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初代モデルから何が変わった?

第2世代「AirPods Pro」レビュー。ノイキャンはソニー/ボーズ並、音質も使い勝手も向上

公開日 2022/09/23 10:00 山本 敦
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第2世代のAirPods Proの遮音効果は明らかに向上している。イヤホン、イヤーチップの形状はほとんど変わっていないのに、新しいAirPods Proは耳の穴の隙間をみっちりと埋めてくるような、タイトな遮音性能が特徴だ。

騒がしいカフェで新旧AirPods Proのノイズキャンセリング機能を比較した

夕暮れ時の騒がしいカフェの店内で試したところ、隣で賑やかに談笑する学生たちの会話がビシッとシャットアウトされ、聞こえなくなった。続いて地下鉄に乗ってAirPods Proを装着すると、初代機では若干漏れ聞こえてきた低いモーター音、レールがきしむ甲高いノイズが聞こえなくなる。

そして極めつけは自宅で、ウェブ会議に参加する家族を目の前にしながら、新しいAirPods Proでビル・エヴァンス・トリオのアルバム『Portrait in Jazz』から「Autumn Leaves」を再生したら、家族の声が聞こえなくなって、仕事に全集中できた。

体感上は「2倍以上」の静寂さを、第2世代のAirPods Proは実現していると思う。筆者が最近試した中ではソニー「WF-1000XM4」やグーグル「Pixel Buds Pro」、ボーズ「QC Earbuds」など、ノイキャンを「みっちりと効かせる」タイプの完全ワイヤレスイヤホンに近い。新しいAirPods Proは、これら人気モデルのトレンドをキャッチアップしてきたと言える。

ただ一方で、このギュッとタイトに消音される感覚が苦手という方もいるだろう。初代AirPods Proの、若干の抜け感を伴う “爽やかなANC” が心地よいという声を、筆者も聞くことがある。ウェブ会議など音楽リスニング以外の用途には、ノイキャン感が強くないイヤホンの方が向いている場合もある。購入を決める前に、ぜひApple Storeなどで実機を試してから検討を進めることをおすすめしたい。

■爆音ノイズから耳を守る「適応型環境音除去」



H2チップの恩恵は、「外部音取り込み(ヒアスルー)」に新設された「適応型環境音除去」の搭載にも活きている。リスニング中に環境音を取り込みながら、突発的に飛び込んでくる大音量のノイズは減衰させ、ユーザーの聴覚を保護する機能だ。

「適応型環境音除去」は機能のオン・オフが選択できる

設定はAirPods Proのメニューからオン・オフが切り換えられる。線路の真横で新機能の効果を試してみた。轟音を立てながら電車が真横を通過すると、ノイズは85dBを越えるレベルに到達する。その瞬間、AirPods Proは自動的にノイズレベルを10dBほど下げ、耳にかかる負担を回避してくれた。

線路のすぐ側で「適応型環境音除去」のフィールドテストを実施した

場所を変えて陸橋の上から、電車が通過する音とAirPods Proの変化を観察した。ノイズが一定のレベル以上にならない場面では、特に意識されるような聴感上の変化が起きない。つまり適応型環境音除去では「電車の走行音」「工事現場の作業音」「サイレン」など、ノイジーな音源の「種類」を特定して消すような処理は行っていないようだ。あまねく「大音量ノイズをカット」することが本機能の役割なのだ。

85dBを越えるノイズを計測すると、AirPods Proがノイズキャンセリング機能を効かせて10dBほどノイズを低減してくれる。コンテンツのサウンドに大きな影響はない

設定から機能のオン・オフを切り換えても、イヤホンのバッテリー消費が大きく影響を受ける手応えは今のところない。常時オンで使っても良さそうだ。

なお、外部音取り込みモード時のサウンドは輪郭がボールドになり、抑揚にもメリハリがついた。とても聴きやすい。新規設計のドライバーとアンプを載せて、なおかつハウジングの構造を見直したことが奏功しているのだろう。音については後ほどまた触れたい。

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