【PR】GRADOらしいグルーヴ感とオーディオ的な性能を両立
こんな音を聴きたかったんだ! GRADOファンの評論家も叫んだ、新世代「Prestigeシリーズ」レビュー
■大箱クラブ級のグルーヴを聴かせてくれる「SR325x」
そして最後は、最上位モデルとなるSR325xを試してみた。手に取ってみると、シルバーのハウジングと、 最上位モデルの証となるホワイトステッチが眩しい。ケーブルは8芯OFC線を使っているので、先に試した2モデルよりも少し太い。
多くのファンを持つ325番台の最新モデルということで、自ずと気持ちが入るが、その音質は目を見張るものがあった。本機は低域に重量感があり、特に、特定の音源に対して、素晴らしく支配的な音を出すのだ。
ホセ・ジェイムスは中高域の質感がフラットで、そこに低域がかぶさってくるので若干落ち着いた印象になるものの、米津玄師は帯域バランスがアキュレイトな再生音で、高域は抜けが良いが突き刺さり感は少なく、ボーカルの距離感も近すぎず遠すぎずベストな印象。
…と、ここまでは「さすがは最上位モデルだな」といった感じだったが、驚嘆したのはEDMを聴いた時だ。SR325xで聴いた「Fav Boyz」は、コロナ禍の前に新宿の某大箱クラブで聴いたような、圧倒的な重量と音圧のあるエレクトリックバスドラムが炸裂する。「こんな音を聴きたかったんだ!」と思わず筆者は叫んだほどだ。
もしかして現代のポップスとかなり相性が良いのでは? と思い、ザ・ウィークエンドの最新シングル「Take My Breath」も再生してみたが、やはり最高だった。ベースやドラムは理想的ともいえる帯域バランスと質感を持ち、キレが良い重低音が空間に広がりグルーヴ感抜群だ。
試聴ということを忘れて音楽の渦に身を任せてしまったが、筆者が考えるGRADOのアドバンテージは、何と言っても音楽性の高さ。音楽と一体になれるグルーヴ感の高い音ということに尽きる。今回のモデルチェンジではそこに、オーディオ的な再生能力の高さを示す付帯音の減少や音の立ち上がりの向上が感じられたことが特筆点と言えるだろう。
また、着け心地の良さも確かに向上しており、前モデルよりも長時間使用しても頭部の疲れが少なかったことも記しておきたい。
さらに、今回のレビューでは取り上げてないものの、「SR225x」「SR125x」も試聴してみたところ、各々がしっかりオンリーワンの個性をもち、音源にハマった時の表現力は本当に素晴らしいものがあった。付け加えると、本シリーズはインピーダンスがすべて38Ωなので、比較的安価なDAPなどでも駆動しやすいのも嬉しいところだ。
最近は限定モデルも人気のGRADOだが、定番モデルの確かな音質向上は嬉しかったし、ニューヨークを拠点とし、60年以上オーディオ製品の設計を行ってきた同社らしい「モノ」としての佇まいも魅力的だ。リスニングの時間を最上の音楽体験としてくれるGRADOのヘッドホン、ぜひ注目していただきたい。
(協力:ナイコム)