【PR】GRADOらしいグルーヴ感とオーディオ的な性能を両立
こんな音を聴きたかったんだ! GRADOファンの評論家も叫んだ、新世代「Prestigeシリーズ」レビュー
■「これぞGRADOのヘッドホン!」なサウンド
今回はAstell&KernのDAP「SE180」を用いて、5モデルの中から「SR60x」「SR80x」「SR325x」の順番で試聴テストした。
試聴音源はすべてハイレゾのデジタル楽曲ファイルで、ポップスはホセ・ジェイムスの 「リーン・オン・ミー」、J-Popは米津玄師の5thアルバム「STRAY SHEEP」、EDMはA.C.E/スティーヴ・アオキ「Fav Boyz」(全て48kHz/24bit FLAC)を使用した。
まずはシリーズに共通する印象として、簡単に表現すると、前モデルが備えていた躍動的な音楽性を受け継ぎながら、ヘッドホン再生能力の指標となる分解能や音の立ち上がりが予想以上に向上している。また、単に価格の差が音のグレードに現れているのではなく、各モデルがそれぞれに個性を持っていたことは特筆したい。これぞGRADOのヘッドホンだ!
最初はシリーズで最もカジュアルなSR60xから。上位4モデルが採用するドライバーは“De-Stressed Driver”仕様だが、本機は“De-Stressed”ではない通常のXドライバーを採用しており、ケーブルも4芯と簡素化されている。
とはいえ聴いてみた印象はとても良い。平たくいえば、良くも悪くも古き良き時代のGRADOの音を継承している印象で、音の質感は荒いが、その分音離れが最高なのだ。もちろんオープン型なので圧迫感がなく、例えばホセ・ジェイムスは、キックドラムがビックリするほどハードに聞こえる。
誤解を恐れず書くなら、本来のソース音源より躍動的に感じる。しかし、前モデルよりも付帯音が少なく、かつ全帯域のスピード感もあり、米津玄師はボーカルの距離感が近い。
続いて初代Prestigeシリーズのエントリークラスとして登場し、全世代で人気が高いという80番代のSR80xをテストしたが、「え?80番代ってこんなにオーディオ的な性能高かったっけ?」と一瞬感じるほどの変化があった。SR60xに比べ、音色的に艶やかになり、各帯域の繋がりや密度感が向上している。
ホセ・ジェイムスは、一聴してハウジングの鳴きが抑えられていることがわかり、サックス、ベースなどの楽器は細かいニュアンス表現向上が顕著だ。米津玄師は、高域が若干突き刺さるが、その分ボーカルに艶やかさが出ているし、SR60x同様にキックドラムやベースなどの躍動感が強い。