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Fire TV Stick 4K Maxは“AVアンプに”挿すべき理由。マランツ「NR1711」で構築する最新AVエンタメ環境のススメ
テレビとAVアンプの接続は、HDMI端子を利用する “ARC”(オーディオ・リターン・チャンネル)の普及により近年かなり導入ハードルが下がっている。シンプルに考えると、Fire Stick TV 4K MaxはテレビのHDMI入力端子に挿し、NR1711のHDMI出力をテレビのARC対応HDMI端子に接続……とやりたくなる所だが、この接続方法には、ひとつ落とし穴がある。
NetflixやAmazon Prime Videoではドルビーアトモスの立体音響で楽しめる作品も配信されており、Fire TV Stick 4K Maxはこれに完璧に対応している。ただ、テレビのHDMI端子を経由してドルビーアトモスの音声をビットリームで通そうとすると、ARCは最大5.1chまでの伝送対応という規格上の制約からか、5.1.2chなどのアトモス信号をうまく認識してくれないケースに遭遇したこともある。
また、Netflixなど動画配信のドルビーアトモスは、Dolby Digital Plusでの配信を採用しているが、Ultra HD Blu-ray作品等でのDolby True HDによるドルビーアトモス信号を通すには、従来の “ARC” ではなく、最新の “eARC”(エンハンスド・オーディオ・リターン・チャンネル)への対応が必須となる。ただ、最新規格ということもあり、eARC対応のHDMI端子を備える薄型テレビはまだそれほど多くない。
そこで推奨したいのが、NR1711背面のHDMI入力端子へとFire TV Stick 4K Maxを挿入した上で、NR1711のHDMI出力をテレビの “ARC” 対応HDMI端子に接続する方法だ。このとき、テレビのHDMI端子が “eARC” 対応である必要はない。
この接続方法なら、Fire TV Stick 4K Maxからのドルビーアトモス音声をNR1711へ直接送り込むためテレビ側は関係ないし、4K/60pのHDR信号もパススルーしてくれる。また、NR1711とテレビをARC対応のHDMI端子で接続することで、音量調整や入力切り替え、電源オンオフなどといった各種操作がHDMI CECで連動し、使い勝手の良さも確保できるという算段だ。
ちなみに、AVアンプの背面にFire TV Stick 4K Maxを接続すると本体が隠れリモコン操作しにくくならないか? と心配するかもしれないが、Fire TV Stick 4K MaxはBluetoothリモコンを採用しているので、心配無用だ。
■HDMI連動で使い勝手も非常に良好
実際に操作してみると、使い勝手もとても良好だ。HDMI連動によって、テレビのリモコンでAVアンプ(NR1711)も操作できる。テレビのリモコンでNR1711の音量を調整するなどということも、もちろんなんの問題もなく行えた。
そして、感動的なほど上手く機能したのが、Fire TV Stick 4K Max側からの連動操作だ。例えば、テレビが点いていない状態からFire TV Stick 4K Maxのリモコンを押すと、Fire TV Stick 4K Max、NR1711、テレビの電源が一斉にオンになり、一発で視聴準備が整う。「何番のHDMI端子にどの機器を接続していたっけ……」と背面を覗き込んで入力を切り替えていたのはもう昔のことなのだ。