PR評論家・高橋敦が魅力をレポート
4K/ハイレゾ配信システム「Live Extreme」を「あえてのDAP視聴」。ウォークマンで試してみた
たしかにDAPのウェブブラウザでコンテンツにアクセスするだけでハイレゾ音声による動画配信を楽しめる!
そしてその音質。
筆者もこれまで様々な配信ライブを視聴してきたが、その音質については「悪くはない(配信ならこの程度でしょ)」というネガティブな納得をしていた。
しかしLive Extremeから聴こえてきた音はその印象をあっさりと覆すレベル。「これ、このDAPで普通に音源ファイルを再生してるときの音じゃん!配信なのに普通にハイエンドオーディオの音じゃん!」な音が聴こえてきたのだ。
しかも、だ。そう感激していたところ、コルグの中の人から「ん?そのDAPだと設定変更しないとブラウザではハイレゾ再生できなかったかも」との指摘が。何とWM1ZM2の場合、「ハイレゾストリーミングを有効にする」的な設定をオンにしないと、ブラウザでの配信視聴での音声は非ハイレゾのロスレスにダウンコンバートされてしまうという。
つまり先ほどまでの筆者は、Live Extremeが送り出してきたハイレゾ音声をDAP側で非ハイレゾにダウンコンバートしていたものに感激していたわけだ。恥ずい……。
ちなみにLive Extremeのウェブサイトには再生中のサンプルが再生機器で実際にハイレゾ再生されているかどうかを確認できるページも用意された。実際にお試しの際、皆様はこちらで確認を。
https://live-extreme.net/test.html
DAPでもPCでもLive Extremeの音は感動的!
が、このトラブルのおかげでの収穫もあった。Live Extremeの音質面での優位はやはり、ハイレゾ以前の根本的な改善によるところも大きいということだ。映像基準で同期され、しかも二重にロッシー圧縮されていた従来型配信の音声と比べて、それらの問題を全て解消したLive Extremeの音声は、ハイレゾではない環境での視聴であっても圧倒的に鮮度の高いものとなっている。
さて無事にごまかし終えたところで改めて、先の設定をオンにして今度こそハイレゾでLive Extremeを体験。「これ、このDAPで普通にハイレゾファイルを再生してるときの音じゃん!配信なのに普通にハイレゾ再生の音じゃん!」10分ぶり2度めの感激ですありがとうございます。
サンプル配信「藤田恵美 - The Water is Wide」においては、アイルランドの民族楽器ティン・ホイッスルの演奏ニュアンスの豊かさがハイレゾで特に際立つ。日本の尺八のように息遣いが直にそのまま楽器の音にも反映される笛なので、息を入れる強さ弱さなどでの音色や音程の瞬間的な変化、抑揚がとてもダイナミック。Live Extremeはそれを実にグッとくる描写、説得力で届けてくれる。
また、試聴したこのライブ自体は「超高音質ライブレコーディング実施のヘッドフォンコンサート」という特殊な形態であり、観客の気配は薄い。しかし昨今は「有観客+配信」形式での普通のライブも多い。その場合、ライブ現場ならではの観客の空気や気配の伝わり方もLive Extreme配信ならもっと豊かで生々しいものになるのでは?今回聴いたステージ上の空気や気配からだけでも、そんなポテンシャルを感じられた。
もちろんDAPには画面の小ささという明確な弱みもある。もっと大画面かつ高音質な視聴環境を用意できるのであればそれに越したことはない。
しかし用意できる最高音質オーディオ環境がDAPであるなら、「あえてのDAP視聴」の理由として十分だ。スマホ的な画面サイズ&イヤホンならではの「パーソナル感」がフィットするコンテンツもあるから、それも理由になり得るだろう。あるいは「オーディオ・ファーストのライブ配信という心意気にこちらもオーディオ・ファーストで応える!」なんて理由も、オーディオファンとしてはありかもしれない。
とにかく理由は何であっても、そもそもDAPから視聴しようともPCから視聴しようとも、Live Extremeの音は感動的。それぞれが用意できる最高のオーディオ環境で、まずはサンプルにアクセスしてみてほしい。
(提供:コルグ)