NCFを信号系端子へ初導入
AAEX2022グランプリ受賞、フルテック最高峰ラインケーブル「Lineflux NCF(RCA)」の音質をチェック
フルテックの最新ケーブル「Linflux NCF(RCA)」を聴く
■プラグのNCF化による効果を、福田氏が新・旧モデルで比較試聴!
フルテックの最高級RCAケーブルが、高音質化に効果があると注目されているNCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)素材をプラグ部に導入してバージョンアップされた。今回、旧バージョンと比較試聴することができたので報告したい。なお、このモデルのケーブル部、導体や構造は継承され、プラグ部のみが改良されている。したがって、このテストは総合的な結果であると共に、NCFプラグの効果を示すものになる。
ところでこのNCFは、ナノ粒子化したイオン化する特性の強い鉱物を、樹脂とハイブリッドしたもので、2015年に開発。フルテックではこれまでに最高級電源プラグやIECコネクターの電極固定部、またケーブルインシュレーターや機器接続プラグ部を固定するNCF Boosterシリーズに採用し、予想を超える効果を見せている。
フルテック「Linflux NCF(RCA)」の音の魅力と使いこなし
■表現力が見違えるほど向上し、NCFの効力に改めて注目する
NCFを採用していない旧モデルのケーブル「Linflux(RCA)」は、中間帯域から中低域を主体にしたバランスであり、音の冴えや抜けは最高とはいえない。中低音はボリュームが主体になり、締まりは十分とはいえない印象であった。
ところが新製品の「Linflux NCF(RCA)」にすると、中音や高音の表現力が向上し、見違えるように変化している。高音の帯域特性やSN比、表現力を高めるため、低音のダンピングも強化されて引き締まる。中高音の表現力は、低音の制動力に大きな影響力があり、関係していることが理解できる。SN比は高く、解像力もより強化されており、レファレンスクラスと呼べる性能をもたらしている。改めてNCFの効力に注目する。
ケーブル部は旧モデルと共通でその部分の音質は変わらないはずだが、プラグ部の刷新によって、結果として魅力的な高級RCAケーブルの性能が達成されている。透明感のある中音のレスポンスがインパクトを明確に描くことで、それが躍動的な表現に勢いをもたらすとともに、全体にコントラストを高めている。
今回のケーブルは、硬質的な分解力の高さや超写実を徹底追求した設計というよりも、アナログファンにも違和感のない、柔軟にして豊かなニュアンス表現力といった要素を重視した音質設計を感じることができる。「Lineflux NCF(RCA)」は、高級アナログマニアのユーザーに向けたRCAインターコネクトケーブルといえるだろう。
アナログ再生でもケーブルは色々な経路で使われる。このケーブルはどの経路に導入するとベストなのか。プリアンプやプリメインアンプで、MCトランスやイコライザーアンプを接続している場合では、その部分が適している。トランス出力やEQアンプ出力である。ここでもし信号をロスしたら、後段でどのような高精度な増幅回路を導入しても回復できないからだ。
【Linflux NCF(RCA)】●導体:単芯α(アルファ)OCC導体●シールド:2層●絶縁/誘電体:高級ポリエチレン●共振減衰材料:シース内のナノセラミック/カーボンパウダーコンパウンド●ケーブル外径:約13.0mm●プラグ外径:全長約φ14.0mm×54.0mm