【特別企画】「まさにプライスレスな次世代プリメインアンプ」
「テレビ接続できるプリメイン」同門対決!マランツ「MODEL 40n」を「NR1200」ユーザーの評論家が自宅でテスト!
これが映画になれば両者の差がさらに開くことは想像に難くないだろう。この分厚いシネマサウンドには、映画も2チャンで十分と言わんばかりの説得力がある。NR1200だって1.5倍、いや2倍近くの価格の競合機にも負けない抜群のコストパフォーマンスで大ヒットした製品なのだが、MODEL 40nの前では明らかに分が悪い。
そして極めつけは、国産アンプのイメージを一新する新生マランツデザイン。これ、カッコ良すぎるでしょう。特にブラック。お気に入りのAVラックとの相性がバッチリすぎてマジやばい。時間帯によってフロントパネル両端の波紋の表情が変わり、部屋の照明を落とせばスリットから漏れるLEDの光にウットリである。
■MODEL 40nが欲しすぎる
最後に、(当初は予定になかったのだが)MODEL 40nを筆者の自室のメインシステムに移動して、ピュアオーディオアンプとしてのポテンシャルも徹底検証してみることにした。
鳴らすのは82dBという筋金入りの低能率スピーカーATC「SCM10 Signature Edition」で、並のアンプではローエンドまで伸びてくれない難敵なのだが、そんな心配はMODEL 40nには全くの杞憂だった。
一方で、マランツ試聴室で聴いた時のような闊達さが少し足りない感じがしたので、試しに電源ケーブルを付属品から筆者の愛用品に交換してみると、「コレだよ、コレ!」と膝を打つようなエネルギッシュなサウンドに変貌したではないか。そういえばマランツ試聴室のデモでも電源ケーブルはオーディオクエスト製の弩級品が使われていたっけ。クラス最大級の大容量トロイダルトランスを搭載するMODEL 40nには電源ケーブルの交換がひときわ効果的のようだ。
さらに、HEOSによるAmazon Music HDの再生品質もチェック。拙宅ではEdiscreation製の光絶縁ボックスとスイッチングハブを導入しているが、ネットワーク周りに万全を期した環境であれば、同一音源をUSBメモリーからファイル再生した場合と遜色ないクオリティが期待できる。
例えば、最近ヘビロテしている「明日ちゃんのセーラー服」のOPテーマ『はじまりのセツナ』は、現状Amazon Music HDやApple Musicでのみロスレス品質で聴くことができるのだが、裏拍で疾走するバンドサウンドにグルーヴィーなMODEL 40nが見事にシンクロして最高に気持ちがいい!!
■NR1200からMODEL 40nにバトン“タッチ”しちゃう?
28万円はNR1200からのジャンプアップには少々勇気が必要なお値段かもしれないが、これだけの音質、機能、デザインが凝縮されたMODEL 40nは、まさにプライスレスな次世代プリメインアンプといえるだろう。ええ、私も正直欲しいですよ。
唯一の懸念点は設置場所くらいか。奥行き378mmのNR1200に対してMODEL 40nは432mm。リビングのAVボードの奥行きは360mmなので、MODEL 40nの両脚がギリギリ乗る状態だ。当然、棚板の後ろにはお尻がかなりはみ出してしまうから、AVボード自体を今よりも前に出さなくてはならない。これでは再び家族から不満が出そうだ。
ところが、意外なことに2週間の試用期間中、クレームはゼロ。ブラックパネルのカッコ良さに見惚れて誰も気づいていないようなのだ。これはマズイ。今にもマランツ広報のT氏に電話をしちゃいそうである。「秋山真は上杉達也を購入します!」と。
(協力:ディーアンドエムホールディングス)