スピーカーの能率がアップしたこともあるが、ARCAMが推し進めてきたアンプ設計のシンプル化、そしてハイパワー化がこのサイズに見合わぬ駆動力を実現したのだろう。

非常にスマートなサイズながらフロア型のHDI-3600を難なくドライブさせるパワーを誇る

充実した低音によって音楽が厚み豊かに表現されるとともに、滑らかさや適度なきらびやかさも再現され、心地がよい音色だ。弾みある演奏で躍動感に満ちており、楽器同士の分離感も程よく演奏の一体感がある。

ボーカルソースも、やはり歌声が勢いよく飛び出すとともに、充実した声の厚みがある。改めて見ても小型の本体と、それに対してアンマッチとも思える大型スピーカーとの組み合わせであっても、想像できないほど充実した駆動力を堪能できた。

以上、Solo Unoは、上質感あるデザインを纏うコンパクトボディに、ARCAMならではの高い技術に裏打ちされた良質な音楽再生能力を持った、ストリーミングサービスによって音楽リスニングの間口を広げる画期的なモデルだと言える。

ストリーミングサービスが日本で流行り始めた当初、あくまで音楽をカジュアルに楽しむためのものだった。しかしロスレス/ハイレゾ配信がスタートし、サービスの作り込みも進んだ昨今、その認識はもう古い。膨大な楽曲数、空間オーディオなど先端ソースの提供、座ったままで選曲から再生まで完結する操作性など、もはや使わない手はないだろう。

今回の聴き比べによって、Solo Unoが、手軽に使えるSpotifyからTIDALのようなハイレゾ再生まで、それぞれのサービスの魅力を手軽かつハイクオリティに楽しめる実力を備えていることが十二分に確認できた。これからますます隆盛となるストリーミング再生を主体とした現代的オーディオに、本機の親和性は極めて高い。

改めて、現代的なオーディオシステムの核としての十分な機能性を有しており、スマートフォンでストリーミング再生を楽しんでいる人のステップアップの入り口としてはもちろん、オーディオを趣味としている方でも満足のいくシステム構築が行えるような、幅広いユーザーにオススメできる魅力的なプロダクトなのである。

(協力:ハーマンインターナショナル)

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